店長日記

画像: 現代のカリフォルニア・ピノノワールを検証する

現代のカリフォルニア・ピノノワールを検証する

2020年12月02日

リヴァースマリー ピノノワール ソノマコースト 2018
https://aquavitae.ocnk.net/product/1171

最近はカリフォルニアの山火事のニュースが目立ちます。実際に秀逸なピノノワールを生む、ノースコーストエリアのメンドシーノ付近でもかなりの被害が報告されています。
その中でもこれまで通りのレベルを保つ生産者が多くいる中、この生産者の作るピノノワール種が変化しつつあるように感じました。
この年のソノマコーストエリアのピノノワールはピオクシデンタルエリアで作られた葡萄を多く使っているようですが、
以前は、どのワインも栽培されたばかりの新しい葡萄の樹を使用しているようなイメージが感じられ、海洋性気候がもたらす要因が大きく、その育成に課題があったため、品質にばらつきがありました。
そこで作られる葡萄の味わいは非常に密度が高く、これまでのイメージでも他の冷涼地域のピノの中でも最も内向きで深い闇の印象を受けました。濃厚な果実味と巨大なタンニンは、力強さの印象を与えています。

しかし、そのオクシデンタルのピノは今日、単一畑グレイドのみならず、エリアレベルでも15-30年程度の高い樹齢から生産される葡萄も使われるようになってきました。この生産者が採用しているリドルヴィンヤードのピノノワールも同様です。
ワインは近年の、エレガント&バランス重視指向で作られているせいか、ヘビーだったり、飲み疲れを感じることもないが、凝縮されたカリフォルニアのイメージは感じられます。果実のプロファイルは変化に富み、ボトルの熟成とともに引き出されていく、強烈な香りを若くして持っている。 このヴィンテージでは、タンニンは豊富だが、熟していて丸みがあります。
試飲した感想ではこの深みがほぐれるのに時間が必要になりそうな感じです。今は特にまだクローズした味わいですが、まだセラーの中で待てる人には楽しみなことがたくさんあるような可能性があります。
もちろん、この強大なピノノワールが好きな愛好家も多いので、経年で楽しめるワインです。

よろしくお願いいたします。


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