2015年7月

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暑い夏に食事で気をつけたいことは、食欲増進の工夫と体力の消耗を防ぐたんぱく質の摂取ですね。エネルギー源を摂取したら、そのエネルギーの代謝をサポートするビタミンB群、汗で失われる水分とカリウムやそのほかのミネラルを食事でしっかり摂ることが大切です。
こんな時期によく枝豆を食べる方も多いと思いますが、この食品に多く含まれるメオニチン(ビタミンB1、ビタミンC)が二日酔いなどからの体力回復の効果に一役買っているということです。

そんな枝豆ですが、通常はビールと合わせるパターンで食べる機会が多かった経験をされている方がほとんどだと思います。

しかし、枝豆の味わいを考えてみるとワインにもよく合うのです。

枝豆の味わいというのはどういったものでしょうか?

普通は塩ゆでにするので、まず強調されるのは塩味です。

この塩味にお勧めなのがシェリー、特にフィノタイプです。

sp-and-0001 ホセ エステベス マンサニーリャ ラ ギータ  (白)

このシェリーはアンダルシアの生産地へレス全体のフィノの中でも最も軽い部類にはいる味わいだと思います。

そしてマンサニージャは実際に塩が入っているわけではありませんが、グアダキビル川が海にそそぐ河口付近で醸造しているためか、良く塩気のようなミネラルを感じるとおっしゃる方が多いように思います。

そして、豆腐や豆乳のような味わい、ほっこりした甘さや後を引く滋味の深く、優しい味わいです。
これには、ワインも優しい味わいを合わせるのがいいと思います。

sp-gar-0001 アバニコ ディルヴィオ アルバリーニョ  (白)
at-nes-0006-org メフォファー アルター ヴァインガルテン ゲミシュターサッツ (白)
it-tsc-0009 テヌータ ディ ノッツォーレ レ ブルニケ シャルドネ (白)

よろしくお願いいたします。

http://aquavitae.ocnk.net/
aquavitae@xpost.plala.or.jp
さらに続いてフランス&スペイン新着ワインのお知らせです。

※fr-loc-0015-org バサック ジュ テーム
このワインの売りは商品名とラベルでどうぞ、ということで選んだわけではありません。
Je t’aime =I love you ということで、メッセージ性のあるワインとして贈り物などにはおすすめできる印象を受けます。
しかし、弊社が注目しているのは生産地と品種なのです。
このコート ド トングという場所は南仏の地中海沿いのレロー県、ベジェという町の近郊にあります。
この町ははっきりいってぱっとしません。ラグビーチーム、ASベジェというチームがあり、過去、フランスチャンピオンシップ11回優勝、そのフランチャイズ、スタッド・メディテラネはワールドカップ会場にも使用されるほどの規模と輝かしい実績ながら、現在は2部リーグの10位と低迷、などなど、本当になにもない場所で、おそらくは町の人のほとんどがワイン造りに携わっているのではないかという場所です。
古くから、この地ではデイリーでコストパフォーマンスのあるワインが造られてきましたが、樹齢35年のカベルネフラン種がここにあったことは知りませんでした。
映画、「サイドウェイ」でもセリフの中に「カベルネフラン種からは偉大なワインは生まれない」ということも言っていましたが、そんなことはない気がします。
収穫期が赤ぶどうの中でも遅く、丁寧に育てないとバランスの悪い味わいになってしまいがちですが、ボルドーのグラーヴあたりでもカベルネフラン種100%のすばらしいワインに何度もお目にかかっています。
こちらのワインはまだまだ若いし、熟成したらどうなるかという可能性のみで推し量る段階ですが、面白い存在であると思います。

