2016年8月

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スペインワイン新着 ~まだ暑くてよかった~
今夏リリース予定のワインの出荷が途中で止まってしまったアイテムがありました。
スペインはアンダルシアのワインメーカー、ボデガス イダルゴ。
このメーカーはシェリーで有名なメーカーですが、シェリー用ぶどうのパロミノと自社畑のソーヴィニョンブランのブレンドで造った爽やかな味わいのスティルワインをリリース。
へレスの土壌は白い土、アルバリサはこの地域を被っていた海の堆積物で形成される有機の白い泥炭石で、炭酸カルシウム、粘土、硅土に富んでいる。この土壌がワインに十分なミネラルを与えているため、さわやかな白ワインになっています。暑い日の夕方にグラスを傾けるアイテムとしていかがでしょうか。
このワインを楽しむのは来年の夏かとあきらめていましたが、まだまだ暑い日が続きそうですので、おすすめです。
ボデガス イダルゴ ラ ヒターナ ヴィノ ブランコ
http://aquavitae.ocnk.net/product/468

よろしくお願いいたします。
天空のぶどう ~アルザスワイン街道を行く~
アルザスワインを試飲する機会がありました。その時に意見交換もするのですが、お伺いした意見の中で、
「アルザスってフランス北部にあるのに果実味がしっかりしていて凝縮感もありますね。」という話を伺いました。醸造のスタイルはそれぞれの生産者が独自のスタイルを持っているにせよ、アルザスって実はすごく暑い場所なんですよ、という話をするとびっくりされていました。
生産者に聞いても、自身の滞在体験でも8月の暑さは尋常じゃない程の日照りだったことが多く、積算日照量でも地中海沿い、スペイン国境と接した町、ペルピニャンに次いで2番目に多い地域なのだそうです。
これは天候の影響もあるのですが、この地域に大きな影響を与えているのはドイツ国境のライン川に並行して横たわるヴォージュ山脈の影響が大きいようです。
雲の流れが山でストップしてフェーン現象のように乾燥した空気が流れ込みます。
夜の気温がそこそこ下がりますので、夏の朝は霧が山を覆います。その様はまるで雲海の中にいるようです。
朝はこの気候がぶどうに良い影響が与えているのだと感じる瞬間です。

このアルザスワインエリアをストラスブールからコルマールまで縦断するアルザスワイン街道を走るツアーバスがあります。各所のワイナリーに立ち寄り、食事と試飲を繰り返します。コルマールにたどり着くころには酔っ払いの集団です。
こんなグループに混じって試飲を続けていると日本では主流の高級品種、リースリング、ゲヴュルツトラミナーは素晴らしい味わいで納得させられるのですが、アルザスの料理と合わせてうまく引き立てくれるのはピノブラン、シルヴァネール、ピノグリ、ミュスカ、シャスラやそのブレンドのなど日本ではあまり目立たたない品種であることに気が付きました。
その味自体は控え目ですが、アルザス料理の味わいをうまく引き立てているのです。ワイン自身が光を放つのではなく、料理のスパイスのような役割を果たすワインって面白い。
こんなわき役的なワインにも注目していかないとと勉強させられることがありました。
特に春のアスパラは有名ですが野菜のうまみとの相性が良いイメージを持ちました。
こんなワインを当店ではおすすめしております。是非お問い合わせください。

よろしくお願いいたします。
スロヴァキアについて
スロヴァキアと聞いてイメージするのはなんでしょうか?!
リオオリンピックのカヌースラローム競技でアジア人初の銅メダルを獲得した羽根田卓也選手が修行した場所?!チェコの隣?!今はチェコスロヴァキアではなく別の国です。色々な本にチェコ語が話せればスロヴァキア語も問題ないと書いてある本を散見することがありますが、なかなかそうはいかないようです。
そんなスロヴァキアのワインの歴史は古く、紀元前6~7世紀にケルト人がワイン造りをした記録があります。
しかし、国土全体は年間平均気温もそれほど高くなく、牧草地帯や森林地帯が続くため、ワイン造りは南部国境付近に限定されています。
しかし、世界遺産でもあり、世界三大貴腐ワインの隣国ハンガリーの銘醸ワイン、トカイも国境を挟んだスロヴァキア側の貴腐ワインも”TOKAJ”の表記がEUによって認められています。
日本では印象の薄いスロヴァキアのワインも歴史があり、文化に根付いたアイテムであることが分かります。

