ポルトガルとワインの位置づけ

ポルトガルの文化は日本にとって近いようで遠く、遠いようで近い。
歴史的にみると、1543年にポルトガル人が種子島に漂着して以来、日本が西洋に触れて460年以上立っています。
その後、様々な西洋文化が日本にもたらされたことは日本人ならほとんどは知っていると思われます。しかし、パン、コップ、ボタン、タバコ、シャボン、こんぺいとう、カステラなどの言葉がポルトガル由来であることを知っている日本人は多くはないかもしれません。
人間は身近にありすぎるとその存在感を忘れることがありますが、ポルトガルはその後、オランダ、イギリス、フランス、アメリカなどに西洋文化の交流の主役を奪われ、大航海時代から衰退の一途をたどります。

ワインについてもポルトガルの代表的アイテム、ポルト、マデイラが西洋の食文化の変遷の中でその存在が消えつつあります。食事の後は、チーズ、デザートと酒精強化ワインと葉巻がソムリエさんによってカートで運ばれてくるシーンは日本でも見る機会が減りました。

本国、ポルトガルでもポルト、マデイラといった酒精強化ワインからスティルワインへの路線変更を余儀なくされ、辛口ワインの出荷がメジャーになりつつあります。
その流れを受けて、これまでぶどうの生産がメジャーでなかった地域でもワインが作られ、ポルトガルは新しい文化の流れを見ることができます。
首都リスボンから南部ではこれまでワイン造りをメジャーにした生産者さん、農家さんを見ることが少なかった。オリーヴオイルとコルクガシ、花崗岩でできた山での鉱山産業を見るくらいだったが近年、ワイン産業、観光産業が台頭しているようです。

そして、葡萄農家さんを見ると、1980年頃の小麦からぶどうへの転換が見られ、ワイン産業が近代化されました。新産業の先端を行っているかと思いきやそういうわけでもありません。アンタン・ヴァズ、アリント、ペルム、リシア、アラゴネス、カステラン、トリンカデイラといった聞いたこともない地元品種が主力となっています。
その味わいは広大なアレンテージョですから様々ですが、太陽がさんさんとあたっていて完熟したぶどうは山のミネラル分を吸収して、しっかりした味の骨格を形成しているのでしまりのある味わいです。山の向こうの国境の反対側、スペインの名産でもあるハモン・イベリコが山のこちら側、つまりポルトガルでも名産品となっています。割とよく聞かれたのはポルトガルでは100%どんぐりしか食べさせてないということですがこの信ぴょう性はよくわかりません。
この、なめらかで濃厚な生ハムに寄り添うのがアレンテージョのワインで、すっきり飲めるのが日本人の嗜好にも受け入れられるだろうと思われました。
現代の日本ではポルトガルの存在がやや薄くなった感、身近ではなくなった感はありますが、遠くとも嗜好や感覚が相通じると思わせる瞬間があります。

そんな感覚をぜひ試してみてください。
pt-ale-0001-ntr モンテ ダ ペーニャ モンテ ダ ペーニャ レセルヴァ ホワイト 2012(白)
pt-ale-0002-ntr モンテ ダ ペーニャ モンテフィーノ レッド 2008(赤)
pt-ale-0003-ntr モンテ ダ ペーニャ モンテフィーノ レゼルヴァ 2005(赤)
pt-ale-0004-ntr モンテ ダ ペーニャ レゼルヴァ レッド 2003(赤)

よろしくお願いいたします。