※sp-gar-0001 アバニコ ディルヴィオ アルバリーニョ
これはイギリス人の元バイヤーという消費者目線でプロデュースされているワインの一つです。世界中のワインを研究して南米にも赴いていたようですが、最終的に腰を落ち着けたのはスペイン。そこでガリシア州はリアスバイシャスのアルバリーニョ種に目をつけました。私自身も好きなぶどう品種のひとつですが、近年のリアスバイシャスのワイン生産地域は内陸に拡大しており、以前のシャープなミネラル、海産物と合わせたくなるきれいな酸というより、果実味あふれるタイプに変化しつつあるワインが多くなってきていて、さらに価格も高騰していることを憂いていましたが、比較的原点に近いワインだと思います。
続いてフランス新着ワインのお知らせです。

※fr-lor-0011-bio フロリアン ロブラン コトー デュ ジェノワ シャン ジボー
ロワール地方で聞きなじみのないコトー デュ ジェノワだと思います。
ロワール川に面した丘の上に小さな市街地を形成しており、「丘の上の町」として知られている。中世からの数々の歴史的建造物や、美しい建物が散在する市街は非常に美しい、サンセールの町に隣接しています。

日本でもサンセールのワインが有名になり、価格も高騰しています。しかしこの隣接したコトー デュ ジェノワでワインを造るフロリアン ロブラン氏はこのサンセール側にも畑を持っている生産者です。当然サンセールとは地続きでワインに良いミネラル感をあたえる石灰質土壌の畑なのです。
ラベルの原産地統制呼称が違うだけでレベルはサンセールと同じというお買い得なワインです。

※fr-lor-0012-lrs ピエール ジャック ドゥルエ ブルグイユ ルージュ グラン モン

こちらの生産者、ピエール ジャック ドゥルエ氏は70〜80年にかけて、ボルドーワインの黄金期を造った故エミール ペイノー博士に師事し、ブルグイユ村の平均樹齢50年のカベルネフラン種からすばらしいワインを造りました。

通常、この地域で造られるカベルネフランについてご存知の方はこんなイメージをお持ちだと思います。
固いタンニン、鉄分のようなミネラル感、閉じこもったブラックカラントのような果実。
しかし、このヴィンテージが1996年であるように飲み頃になるのに時間のかかるワインでありますが、ようやく飲み頃に差し掛かったように感じられました。
同じようなタイプのボルドーワインですと価格も数倍、高額なものが多いですが、こちらのロワール、ブルグイユワインは肉と合わせて良いバランスが取れ、ベリーソースのイメージで試していただけるお買い得ワインです。

よろしくお願いいたします。
相変わらず、猛暑が続く毎日ですが、体調管理に気を付けて食生活を楽しんでいらっしゃいますでしょうか?

この季節はやはり涼しげなワインを探しておりましたところ、それにぴったりのワインを見つけました。

南アフリカのケープタウンからほど近いステレンボッシュ、およびその東側に位置するという地域で造られているワインです。

ここ数年のヴィンテージのレベルアップが目覚ましい南アフリカですが、特にこのステレンボッシュの地域は「ワインランド」と呼ばれるほど、歴史あるワイナリーがたくさんあります。ここは陽射しも強いですが、コースタルリージョンと呼ばれるように海の影響を受ける地域です。海水温も低く、冷涼気候が広がります。

また、前回の2010年サッカーワールドカップ開催あたりから、観光業にも力を入れ、先住民のカラードの方々のソムリエを見かけるシーンも増えてきました。
ヨーロッパではなかなかお目にかかる機会が少ないかもしれません。

※sa-str-0001 ケン フォレスター ヴィンヤーズ プティ シュナンブラン
低価格帯のワインでありながら古木のシュナンブラン種を樽発酵させるほど手間をかけたワイン。オレンジの花、蜂蜜、アプリコット、バニラなど複雑なアロマが交わり、リッチでミネラル感があります。

※sa-frs-0001 オート カブリエール アンウッデッド ピノノワール 2011
こちらはフランシュックというアフリカーンスで「フランス人の住む場所」といわれるほどフランス風の文化が感じられる地域です。食文化やワインにも当然そのテイストが反映されています。ステレンボッシュからやや内陸の冷涼地域で造られるため、エレガントなスタイルです。赤いベリーのアロマに、口に含むと魅力的な凝縮感のある、熟したチェリーやクランベリーのフレーバーが続きます。フレッシュさが楽しめるワインです。