今回ご紹介するワイン、
ストレコフ1075 ヴァヴリネツ
http://aquavitae.ocnk.net/product/435
は、この生産者の名前の由来はぶどうを生産する村と村について最初に文書化された年号からつけられたワイナリーの名前です。この生産者でもあるZsolt Sütő氏が伝統と自然を重視して作ったワインです。
スロヴァキア伝統の品種、リースリング・ヴラシュスキー(ヴェルシュ・リースリング)、モドリ・ポルトゥーガル(ブラウアー・ポルトゥギーザー)、フランコフカ・モドラ(ブラウフレンキッシュ)、スヴァトヴァヴリネツケー(サンローラン)のみならず、ドゥナイ、デヴィン、アリヴェルネットという新しく交配された品種も栽培しています。
収穫された葡萄は、木樽の中で添加酵母で はなく葡萄自らの酵母によって自主発酵させます。亜硫酸を加えずに沈殿物とともに長期熟成できることは、テロワールをしっかりと表現する保証といえます。グルジアの醸造方法、“カヘティ造り”と呼ばれる太古の自然な醸造法によって生産された ワインは、昔のワイン作り方法へ戻ることを意味します。
そしてこの考えに同調した生産者たちがAutentista Slovalia という生産者グループを作ってスロヴァキアワインの伝統を復活させようとしています。

このヴィンテージは栽培については大変に難しいと言われていましたが、5カ月間オーク樽で熟成させたワインの味わいはまさに自然が与えてくれたうまみとしかいいようがありません。

よろしくお願いいたします。
スペインじゃないようでスペインワイン
台風が日本列島を横断しています。家や建物の中にいる時間が長い方がたくさんいるのではないでしょうか?
そういう時はうちの食事を充実させてひと時を過ごすのが良いと思います。ワインもそのお手伝いができると思います。
今回ご紹介するワインはスペインで造られているのですが、その土地の歴史を紐解くといろいろな要素が入りこんでいて国際的なイメージがあります。しかしスペインっぽさが残るともいえるワインです。

サン アレハンドロ レイシス デ テンプラニーリョ
http://aquavitae.ocnk.net/product/242
サン アレハンドロ レイシス デ ガルナッチャ
http://aquavitae.ocnk.net/product/241

このワインが造られているカラタユ、ミエデス村は北東部のピレネー山脈のふもとにあります。
ここは8世紀にイスラム勢力がイベリア半島を征服された時、隣のフランク王国がこの山中に緩衝地帯としての辺境領を置いたことでアラゴン王国の基礎ができます。つまりレコンキスタは北部アストゥリアスとこのアラゴンから始まった場所でスペインの文化が最後まで残った土地の一つと言えるかもしれません。
一方、ワインについてはこのあたりはフランス、ボルドーワインスタイルのワインを造るため外来種が植えられたソモンターノの原産地呼称が早くから認められるなどリオハやへレスなどと並ぶスペインワインの銘醸地として認識されています。

この生産者ボデガス サン アレハンドロはその中でもガルナッチャ、テンプラニーリョ、マカベオ、シラー、メルロ、カベルネソーヴィニョンが植えられていますが特にガルナッチャの樹齢が高く40~100年以上の樹が植わっています。このガルナッチャはいまでは世界中様々な場所で造られていますがこの地域の北部。エブロ川渓谷が発祥の地と言われています。
このあたりはピレネー山中の標高1000m前後に当たり、寒暖の差が大きく、害虫、病気などのネガティブな影響がぶどうに対して少なく、自然農法が実現可能な場所と言われ、古い樹がたくさん残る所以と言われています。
国際品種の銘醸地ですがスペインワインらしさを感じられるアイテムと言えるでしょう。

以前はスペインではヴィンテージワインの価値が大きく取り上げられることがなかったので、古い樹の価値についても注目されることがありませんでしたが世界のワイン批評家が注目するようになったいま、お手頃の価格で楽しめるワインは試してみるべき価値があり、おすすめと言えるアイテムです。是非お試しください。
よろしくお願いいたします。
海のワイン、比較試飲
暑い日が続いています。避暑に海で過ごす方も多いと思います。
海の食材には海のワインということでおすすめしたいのはスペインのワイン、リアス・バイシャスです。リアス式海岸という名称で日本ではなじみがある言葉ですが、スペイン北西部のガリシア地方のリアス・バイシャスという海岸線沿いの町でワインが作られています。
入り組んだ入江に注ぎ込む川の奥にヴィラノヴァ デ アロウサという村で造られているアルバリーニョというぶどうを造っています。
この地方の特徴として、雨が多く、多湿な地方であるので日本の葡萄園のように天蓋で蔓棚を作り、アルバリーニョ種に特化して、ぶどうを育てています。

