2020年7月

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スペイン、アンダルシア 冷やして飲みたい赤ワイン。
梅雨もようやく終わりが見えてきて、遅まきながら本格的な夏を迎える季節になりました。こんな時期は冷たい白ワインといきたいところですが、冷やしておいしい赤ワインもおすすめです。
それはアンダルシア産のワインですが、ここも自身が夏に訪れたときはいつも蒸し暑い記憶があります。
そんな中で飲むワインは冷やしてサービスされることが多かったように思います。
そんな赤ワインの中でもこのカディス県で独自に作られるティンティージャ デ ロタ種について書いてみます。

ティンティージャ デ ロタは、へレス地方原産の葡萄品種です。ロタはサンルーカルとエル・プエルトの間にある海岸沿いの町で、同名のワインと米海軍基地と空港があることで有名です。しかし、この基地建設が、多くの葡萄畑を消滅させざるを得なくなった理由の一つであり、今では希少なワインとなっている原因でもあります。

もともと収穫量の少ない木からは、小ぶりで丸みを帯びた葡萄ができ、皮は非常に黒く、酸味はかなり高い。この品種はオーストラリア、フランス、アルゼンチン、リオハで使用されているグラシアーノと遺伝的に同一であると言われていますが、アンダルシアでは、ティンティージャは少なくとも500年前から存在しており(リオハの記録よりも長い)、このワインは19世紀から20世紀初頭、特にイギリスではかなり人気があったが、その収量の少なさと、現在ではこの地域以外での名声を考えると、生産量が限られているため、入手が困難だと言われています。生産もそのほとんどは甘口ワインになることが多いようですが、今回ご紹介するワインは全て辛口のカテゴリになります。実際に氷をいれて冷やして試してもそれほど果実が収斂される感覚もなくタンニン分の硬さを感じさせない凝縮感が感じられました。

ロタのテロワールは、砂質で貧弱な土壌(アリーナ)を中心に展開しています。このため、ブドウの木は、砂の下の粘土質に達するまで、非常に深く根を張ります。これがシェリー産地のティンティージャがフィロキセラの影響を受けていない理由のひとつとなっています。

アンダルシアといえばシェリーをはじめ白ワインが有名で、日本ではまだまだ少ないこれらアンダルシアのワインをこの夏にぜひお試しください。

ジバルビン ティント ホヴェン 2014 (赤)
カディス・クリアンサ 2013 (赤)
ティンティーリャ ヌーデ  2016 (赤)

https://aquavitae.ocnk.net/product-list/40
ハンガリー お客様をもてなすために考え尽くされたワイン。
パンノンハルマの大修道院は、996年にハンガリー初のベネディクト会修道院として、ハンガリーのゲーザ大公によって創設されました。
この創設と同時に聖餐用ワインのための醸造所も併せて作られました。
途中、16世紀からのオスマン帝国支配による修道院放棄、第一次大戦でのオーストリア・ハンガリー帝国の崩壊に端を発したその後の政治、社会の混乱、共産主義政権樹立による修道院資産の接収などでその伝統が途中途切れることが何度もありました。
1989年末に東欧の社会主義体制崩壊を迎え、修道士たちはその十数年にわたりワイン造りの伝統復活を目指し、2000年に接収されていた資産を買い戻し、同年に葡萄造りを再開。
そしてその時に栽培した品種は主に土着品種ではなく国際品種を植えました。それはこの世界遺産に訪れる多くのお客様の嗜好に対応するためだったと言われます。そして2003年秋には再開後、初の収穫が始まりました。
いま、世界はお客様をもてなすのに厳しい時期ですが、その精神を忘れなければきっと再開の日は来るでしょう。

パンノンハルミ・アパーチャーギ・ピンツェーセト
https://aquavitae.ocnk.net/product-list/24

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アルゼンチン新着 歴史を感じるオールドヴァイン
アルゼンチンでぶどう栽培が本格化されたのは16世紀のことですが、スペイン人、ポルトガル人がブエノスアイレス方面からラプラタ川沿いに栽培を開始、しかし気候と苗の相性が合わず、ペルーからサルタ州にもちもまれた苗がメンドサ、サンファンに広がりました。その時に主力となった品種がクリオージャ・チカというパイス種の同義語の品種に当たります。