暑さに負けないよう、しっかり食事をいただきましょう。
よろしくお願いいたします。
先週、梅雨が明けて、夏日が続いています。
こんな暑い日が続くといつも思い出すことがあります。

スペイン、南イタリア、ギリシャなど南ヨーロッパの皮膚が焼けつくような国で、ワインに氷を入れて飲んでいる風景をナポリ、ヴァレンシアなどのレストランやバルでよく目にしました。

日本でワインに氷を入れて飲むことは、香りを楽しむことが大事なワインではタブーとされているような認識を持たれているような方も多いのでは、特にレストランなどでは失礼にあたると思われているようですね。

こう暑いと氷を入れたくなる心情は察するところではあるし、ワインの法則を理解、間違わなければ十分楽しめる方法の一つではあると思います。

その方法について考えてみました。

氷は液体を早く冷やすためには最も有効な方法。

ワインを冷やすとどうなるか?

全体の印象:•フレッシュ感が際立ちます。

香の印象:果実香など第一アロマが際立ちます。空気に触れた後の香り、第二アロマが際立ちます。
※第一アロマとはワイン本来の持つ香りで、抜栓直後に感じられる香り、第二アロマとは抜栓後、空気に触れることによって立ち上がってくる二番目の香り。

甘味:ドライな印象となります。

酸味:よりシャープな印象になります。

苦味、渋み:強く感じられます。

バランス:よりスマートになります。

このような条件を考えると、白も赤も果実味豊かで比較的酸やタンニンの味わいがやや抑えられたようなワインを取り上げるのが良いかもしれません。

そう考えてみると、南部の日照量の豊かなワインがそれに当てはまることが多いと思います。

味わいはカシスやプラムの黒果実のフレッシュさを感じるものがおすすめです。
イタリア、オーストリアから新着ワインがオンリストされています。

むし暑い夜に合いそうなワインを考えました。

ポイントは二つ。

冷涼気候で造られる涼し気な味わいのワイン。

暑いところで造られる、暑い場所の料理に合うワイン。

人の味覚はそれぞれなのでいろいろなパターンを考えますが、それが裏切る意見もたくさん聞かされてまた勉強になります。

ぜひ、新着ワインお試しください。
ニュージーランドから初めて弊社のオンリストワインが入荷します。

nz-mar-0001 ダッシュウッド マールボロ ピノノワール 2014

ニュージーランドワインがオンリストされてなかったのは店長がニュージーランドワインについて嫌悪感があるというわけではありませんでした。

むしろ、ニュージーランド人の友人もたくさんいるし、滞在経験も豊富にあるので、いろいろ知り過ぎて慎重にアイテムを選定したということです。

ではなぜ慎重になっていたかというと、弊社のワインテーマは歴史ある土地から当地の食文化を感じ、消費者である日本人の嗜好にも合う、共感できる味わいのワインを探すという見地から見ると、いまのニュージーランド事情を照らし合せてみると消費者感覚にうまくマッチしていない気がしました。

ニュージーランド国内の主な生産地といえば、北島ならオークランド周辺、南東部のホークスベイ、南島の北部ネルソン、マールボロ、中部のカンタベリー、南部のオタゴあたりでしょうか。

オークランド周辺は亜熱帯でしっかりしたカベルネソーヴィニョン種ボルドータイプのワインが生産されます。
ホークスベイはやや冷涼で様々な国際品種の赤のメルロ種、シラー種や白のシャルドネ種、ソーヴィニョンブラン種などのヴァラエタルワインが生産されています。
ネルソンはしっかりした白、特にシャルドネ種が秀逸、マールボロは年間積算日照量が突出していてソーヴィニョンブラン種、ピノノワール種が注目されています。カンタベリーはこの国で唯一かもしれない豊富な石灰質土壌がぶどう造りにすばらしい影響を与えます。そこで造られるリースリング種が注目。南部オタゴでは世界が注目するピノノワール種を造っています。