そんな場所で造られているワインを試飲してみました。
コンデス デ アルバレイ アルバリーニョ 
http://aquavitae.ocnk.net/product/448
こちらはデイリーワインクラスの位置づけです。おなじみのワインに例えるとゲヴュルツトラミナー種、ヴィオニエ種、プティ・マンサン種というぶどうに味が似ていると言われますが、果皮の味わいがこのワインを支配していると思いました。つまりわずかな苦味やミネラル分が反映していて甘い香りと対照的なドライ感がガリシア地方の名物料理であるシーフードや野菜の青さと合うイメージです。この季節にはなめらかに体に無理なく入っていく感じが心地よい。

コンデス デ アルバレイ パソ バイオン
http://aquavitae.ocnk.net/product/446
こちらはこのワイナリーのトップワインで、名前のパソ バイオンはこのワイナリーのアイコンと言える17世紀に建てられた宮殿のことですが、一時は麻薬輸入の巣窟になるなど、様々な所有者を経てこのワイナリーの所有となります。宮殿の隣に広がる丘にきれいな棚作りの葡萄畑が広がり、美しい景観のワイナリーだけでなくレストラン、ホテルが隣接されています。
そんな良い環境の中で造られるワインは平均樹齢40年のアルバリーニョ種を使っています。それだけにアプリコットの凝縮感ときれいな酸がブルゴーニュのマコンのワインを連想させます。
ブルゴーニュワインよりも格安でコストパフォーマンスが良く、瓶形も印象に残るワインはこの暑さを一時忘れさせてくれるアイテムです。

よろしくお願いいたします。
山の日には山のワイン
今日は山の日です。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨とした祝日です。そういう趣旨を受けて山の恩恵でできたワインをご紹介します。

山は南米アンデス山脈、標高2000m以上の場所に畑を持ち、雨がほとんど降らない乾燥地域、昼夜の温度差があり、ぶどうの栽培には良い条件がそろった場所で造られているワインがあります。
それがボデガス コロメという生産者です。この生産者は1831年に設立され、現存するアルゼンチンのワイナリーでは最古の歴史を持ちます。当時、サルタ州知事イサスメンディとエチャラルが創設したワイナリーを娘のアセンシオンとホセ・ベンハミン・ダヴァロスが
フィロキセラ(ブドウネアブラムシの病虫害)以前のマルベック、カベルネソーヴィニョンをフランスから持ち込みました。そうして170年守ってきたワイナリーをアメリカのワイナリー、ヘス社が2001年に買収。そして彼らは地域の社会的活動を行い、コミュニティーセンター、教会、学校、住宅の建設に大きな支援を行い、この地域の人々に仕事を提供しました。
そこで造られるぶどうは徹底したビオディナミ農法で行われ、最先端の技術を駆使する「新しさ」と、2000年以上も前からこの土地を耕作してきたインディオやインカの人々の知識や技術を活用する「古さ」 が融合されています。アンデスの多彩な作物や牧畜は、ボデガ・コロメのワインだけでなく、そこで働く人々や旅行者にも美しい自然環境と風味を提供しています。

歴史あるマルベックを主体にシラー、カベルネソーヴィニョンをブレンドした味わいはチェリーやラズベリーの黒果実にフレンチオークの熟成由来のバニラ香が感じられ、なめらかなタンニンが心地よく体に入っていくワインです。

ボデガス コロメ アマラヤ レッド
http://aquavitae.ocnk.net/product/467

よろしくお願いいたします。
夏はホットに!
毎日暑い日が続きます。こう暑い日が続くと食欲も低下しますね。そういうときこそ食材を工夫して、食欲をそそる味の食事、それに寄り添うワインと一緒に食事をして、体力をつけていきたいものです。
筆者はそのヒントは暑い国にあると考えます。
暑い国の食材として思いつくのが、唐辛子。中南米から世界に広がっていった食材でピーマン、ししとう、パプリカなど辛みがないものもありますが、この季節は辛みのある香辛料として味にアクセントをつけたいものです。
ヨーロッパのワインと合わせられているか見ていくと、
イタリア半島の足首あたり、シチリア島を中心とした南イタリア、スペイン、ポルトガルのイベリア半島、ギリシャ、ハンガリーなどのバルカン半島で唐辛子を使った料理が多いのですが、自信の経験ではこれらの国のワインの味わいについて共通して感じたことは白ではドライでキンキンに冷やして楽しむタイプ、赤はスパイシーでなめらかで軽いタイプのワインを合わせて楽しむことが多かったように思います。
辛い料理をきれいに流し込んで、またもう一口!というイメージでしょうか。
顔から汗をかいて、冷たいワインで(赤も冷やして)すっきりリフレッシュ。
そんな組み合わせにぴったりなワインをおすすめしております。