エル エステコ社がリリースしたこのクリオージャをはじめとして代表的な品種、カベルネソーヴィニョン、マルベック、トロンテスのオールドヴァインシリーズは樹齢70年を超える古樹から造られるシリーズ。植樹した年代がラベルに記載され、最小限の人の介在のみで、類稀なるワインを生み出す事ができ、ブドウが持つそのままの個性が楽しめるアイテム。

醸造家のアレハンドロ・ペパ氏は、これらは古代の製法と小さな卵形のセメント容器を使って造られた、非常に小規模な醸造物であると説明しています。 その独占性は、植物の異常な樹齢だけでなく、葡萄の収穫と生産の過程で細心の注意が払われていることにも起因しています。

農学者のフランシスコ・テルレチェア氏が言及しているのは、「"私たちは、見た目、形、葡萄の健康状態、そして最終的には果実の風味を重視して、目立った部分に印をつけて植物を選びます。」 さらに、これらの葡萄の木は、収穫を担当する人々が選んだ植物を見つけて収穫しなければならないため、特別な隔離された扱いを受けています。

この歴史を感じるスタイルに1945年、1946年、1947年、1958年生まれの方に気軽に楽しんでいただきたいアイテムです。

https://aquavitae.ocnk.net/product-list/36

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スペイン新着 立ち飲み感覚でお気軽に楽しめるアンダルシアワインとシェリー
いまはみんなで集まって、グラスを傾けながらワイワイやるというのがなかなか難しい時期です。
そういう時はグラスをよく見て、なぜこのワインがこの味になったのかを考えてみるいい時期かもしれません。

今回はアンダルシアのシェリーメーカー、バルバディーリョ社がリリースしているアイテムのご紹介です。
これから本格的な夏を迎える時期に白のパロミノ種、赤のティンティーリャ・ロタ種から造られたワインを少し冷やして楽しむのがおすすめです。

今回、シェリーのシリーズの中でも特に潮風のようなさわやかさとミネラルが特徴でシェリーのカテゴリの中でも最も軽く、スッキリ飲めるマンサニーリャでアルボレディーリャ ボタ ポニエンテとボタ レヴァンテの2本セットをぜひ試してみて下さい。
レヴァンテというのはジブラルタル海峡付近で地中海を東から西に吹く風のことで、太陽が昇る方向を意味します。ポニエンテはレヴァンテとは対照的に西から東に吹く風で太陽が沈む場所を意味します。
スペインのシエラネヴァダ山脈とモロッコのアトラス山脈が自然の漏斗状の形になっているためジブラルタル海峡を吹き抜けるときは相当な強風になるため、カディス周辺の自然や人々の文化に様々な影響を与える二つの風として知られています。
そしてそれぞれの樽はセラーの東の端と西の端に置かれたそれぞれのソレラシステムから抜かれたワインを使っているために微妙な味の差に気がつくことがあります。
ボデガの東端の最も涼しい場所にあるポニエンテはよりシャープで垂直に広がる味わいとリッチでワイルドな味わいのレヴァンテの味わいを確かめてみて下さい。

一方のスティルワインの赤は酸度とミネラルを穏やかに感じ、肉料理と、パロミノのきりっとした白は鮨や魚介料理と併せてみて下さい。アンダルシアの伝統料理や現代風料理とも相性がいいでしょう。

夏の暑い時期に外出から帰ってきたら冷蔵庫を開けて気軽に楽しめます。

カスティーリョ デ サン ディエゴ 2018 (白)

ジバルビン ティント ホヴェン 2014 (赤)
カディス・クリアンサ 2013 (赤)
ティンティーリャ ヌーデ  2016 (赤)

マンサニーリャ アルボレディーリャ ボタ・ポニエンテ&レヴァンテ(白・酒精強化)2本セット
マンサニーリャ ソレアール  NV (白・酒精強化)
アモンティリャード ミディウム・ドライ  NV (白・酒精強化)
ドライ オロロソ クコ  NV (白・酒精強化)
オロロソ サンラファエル  NV (白・酒精強化・ミディアム)

https://aquavitae.ocnk.net/product-list/40

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マルティニーク屈指の高品質スモールバッチラム生産者、ネイソンの特別な1本が入荷しました。
Neisson Rhum Single Cask 2003 容量:700ml 度数:46.9度