歴史的にはヨーロッパに比べてまだ短いとはいえ、優秀な栽培家や醸造家、マスターオブワイン有資格者、優秀なソムリエも輩出し、その実力はどんどん上がってきています。

現状、ニュージーランドワインは国内消費用に出荷されるワインあまり多くなく、ほとんどが海外輸出用に造られるため、その味わいやブレンドも海外のマーケットをにらんだ味わいになっています。
ではどこをターゲットにしているかというと、まずはオーストラリア。オーストラリア国内では比較的エレガントな酸をもつソーヴィニョンブラン種が生産しにくいというところの需要からまず生産量が増えたのはソーヴィニョンブラン種、シャルドネ種などの白ワイン。
当然、ぶどう畑もそれに見合った場所が選択されるわけです。

それを追いかけるようにして赤ワインが造られます。白と同様にエレガントな酸の赤といえばまずピノノワール種。

しかし、ニュージーランドの地形、気候を考えるとピノノワールを造ることは大変な努力があったようです。

ニュージーランドは日本と同じで火山島です。日本列島の地形と同様に南北に延びる地形に屋根を付けたような山脈が延びています。

この屋根のような山脈の西側に雲がぶつかり、雨が当たる、そのあと空気が山を越えて乾いた風が東側を抜けるという流れになっているのでオークランド以外の主要ワイン生産地域のある東側は意外に晴天が続きます。特にマールボロやホークスベイは日中の日差しがとても強く、夏に普通に歩いていると日焼けが激しく、やけどのようになるくらいです。
これは南部の山に囲まれたセントラルオタゴでも同様の気候が見られます。

そんな中で造られたピノノワールは南極に隣接した冷涼気候とはいえ、完熟したぶどうを作り出すことになります。

そして、今回の新入荷のワインの生産地、マールボロ地方にフォーカスしてみると、ぶどう生産地帯の真ん中を川が流れ、その両側の河岸段丘を形成している平らな土地にぶどう畑が広がります。河口に近いほど、平均気温も上がり、完熟したぶどうが造られる状況です。

マールボロのワインは比較的、力強いキャラクタでヨーロッパの同じ品種と比較するとしっかりしたイメージでした。

しかしながら、このダッシュウッドワイナリーは川の上流の比較的、標高の高い場所で造られ、過熟を抑えたぶどうが造られています。
日本人の嗜好にも合うと思います。

しかも、お買い求めやすい価格設定で、カジュアルに楽しめる位置づけとしてこのニュージーランドワインを今回取り上げることにしました。
最後に余談となりますが、歴史のある食文化のあるワインといいながら、ニュージーランドにいてひとつ気になったことがあります。

ニュージーランドといえば先住民のマオリ族の存在があります。友人など何度か食事をする機会があり、その時にいつもワインを勧めていたのです。
しかし、誰もワインを飲まず、ビールやハードリカーを頼んでいたのですが、果たして、これはたまたまなのか?、マオリ全体としてワインをたしなむ習慣がないのか?
思い切って、友人たちに訊いてみたのですが明確な回答は出ずじまいでした。ぶどうはヨーロッパ移民が持ち込んだものでマオリとは接点がないのは理解できますが。
どなたか、マオリのお知り合いがいれば訊いてみてもらえませんか?

こんな暑い時期にボルドーワインについて話すことは気持ちがはばかりますが、秋に向けての準備としてボルドーワインを再考してみました。

ボルドーワインは値上がりをどんどん続け、特一級以下、格付けワインはもはや、普通の食卓やレストランのテーブルに上がるには厳しい価格設定になっています。

特にプリムール(ボルドー地方で行われる、樽熟成中のワインを先行販売するこの地方独自の販売システム)での価格設定はどのシャトーでも強気で、まるでバブル時期の株価のチャートをみているようで、右肩上がりです。去年あたりから少し上げ幅は落ち着いたとはいえ、中国やBRICSなど世界のどこかの地域でバブルが発生し、富の象徴の一つとしてワインの購入を考える人たちの購入がそのバックグラウンドにあります。あるボルドーワインをテーマにした映画を見ると、中国人にとっては、「ワインの赤色」が縁起物であることも言及していました。

