店長日記

イスラムとワインと私

2016年02月13日

ワインの味わいを決定するブレンドはオーナーと醸造長たち少数で決定されるものです。
つまり、その人たちの嗜好、味覚、食の経験によるところで味が決定してしまいます。
筆者がバックパックでいろいろな地域を回っているとき不思議な体験をしました。
モロッコ、チュニジア、トルコなどイスラム教圏の国を旅する時に予備知識としてその戒律について知る必要があると思い、いろいろ調べていました。当然、イスラムではハラームと言われる飲酒は禁じられています
しかしながら実際に当地を訪れてみるとその考え方については様々な対応がありました。
戒律や建前では飲酒は大罪とされていますが、歴史をさかのぼるとイスラム法以前は普通に飲酒があった歴史がありますし、信仰やクルアーンの解釈にも人によって違いました。

私がイスラム教圏の町を乗り物で移動していると、同じ方向に行く人と知り合いになりました。その人がカフェに行こうと言ってくるので、ついていきました。
そうすると、その人は、カフェで「今日は暑いから、冷たいビールかワインを飲もう」と言いだしました。私はちょっと不思議な気がしました。イスラムでも普通にアルコールを飲むのだなあ、と。
そうしてカフェの店長にアルコールのオーダーをすると、その店長はオープンカフェのシートから窓もない小部屋を案内してくれて、「ここで飲んでくれ」と言いました。
私たちはその何もない小部屋で悪いことをしているかのような意識の中、アルコールを飲んだという不思議な体験をしました。
やはり、表立ってアルコールを飲むのはイメージが良くないようですが、実際は普通に飲まれているのが良く分かりました。
帰国してからいろいろ調べてみるとイスラム原理主義の考え方にほど遠い地域、例えばトルコ、モロッコ、チュニジア、バルカン半島の旧ユーゴ圏の国はヨーロッパスタイルの食事で普通にワインも飲んでいるし、中央アジアの国々の人々もハードリカーを飲んでいるのを目にします。
そういった地域のワインはやはり、イスラム圏のスパイシーな味わいの肉料理に合うブレンドになっているイメージがあります。

そんなイメージのワインは
クロアチアの
イロチュキ ポドゥルミ カピストラン ツルニ セレクテッド 2013 (赤)http://aquavitae.ocnk.net/product/39

ハンガリーの
パンノンハルミ アパーチャーギ ピンツェーセト パンノンハルミ トリコシュ レッド 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/41

がおすすめです。

その後も興味を持っていろいろな資料を読み進めていくと、
イスラム教において酒が禁じられているにはあくまで現世においてであり、天国ではむしろ飲酒が讃えられていることから、神秘主義詩などでは酒への称賛が詠まれているが、それらは文字通りの酒への賛美ではなく、真の意味は神への称賛だとされる。
とあるようです。

スペインでもイスラムがイベリア半島を支配していた時代にぶどうの樹を抜いたとされていますが、実際には全て撤去されていたわけではなく、そのままにされていたぶどうの樹もあったようです。

また、戒律が厳しいとされるイランでも歴史的に見てペルシアは飲酒が盛んであり、酒をうたった多くの神秘主義詩があるほか、国民詩人、オマル・ハイヤームの四行詩、ルバイヤートは世俗的立場から飲酒の享楽をうたっています。
そんなルバイヤートのワインもございます。
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/46

結論としておいしいものは世界のどの地域でも楽しまれているのだなあと実感した次第です。

よろしくお願いいたします。


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