マルティニークラムの中でも現地消費者のみならず生産者からも一目置かれ、自他共に認める高品質ラムの作り手「ネイソン」。
マルティニーク島においても数少ない銅製蒸留器を1950年代に導入、現在もその蒸留器を使い最新の設備も駆使しながら、厳しい品質管理と昔ながらの味わいを実現している稀有な存在です。
通常は様々な種類の樽を巧みにブレンドし他にはない際立ったフルーティさを作り上げていますが、極めて高いそのクオリティから、日本市場限定のシングルカスクでのボトリングをしてもらったのがこのボトルです。ほぼシングルカスク・シングルvヴィンテージでの商品をリリースしないだけに、市場的価値を見ても極めて貴重なスモールバッチラムと言えるでしょう。

2002年6月に蒸留した原酒を大樽で落ち着かせたあと、2003年から熟成を開始し、2010年に瓶詰めしたものです。15年以上前のヴィンテージラム、なおかつ瓶熟で10年近く経過しているマルティニークラムがこの価格で現在市場に出ることは決してありません。しかも蒸留所長のグレゴリー・ベルナント氏が自信を持って厳選した特別な1樽。はっきり言って現在市場にあるマルティニークラムの中でも屈指の品質、そしてコストパフォーマンスを誇ると言っても過言ではありません。ウイスキーに追随するように最近価格が高騰し始めているマルティニークラム。
限定予約販売(2020年12月上旬発送予定)アプリコットネクター
フィディーヌ・フルーツ社 「アプリコット ネクター2020」のご案内 
ローヌ渓谷近くの自然豊かな土地に1942年に建てられ、代々家族経営されてきた果樹園を小さな頃から手伝ってきた現当主マリオン氏。氏が2010年に設立したフィディーヌ・フルーツ社がつくる、HVE認証レベル3の環境に配慮した工程を経た、ナチュラルなアプリコットネクターをご紹介いたします。

昨年まで取り扱っていたルトルベ社がアプリコットの生産を止めてしまったため新しい作り手を探していたところ、出会えたのがワイン生産者でもあるフィディーヌ・フルーツ社です。
以前と変わらぬベルジュバル種を使用し、ほぼ手作業で収穫したてのアプリコットを絞って水を加え、味を調えるためだけの極少量の砂糖を加えて殺菌後に瓶詰。
着色料や保存料、香料などは一切使われておりません。
オーベルニュ・ローヌ・アルプス地方は、フルム・ダンベールなどのチーズやマロンクリームなど美食の宝庫として知られていますが、健康美を目指すには最適のアプリコットネクターを、朝食のお供や、シャンパンで割ってアペリティフとしてもお楽しみいただけます。

≪フィディーヌ・フルーツ社 マリオン氏からひと言≫
今年は春先の気温が高かったため、通常より2週間程早い収穫となりました。収穫量は少なめでしたが、その分果実の甘みがギュッと凝縮されたアンズになっています。

フィディーヌ・フルーツ社 「アプリコット ネクター2020」
ご予約の締切りは2020年7月20日(月)AM9:00
お届け価格1600円(税抜)【2020ヴィンテージ 賞味期限:2023年7月】
2020年12月上旬発送予定(発送前には事前にメールにてご連絡させていただきます。

ご返信、お問い合わせはこのサイトのメールにお願いいたします。
よろしくお願いいたします。

Aquavitae(アクアヴィテ)
河合
ギリシャ新着 国際品種のオリジン
ギリシャワインに使われているぶどう品種は大きく分けるとギリシャの地元品種とカベルネソーヴィニョン、メルロ、シラー、シャルドネ、ソーヴィニョンブランなどのいわゆる国際品種とそのブレンドになると言われています。初めて試飲をするときには事前に品種に対する味わいやぶどうが持つキャラクタなどの先入観がはいっていました。ところがフランス、イタリア、スペイン、US、チリなどの世界の主要な生産地の造り出す味わいとは異なるスタイルだったことに驚かされました。
ギリシャのこれらの品種の全体的なイメージは過熟していない、いわゆるジャミーとかスパイシーとかピーマン、ユーカリなどのメトキシピラジン香などを感じませんでした。
ピュアな果実の味がこうなのかという印象でした。
よくよく考えてみるとヨーロッパ西側、新世界に拡大した品種も世界で最初にぶどうが造られたと言われる中東の肥沃な三日月地帯、トルコ辺りからギリシャを経由して伝わったと言われている定説があるのですからある意味、オリジンな位置付けなのだと納得させるものでした。
もうひとつ思いついたことはギリシャのこれらの会社はヨーロッパのビッグなワインメーカーとは無縁の外資が入っていない、よく言うとローカライズされた、悪く言えば世界のマーケットを見てない、地元の感覚で味のブレンドがされた、昔からある味なのだということかと、自問自答しました。
こういうバックボーンに思いを巡らしながら、この味はなぜこういう味になったかを考えてみるのも楽しいものです。