そんな高価格の食材をそもそも楽しむこととはどういうことなのか、ラベルだけをみてステータスを感じるくらいなら良いのですが、実際に抜栓して、試してみると自分の嗜好の味でもないということが中国でもよくあるようです。

パリの古いアパルトマンには必ず地下に駐車場とワインセラーが備え付けられていたものです。以前、そんなファミリーにご招待を受けたときに、食卓に普通にシャトーマルゴーやシャトーラフィットロートシルトが置いてあったのには驚きました。

ホストであるファミリーが言うには、「これらのワインはおじいさんが安く買ってきたものを保管してあったものだし、僕らにとってはタダだから。それよりもこうして友達が集まってきて、みんなで楽しみを共有できる機会があることのほうが大切なんだよ。」
と、言ってくれた時にはさらに感銘を受けたものです。

ホスピタリティというのはお金に換算することはできないと思っています。
招いた側の気持ちが伝わることが大事だとおもいますが、ホスト側にとっても、では何を提供すればいいのかというところが悩みの種であると思います。

いろいろなお客様の意見を聞くと、やはり今でもボルドーワインというのはちょっとした贅沢な時間を共有するために提供するにはよいアイテムではあるようです。

そこで価格に見合った味わいを探すことができれば、経済的負担も少なく、ゲストにも喜んでいただけるのではないでしょうか。

ボルドーワインを探す一つの目安にシャトー格付けやAOC(原産地統制呼称)などがありますが、いかんせんボルドーは広い大地で大量にワインを生産している場所ですので、その中から自分に合った一本を探すのはさぞ大変な作業であると思います。

筆者自身の判断基準はほかの地域のワインでも書いたのですが、「人」だと思っています。

特一級の五大シャトークラスでも2006~2007年にかけて生産のスタイルが変わったと試飲を通じて感じさせられました。

というのは、それまでのスタイルは長期熟成を感じさせるカタいタンニンや酸などの骨格を感じることができたのに対して、それらのワインは抜栓直後からブーケやフルーツの香りがふんだんに飛び出してきて驚きました。

もちろん、生産者の事情を顧みると、どんどん売れるワインに対して、飲み頃を待たないで、ストックさせているヴィンテージを前倒しして出荷せざるを得ないことがあったと思います。
それらの考え方はシャトーそれぞれに独自のポリシーを持っておられるようですが需要に対して供給が追い付かないのが現状です。

前述のプリムールでも、もはやその大義名分を果たせてないと感じたシャトーは参加を取りやめているところや、大量生産に見切りをつけて、目の届く範囲内での小規模生産、有機農法、ビオディナミ農法に切り替えるところがどんどん出てきています。

鉄板で簡単に状況が変わりそうにないシャトー群のあるボルドーでさえ、少しずつ新しい動きが見てとれるのです。

結局のところ、批評家や私たちのような消費者は思い思いのことを自由に発言していますが、生産者の方々の大変な苦労があって、食卓まで上がっていることを念頭に置いていることを前提にその考えが伝わればいいと思っています。

ワインを選ぶときに何を試すか悩んでおられる方も多いと聞きます。

その決定をするために消費される方々は様々な手段を使って情報を入手します。

知り合いに尋ねる、本を読む、インターネット検索、などなど様々な方法があると思います。

しかしながら、それら得た情報をこんどは精査するという作業を行わなければなりません。

インターネット検索はその情報の信頼性の問題があります。本の情報というのはその本が発行される前の情報ですから情報が陳腐化している可能性があります。ワインにはヴィンテージがあり、毎年味わいが変わります。特に温暖化現象などの激しい気候変化でその様子は刻々と変わっています。醸造技術や畑の栽培技術も進化しています。また一方でAOC(原産地統制呼称)も変化しています。ラベルの地域が同じワインでも年月が経てばそのワインの造られる場所が変わっている可能性があります。造っている場所が変わるということは味が変化する可能性もあるということです。

