店長日記

画像: 濃いやつ下さい。(変わりつつある嗜好と味わい。)

濃いやつ下さい。(変わりつつある嗜好と味わい。)

2017年02月08日

スペインワインのスペシャリストとお話をする機会がありました。
その話の中でお客様にスペインワインをお勧めするときにお客様がメルロやシラーが飲みたいのですと言われるという話を聞きました。
ではそのお客様の意図はどういうものでしょうか。
早熟なメルロはしっかり凝縮感を感じます、シラーはスパイシーで密度の濃い果実があります。
メルロやシラーなどの指定したぶどう品種のワインを意図的に飲みたいお客様もいると思いますが、多くのお客様は昔飲んだ凝縮感のあるおいしいワインというイメージでそうおっしゃっている場合もあります。
それであればほかの品種でも同じイメージを感じられるぶどう品種のワインをおすすめするのでもいいと思いますし、スペインワインであればテンプラニーリョは文字通りスペイン語のtemprano 、早生の、早熟なという意味がありますので試して頂く選択肢もありかなと思いました。
いずれにしてもお客様とのコミュニケーションが大事だと思います。しかし、おすすめする側はお客様に気づきを与えてあげることで喜んでいただくことも必要なことですね。

あとは昔、たとえば90年代に飲んだ記憶に残るワインがいまでも同じワイナリーから提供されているワインが同じ味わいかといえばそうでもありません。
ヴィンテージごとの天候による変化もあれば、醸造技術、ワイナリー設備の変化、造る人が変わる、その世代の嗜好などの理由で味わいが変わっています。
以前、お父さんの考えるイメージでブレンドされていたワインが代替わりで息子が引き継ぎ、全く違う志向のブレンドで味わいが変わってしまうことも良くあります。
最近のケースでは新興の経済大国から大量買い付けが入ってくることがあります。
その時に伝統の味わいを残したいため大量出荷を控えて熟成させることを重視するお父さんと経営的になるべく早く現金化したい息子の対立の話もよく聞かれる話です。

一方、若くしてワイン造りを志す人たちは畑も購入できないヨーロッパをすてて新世界に乗り込み、旧世界の味わいを実現し、なおかつ価格も購入しやすい価格設定で世界に売り込む人たちもいます。
そういった理由で、世界中のワインの味わいは常に変化しているのです。
そういった情報をなるべく多くとらえてお客様に提供していきたいと考えております。

フランスやイタリアと違って今のスペインの位置づけは英仏戦争以来イギリスに提供してきた伝統ある味わいのスタイルを残している割には購入しやすい価格設定も残していると言えるでしょう。

そういった意味合いでテンプラニーリョの原産地であるリオハは注目の生産地でおすすめのワインがあります。
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/62

ぜひ、お試しください。宜しくお願い致します。



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