https://aquavitae.ocnk.net/product-list/112
よろしくお願いいたします。


ギリシャ新着 ピノノワールやネッビオーロが好きなら試してみる価値あり
ギリシャ北部の赤ワインといえばクシノマブロ種。これまで筆者が試飲したクシノマヴロ種は冷涼気候のキャラクタ、ミネラル、土壌のキャラクタを反映してやや硬いイメージの味わいであった印象が強かったのですが、今回入荷した、

ケレシディス エヴォディアス ホワイト 2018(白)
ケレシディス メルハーリ PDOナウサ 2015(赤)

は果実の暖かさと時間経過による様々なキャラクタやアロマがどんどん飛び出してきます。これまでのクシノマヴロとの違いは果実のふくよかさがあったことでしょうか。
白はマラグジアとクシノマヴロのブレンドですがマラグジアのふくよかさとクシノマヴロの骨格、きりっとした感覚の両者のキャラクタをうまく両立させた絶妙なバランスの印象が良かったように思えます。ちょうどブランドノワールというワードが頭に浮かびました。

他の国にないギリシャだけのハイクオリティヴァラエタルをぜひ楽しんでください。
よろしくお願いいたします。


フランス新着 ムシムシした夏に冷やして楽しむ赤ワイン
蒸し暑い夏がやってきて、外出するのにも大変な時期です。
こんな時にはしっかり冷やして軽く試せる、ストロベリーのニュアンスがある赤ワインを楽しみましょう。

シャトー ド コルセイユ レ コパン ダボール VdFガメ ル プルミエ ソワール(赤) [fr-bgn-0107]
https://aquavitae.ocnk.net/product/1099
味はボジョレーのカルボニックマセレーションで作られたいわゆるストロベリー風味の味ですが、フレッシュでキレがあってすいすい飲めてしまうスタイルです。

外に出るのがおっくうになるこの時期でもまずは、コパンダボール、友達ファーストで乾杯しましょう!

よろしくお願いいたします。
ギリシャのアギオルギティコ種の比較試飲
日本のワインマーケットにはまだほとんど入ってないギリシャワイン、その代表的な葡萄品種もほとんど聞きなれない人が多いと思います。それだけに新しい味に出会える可能性がある方が多いでしょう。
その中でもおすすめなのが赤のアギオルギティコ種。この品種の名前もほとんど聞いたことがないと思います。
私自身も過去にそれほど試飲経験のない品種でしたがその対面には驚ろかされることが多かったです。
この品種は中央ギリシャのアテネ南部に広がるペロポネソス半島で育てられています。
この地はヘラクレスの誕生地やギリシャ神話に登場するネメアの獅子の話で有名ですが、この品種でつくられたクラシストゥスの名前の由来が男らしい、マンリーという意味があり、アギオルギティコもヘラクレスの血という意味があります。
ここは海岸線から遠くない畑ですが火山帯の地層で形成され、標高もあるのでその畑の位置によってさまざまなキャラクタのワインが造られます。
クラシストゥスは最初は果実の詰まり具合が筋肉質ですがそのなめらかさは女性らしいイメージもあり多層的なキャラクタが次々出てきて驚かされました。
それに比べてランティディスのネメア エルゴンはタンニン、酸、ミネラル、特に火山性土壌由来のミネラルの骨格がしっかりしていて冷涼気候を感じるしまった味わいです。ヴァニラや黒コショウの力強さもあり、クラティストスの味わいがラテラルに広がるのに対してランティディスはバーティカルに広がる、いずれも力強さがあり、食事、特に赤い肉料理と楽しむだけでなく、それだけでも楽しめ、時間経過による味の変化もたのしめる飽きさせない味わいです。これまで出会ったことのないギリシャを代表する品種の一つだという満足感があります。

ライコス クラシストゥス PDOネメア 2015(赤) [gr-eva-0003]
https://aquavitae.ocnk.net/product/1083
ランティディス ネメア エルゴ レッド (PDO-ネメア)  2017(赤) [gr-nma-0002]
https://aquavitae.ocnk.net/product/1092
よろしくお願いいたします。