実際の感想として南フランスのローヌ地方のAOC認定地域がかなり変化したことによって、北ローヌなどの味のスタイルが変わっているように感じます。

そういったことを踏まえて、あるやり取りを思い出しました。この季節に南フランスのワインを、ということで探すリクエストを頂いたことがありました。

ところが、その方のよくよく話を聞いてみると南フランスのイメージはプロヴァンスに合ったわけです。

「南フランスの白ワインだとミネラルの際立ったワインですか?」
「ミネラルと言えば塩味みたいなもの?塩味といえばアルルの南、ローヌ川河口のカマルグなんかで造られる塩ですね。」
「まあ、地中海の塩と言えばそれだけでもないんですが・・・」

というやり取りでした。

カマルグは河口のデルタ地帯で遠浅の湿地帯、池があります。

同じような場所がほかにもあるのです、モンペリエの西にある港町で有名なセート、ナルボンヌ、ルシヨン地方とスペインまでつながる海岸線も実は池、湖が続く遠浅の海が広がっているのです。ナルボンヌ郊外には塩田も広がっています。

こちらはプロヴァンスに比べれば日本人の印象度も低く、地味な地域です。

ここにも、独自のワイン文化、食文化がきちんと存在しています。

こちらも魚料理が多いですが、プロヴァンスほどの華やかさはないかもしれませんが、ここは牡蠣がおすすめです。もちろんシンプルな調理の焼き魚もおいしい。
海岸線に近い森で採れるジビエ(野禽類)も食欲をそそります。

これに合わせるおすすめは
fr-loc-0007-lrs グランジェット ピクプール ド ピネ
fr-loc-0011-org シャトー ペシェ ラ ブラン 
fr-loc-0009-lrs ジャン マール ラファージュ エル マセット
fr-loc-0010-org シャトー ペシェ ラ ヴィエイユ ヴィーニュ コルビエール
fr-loc-0005-bio マリア フィタ フィトー

ピクプール ド ピネ、はその意味が「舌に刺さる」を意味するほど酸やミネラルがくっきりしています。実際はそんなにすっぱいわけではありません。
シャトー ペシェ ラ ブランはマルサンヌですがこちらはもう少し口当たりが柔らかいタイプ。
赤はシラー種メインのワインですが、南仏らしい太陽をいっぱい浴びた凝縮した果実味とスパイシー感があります。

いずれのワインもお料理のソースに見立てて、召し上がってみてはいかがでしょうか。
よくワインの季節は秋から冬なんてことが、巷の常識などということが言われています。
どういう意味なのか自分なりに考えてみました。
ワインの季節ではない時期、つまり今頃の気候がワイン向きではないということでしょうか。
湿度が高くて、蒸し暑い。こんなコンディションの時に合う環境とワインについて考えてみます。

ヨーロッパは乾燥していて、夏でも日陰は涼しい。そういう気候がイメージされると思います。でも、地中海沿いは意外とむしむし暑い日もあるのです。

そういう時はどういうワインを飲むか。

個人的には海沿いのワイン、フランスならプロヴァンス、ラングドック、スペインならカタルーニャ、バスク、ガリシア、ヴィノ デ へレス、イタリアならカラブリア、シチリア、カンパーニャあたりでしょうか。

みずみずしい果実味、ミネラル、酸、アルコールの揮発性などの要素を考えると、これだけの要素を見ても涼しげなイメージが脳に植え付けられます。

夏が旬の食材とも合うワインもたくさんあります。

魚介類、枝豆、夏野菜などいろいろ食べ合わせてみるのも食生活を彩る一つのテーマになりえると考えています。
sp-ctd-0001 サン アレハンドロ レイシス デ ガルナッチャ 2013
sp-ctd-0002 サン アレハンドロ レイシス デ テンプラニーリョ 2013

