店長日記
ギリシャ新着 本当のギリシャ人とは
2017年05月10日
ギリシャから新着ワインのご紹介です。
ティミオプロス ナウサ ジューヌ ヴィーニュ ド クシノマブロ 2013(赤)
スクラヴォス ヴァンルージュドターブル アルシミスト 2015(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/112
同じギリシャのくくりで紹介しているワインですが、行政上仕切られたギリシャ領は多様な顔を持ちます。
常に領有権争いを繰り返したバルカン半島最南端の国。
今回紹介したティミオプロスはギリシャ北部のマケドニア地方、スクラヴォスはギリシャ西部の最大の島、ケファロニア島。
まず、マケドニア地方は皆さんのイメージにある乾燥した地中海気候のイメージとは違い、北に接しているスラヴ、アルバニアなどバルカンの雰囲気があります。隣国のマケドニア共和国との歴史、オスマン帝国支配の歴史を見てもこの地域は単なるギリシャ人の土地とは言い切れません。
ケファロニア島もアドリア海に面しているため第二次大戦中はイタリアが駐留したりした影響でイタリア料理などイタリア文化の雰囲気も感じさせます。
そんな中で造られているワインはティミオプロスがクシノマブロ種という、直訳すると「酸っぱい黒」、この生産地、ナウサを代表する品種です。
実際に試飲してみると収斂するような酸ではなく、果実味とのほどよいバランスだが味覚の要素が詰まっているイメージがあり、食事のワインだと感じました。この地域の料理はギリシャだけではなく、イタリア、トルコ、果てはジョージア、ウクライナ、イランなど黒海周辺の国からの影響もあり、オリーブオイル、スパイス、ハーブなどをしっかり利かせたスタイルなのでそれをうまくクリアにしてくれる酸を持つアイテムなのかと思わせました。
スクラヴォスはギリシャ西部のパトラなどの島々で作られるマヴロダフネ種というぶどう品種を使います。
この地域では昔からポートスタイルの甘口ワインが多く作られていました。それはビジネス相手であるスラヴ人の需要があったからだと思われますが、このスクラヴォスは滑らかで口当たりの良いスタイルです。
スクラヴォス家は十三代前から、ウクライナでワイナリーを持っていましたが、曽祖父の代に戦争で家を失い、
親類が住んでいたケファロニア島に移り住みました。
当時は政府がワイン畑をつぶしてホテル用地に当てることを奨励したため、大部分の畑が失われてしまい、 現在では荒地となっているか、オリーブの木が植わっていました。エヴリヴィアディスの父、スピロスが畑を買い始め、耕作を始めます。
このアルシミストのワインも接ぎ木されていないフランドピエの樹齢70年ほどのマヴロダフネを使っています。
このワイナリーは全体で約10ha分のブドウの収量があるが、ヴラディスが所有する畑は1.5haのみ。
自分の畑と借地である働き手不在の古い畑の手入れを任せてもらっている土地、両方の畑は、ヴラディスの思いどおりにビオディナミで手入れをしている。その他の畑からの買いブドウは、必ずしもビオ栽培ではないが、
剪定以外は何もしない、働き手がいなくて半分放置されているような畑もあります。
バルカンのエリアはこのような歴史のモザイクと言える場所で独自の文化が育ち、食もまたそれに合わせて独自の個性を示しています。
この個性をぜひ味わってみてください。
Aqua Vitae
河合
ティミオプロス ナウサ ジューヌ ヴィーニュ ド クシノマブロ 2013(赤)
スクラヴォス ヴァンルージュドターブル アルシミスト 2015(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/112
同じギリシャのくくりで紹介しているワインですが、行政上仕切られたギリシャ領は多様な顔を持ちます。
常に領有権争いを繰り返したバルカン半島最南端の国。
今回紹介したティミオプロスはギリシャ北部のマケドニア地方、スクラヴォスはギリシャ西部の最大の島、ケファロニア島。
まず、マケドニア地方は皆さんのイメージにある乾燥した地中海気候のイメージとは違い、北に接しているスラヴ、アルバニアなどバルカンの雰囲気があります。隣国のマケドニア共和国との歴史、オスマン帝国支配の歴史を見てもこの地域は単なるギリシャ人の土地とは言い切れません。
ケファロニア島もアドリア海に面しているため第二次大戦中はイタリアが駐留したりした影響でイタリア料理などイタリア文化の雰囲気も感じさせます。
そんな中で造られているワインはティミオプロスがクシノマブロ種という、直訳すると「酸っぱい黒」、この生産地、ナウサを代表する品種です。
実際に試飲してみると収斂するような酸ではなく、果実味とのほどよいバランスだが味覚の要素が詰まっているイメージがあり、食事のワインだと感じました。この地域の料理はギリシャだけではなく、イタリア、トルコ、果てはジョージア、ウクライナ、イランなど黒海周辺の国からの影響もあり、オリーブオイル、スパイス、ハーブなどをしっかり利かせたスタイルなのでそれをうまくクリアにしてくれる酸を持つアイテムなのかと思わせました。
スクラヴォスはギリシャ西部のパトラなどの島々で作られるマヴロダフネ種というぶどう品種を使います。
この地域では昔からポートスタイルの甘口ワインが多く作られていました。それはビジネス相手であるスラヴ人の需要があったからだと思われますが、このスクラヴォスは滑らかで口当たりの良いスタイルです。
スクラヴォス家は十三代前から、ウクライナでワイナリーを持っていましたが、曽祖父の代に戦争で家を失い、
親類が住んでいたケファロニア島に移り住みました。
当時は政府がワイン畑をつぶしてホテル用地に当てることを奨励したため、大部分の畑が失われてしまい、 現在では荒地となっているか、オリーブの木が植わっていました。エヴリヴィアディスの父、スピロスが畑を買い始め、耕作を始めます。
このアルシミストのワインも接ぎ木されていないフランドピエの樹齢70年ほどのマヴロダフネを使っています。
このワイナリーは全体で約10ha分のブドウの収量があるが、ヴラディスが所有する畑は1.5haのみ。
自分の畑と借地である働き手不在の古い畑の手入れを任せてもらっている土地、両方の畑は、ヴラディスの思いどおりにビオディナミで手入れをしている。その他の畑からの買いブドウは、必ずしもビオ栽培ではないが、
剪定以外は何もしない、働き手がいなくて半分放置されているような畑もあります。
バルカンのエリアはこのような歴史のモザイクと言える場所で独自の文化が育ち、食もまたそれに合わせて独自の個性を示しています。
この個性をぜひ味わってみてください。
Aqua Vitae
河合