店長日記

輸入増のチリワインを考える。

2016年01月29日

昨今のニュースでチリワインの輸入量がフランスワインを抜いて1位になったというニュースを目にします。
チリワインが巷に広がっていることなのでしょうか?
消費者側の立場に立って考えてみると、フランスワイン愛好家がすぐにチリワインに乗り換えるかという考えも早計ではあると思います
チリワインはもともと、低価格、ブラインドテイスティングの問題になりそうなわかりやすいヴァラエタル(品種)の味わい、買い求めやすいなど身近な存在でスタートした記憶があります。
そしてその後、それを提供してきたチリ10大大手生産者の戦略として低価格帯のブランドイメージから脱却し、高級ラインへの切り替え、定温化した輸出コンテナの増大、その他、小規模生産者の輸出ラインへの積極的な進出があったせいかと思われます。
もう一つの大きなテーマとして、受け入れる側の日本人消費者の嗜好の問題があります。
チリ人の嗜好やサンチャゴのレストランはアサード(焼肉)や香草、ハーブの味を聞かせた料理を提供することが多く、日本人とのそれは違うように感じます。
ニューワールドのいわゆる「しっかりした味」を低価格で購入できることがコスパの良さを感じせてくれているのかもしれません。しかし食事の時に自分の食べたい食事にどんなワインを併せるかを考えると味わいの相性は正しく選択できているのかどうかをしっかり考える必要があります。その基準として、価格やその商品のバックボーン、生産過程などを知ることがその問題解決のカギになります。

また、経済的な傾向で高騰するフランスワインに対して、比較的買い求めやすいニューワールドのワインに流れていることも後押ししているのではないでしょうか。
そして近年のチリ側の味わいのブレンドについてはチリ国内の嗜好より、ヨーロピアンスタイルに変えてきている傾向があるように感じました。
もともと、チリのワインビジネススタイルはアメリカ人のスタイルを踏襲しているのか、と思わせる戦略が多々見られます。
チリの生産者の中でも地元、チリのスタイルを受け継いだ人やヨーロッパから移住してきた人など様々な考え方を持った人々がいますので味わいやスタイルは様々です。
共通していえるのはこれまで日本のマーケットを支配してきたフランスワインの存在が味わい、価格、在庫、天候の面でも絶対と言える時代ではなくなってきたのかもしれません。
そんな、これまで知られてきた生産地から新しい生産地のワインを試したくなってきた方へのガイドのお手伝いを続けていきたいと思っております。

チリワインのページ
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/58

よろしくお願いいたします。


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