これはスペインワインですが、ラングドックの名醸造家、ジャン・マルク・ラファージュ氏がピレネー山脈のふもと、スペインのアラゴン州、標高750-1100mにあるカラタユで造りだされたワインです。

もともとアサンブラージュ(ぶどうのブレンド)の天才といわれるラファージュ氏がピレネー山脈の反対のアラゴンで異なる畑のことなるぶどうをブレンドしたまぼろしのプロジェクトが1998年ヴィンテージでリリースされました。そのワインの名を「レイシスワン」といいます。

それを世界最高のテイスティング能力を持つワイン評論家、ジャンシス・ロビンソン女史が激賞したプレミアムワインです。
ラベルがロマネコンティに似てるとか、スペイン版DRCとかいろいろ言われてますけど、そんなことでは飲み手の興味を示すものではないと思っています。


そして、もともとこのカラタユで造られたぶどうに遠く離れたバレンシアのさらに南にあるイエクラのレバンテから持ってきたモナストレル種、カンポ デ ボルハで造られたガルナッチャ種とのブレンドなので長くは続かず、このプロジェクトはすぐに終了。その後は再開されることはありませんでした。

しかし、今回はそのアラゴン州のカラタユで造られたテンプラニーリョとガルナッチャの個性をそれぞれ活かしたワインをリリースします。

このあたりは夏は酷暑、冬は大雪に見舞われる場所です。本当に何もない場所で、少し前にボルハの教会にあった19世紀のフレスコ画が、近くに住む80代の女性によって無断修復によってサルのようになってしまった事件がスペインで起き、話題になったことがあったくらいでしょうか。

文化的にもこのアラゴン州はムーア人の侵略の北限と言われ、キリスト教、イスラム教文化が混在する場所です。

イスラムに侵略されながらも残ったぶどうの樹も残る土地。アラゴネスはほぼ生真面目なカタランのようなキャラクタの人が多いので、注目されることもないが真面目にぶどうを作ってきた人たちの成果を感じることができます。

色調や香は凝縮した黒果実ですが、ハーブやスパイシーさ、ミネラルが複雑性を生み出し、この地のハモン(ハム)などの肉の脂との相性はばつぐんです。

そういう意味では批評家が絶賛した評価とは違う評価ですが、私はこの地をイメージできる味わいとなっていると感じたので評価しました。

よろしくお願いいたします。
ランダムにワインの抜き取りをして状態をチェックすることを行っています。

お客様との情報交換で味わいについて疑問を感じたらすぐに行います。

中のワインの味わい、状態はもちろんですが、長期熟成ワインについて、熟成の進み具合についてもチェックします。

昨日、実施したのは、

fr-bod-0013 シャトー ポタンサック (メドック) 1997

です。

このわいんについては周辺のヴィンテージ(1996、1995など)のイメージからだいたいこんな味わいだろうという予測はしていました。

1995、1996、1998年あたりは良作年といわれ、近年の試飲でもまだまだ力強さを確認することができました。

1997年については高温多湿の夏で、病気が心配された年でしたが、この年はまさに生産者の判断がワインの出来を左右する年だったといわれます。

病気がつかないように、あせって収穫を終わらせた生産者は十分な凝縮感がなく、酸もタンニンも弱めになっており、柔らかい味わいとなりました。

しかしながら、このシャトーポタンサックは色調や香もブラックベリーを思わせ、液面のヘリの部分も透明感があり、まだアルコール感も十分でした。

細かい澱が出てきていましたが、慎重に、丁寧に注ぐか、デカンタージュすると果実の凝縮感がまだ楽しめる筋肉質な味わいです。やや凝縮したタンニンの古酒感を感じましたが、今楽しんでも、まだしばらく置いておいても楽しめるキャラクターであると感じました。

肉とこのタンニンの相性はとてもよく、熟成したボルドーを廉価で楽しむには十分な一本でした。
フランスから新入荷のお知らせです。シャンパーニュから2アイテムの入荷です。