よろしくお願いいたします。
休暇にワイン
そろそろお盆も近づき、帰省の季節になりました。
こんなときは暑さをさけて、静かな場所でリラックスしたいものです。
当店が提供するワインはそんなリラックスするひとときを演出します。
帰省のお土産にもいかがでしょう?
癒しのワインを当店ではおすすめいたします。ご予算、テーマ、食事との相性など様々なお題からおすすめとなるアイテムをおすすめいたします。
この機会にまずはご相談を。

よろしくお願いいたします。
100年を飲みこむ
オーストラリアのバロッサヴァレーのぶどうの樹齢の高さは世界でも認識されているところではありますが。ここのぶどうは群を抜いています。今回ご紹介する生産者、ラングメイルはその歴史を1842年からスタートさせました。そのスタートも大変なご苦労があったとおもわせます。この家族はチェコ、ポーランド、ドイツの国境にまたがるシレジア地方から移住されてきました。当時この地域はマリア・テレジアのオーストリアとフリードリヒ2世のプロイセンが対立していた時期でした。その後プロイセンに領有されることになり、プロテスタントとカトリックの宗教問題に発展、その結果、国外に自由を求めてオーストラリアに移住することになったそうです。
その頃の1843年に植えられたシラーズ何人かの手を経て現在は、リンドナー家の所有になっています。
その当時植えられたシラーズは今のラングメイルのシンボルとも言えます。
彼らは自分たちの信仰を維持するため、多くの苦難に耐え、その当時の入植者が持っていたパイオニア精神をたたえて、忘れないようにするために“The Freedom 1843 Shiraz” と名付けて記念しています。その畑は現存する世界最古のシラーズの一つとして認識されています。
しかし1980年代にオーストラリアは過剰供給を防止するためにぶどうの樹を除去するなど苦難の道もありましたが、その後現オーナーのリンドナー家がそのシラーズを復活させるために手入れを行い、とうとう1997年に初ヴィンテージのワインがリリースできるまでになりました。
そんな苦難を経てできたぶどうの樹は画像を見てもわかる通り、老松のような老木となっています。
そんな生命力のあるぶどうから造られたワインとは飲み手に取ってどれだけの力を与えてくれるのか想像してみてください。そしてその力をぜひ体感してみてください。

ラングメイル ヴァレーフロアー シラーズ 2012 
http://aquavitae.ocnk.net/product/465

よろしくお願いいたします。
シドニーから日帰りで
オーストラリアワインというとどうしてもアデレードを中心とした南オーストラリア州かメルボルンを中心としたヴィクトリア州にフォーカスされやすいイメージがあります。
実はニューサウスウェールズ州のシドニー近郊にも注目すべき生産地があります。
シティーから車で北に2時間半ほど走らせたところにあるハンターヴァレーです。ハーバーブリッジを越え、チャッツウッド、ホーンズビィを越えてナショナルハイウェイをひたすら進むと到着します。
このハンターヴァレーは実はオーストラリアで最も歴史がある産地で1820年頃からぶどうの栽培をスタートしています。
今回ご紹介するビンバジンリッジはセミヨン種というぶどうから造られていますが、このぶどうがこの地区の代表的な品種となります。
この場所はホテルやレストランも充実しており、様々なワイナリーでの試飲、食事とのコンビネーションが楽しめる場所で、観光地としてもお勧めの場所なのです。そこで色々と試しましたが、このビンバジンリッジは印象に残る味わいでした。味の良さもさることながらツーリズム、ワイナリー、レストランの部門でも数々の賞を受賞しているので周りの環境がワインを美味しく飲めることもあるのではないかと思わせます。
このビンバジンリッジという言葉が先住民族アボリジニの言葉で「美しい眺め」という意味を表す如く、丘の上に立つ美しいワイナリーで、その白い建物がラベルのデザインにもなっています。
ここの地域では年中様々なイベントが行われています。
一年中さまざまな食とワインのイベントが開催され、ジャズ、オペラ、ブルースの有名アーティストによるパフォーマンスも見ることができます。食とのコンビネーションを意識したワイン造りがここにあると納得できるのです。
もうひとつ、感銘を受けたのはこの近くに世界遺産、ブルーマウンテンズがあるのですが、そこに行くとよく霧が出ます。その理由の一つに、ここに生えているユーカリから発生する霧状の油分が太陽に反射して青い霧をつくるのです。その景色も壮大ですが、通常の霧も良く発生します。こういう昼夜の温度差はフランスのボルドーやアルザスなどでもよく見られる光景ですが、そういうぶどうの銘醸地に共通する景色が感じられたのはここのぶどう造りの歴史が背景にあるからだと思わせてくれます。

この夏にすっきり、フルーティなスパークリング、おすすめです。
ビンバジンリッジ セミヨン スパークリング
http://aquavitae.ocnk.net/product/464

よろしくお願いいたします。