グッドクオリティのシャンパーニュとしてはお買い得なアイテムです。

fr-chm-0005-lrs フレデリック マルトレ ブリュット トラディション ¥3,570 (税抜)

fr-chm-0006-lrs ブリヤール モリゼ グラン クリュ ブリュット レゼルヴ ¥4,680 (税抜)

ともにルコルタン・マニピュラン、家族経営のメゾンです。

しかしながら、フレデリック・マルトレは飲んだ感覚は自然な造り。ぶどう本来の持つ味わいをそのまま生かした、化粧しない女性を見ているようです。

かわってブリヤール・モリゼは良作年に収穫し、うなぎ屋のたれの継ぎ足しのようにソレラ方式で保存したリザーヴ・ワインをふんだんに使用しています。

シャルドネの聖地、コート・デ・ブラン地区で最もエレガントで ミネラルに溢れ、長命なシャンパーニュを生み出すメニル村で造られたシャルドネ種の良さを感じられる作りになっています。

高騰するシャンパーニュの中でこの価格は注目のアイテムです。
一昔前、日本でイタリア白ワインというとガヴィというブランドは主流の一つであったと思います。

その後、各地方で様々なタイプのワインがリリースされると、ガヴィはやや日陰の存在になったように思えます。

特別に品質が落ちたということではないんです。

外から見るとガヴィの品種でもあるコルテーゼ種とまっすぐに向き合っていて、インターナショナルなマーケットにさほど注力していなかったようです。

イタリアはどの職種、作品でもそうだと思いますが、職人気質で作品の完成度を追及し、世界が注目するという流れでした。

その流れのように、この地場品種を見直そうと思いました。それが今回の入荷になったわけです。

it-pmt-0013 カステッラーリ ベルガーリオ サッルヴィ ガヴィ 2014

白い花の香りやレモン等の柑橘や青りんごの果実香が主体。かすかに白胡椒の香りも感じる。味わい フレッシュで豊かな果実味と心地よい伸びのある酸味を持っている。

こんな、繊細な味わいは日本人にもきっと理解してもらえる味わいであると思います。


今回のイタリア新入荷ワインの中に it-lom-0002 プレヴォスティーニ サンタリタ ロッソ ディ ヴァルテッリーナ というワインがあります。
こちらのワインはキアヴェンナスカというぶどう品種を使って造られています。

あまり世間では聞かないキアヴェンナスカってどんなぶどうでしょうか?

答えからいうと、イタリア北西部で広く造られ、バローロやバルバレスコなどのワインを造るネッビオーロと同じ品種なのです。

このネッビオーロはピエモンテ州、ロンバルディア州、ヴァッレ・ダオスタ州で生産される品種です。

このあたりを文化的にみると山地の多い土地柄か、さほど広くもないエリアながら近隣へのエリアへの移動が困難だったせいか、文化交流が多くはなかった土地です。

そのため、ネッビオーロという名はクーネオ県での呼び名で、他の県ではスパンナ、ロンバルディアではキアヴェンナスカ、ヴァッレ・ダオスタではピクトゥネール、ピコテンドロなどと、呼ばれています。

このキアヴェンナスカが造られているヴァルテッリーナというエリアはイタリアとスイスをつなぐ場所であったため、独自の文化が育ってきました。

そんななかで5世紀以来、ワイン造りが続くソンドリオという町にある畑は急斜面で造られ、畑仕事はいつも登山という重労働を強いられています。

そんな中で造られたワインの味わいは、伝統的な造りをする生産者のバローロでもそうですが、フランスやスイスの文化の影響を受けたような味わいになっています。

氷河が作った地形に高山地帯の高い日照量という環境下で造られるワインは濃い色調のワインになりがちですが、エレガントな色調と味わいは、赤果実がフレッシュに感じられる、イタリアワインというより、フランスやスイスの食事のテーブルに並べたくなるワインといえるかもしれません。