2016年1月

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昨今のニュースでチリワインの輸入量がフランスワインを抜いて1位になったというニュースを目にします。
チリワインが巷に広がっていることなのでしょうか?
消費者側の立場に立って考えてみると、フランスワイン愛好家がすぐにチリワインに乗り換えるかという考えも早計ではあると思います
チリワインはもともと、低価格、ブラインドテイスティングの問題になりそうなわかりやすいヴァラエタル(品種)の味わい、買い求めやすいなど身近な存在でスタートした記憶があります。
そしてその後、それを提供してきたチリ10大大手生産者の戦略として低価格帯のブランドイメージから脱却し、高級ラインへの切り替え、定温化した輸出コンテナの増大、その他、小規模生産者の輸出ラインへの積極的な進出があったせいかと思われます。
もう一つの大きなテーマとして、受け入れる側の日本人消費者の嗜好の問題があります。
チリ人の嗜好やサンチャゴのレストランはアサード(焼肉)や香草、ハーブの味を聞かせた料理を提供することが多く、日本人とのそれは違うように感じます。
ニューワールドのいわゆる「しっかりした味」を低価格で購入できることがコスパの良さを感じせてくれているのかもしれません。しかし食事の時に自分の食べたい食事にどんなワインを併せるかを考えると味わいの相性は正しく選択できているのかどうかをしっかり考える必要があります。その基準として、価格やその商品のバックボーン、生産過程などを知ることがその問題解決のカギになります。

また、経済的な傾向で高騰するフランスワインに対して、比較的買い求めやすいニューワールドのワインに流れていることも後押ししているのではないでしょうか。
そして近年のチリ側の味わいのブレンドについてはチリ国内の嗜好より、ヨーロピアンスタイルに変えてきている傾向があるように感じました。
もともと、チリのワインビジネススタイルはアメリカ人のスタイルを踏襲しているのか、と思わせる戦略が多々見られます。
チリの生産者の中でも地元、チリのスタイルを受け継いだ人やヨーロッパから移住してきた人など様々な考え方を持った人々がいますので味わいやスタイルは様々です。
共通していえるのはこれまで日本のマーケットを支配してきたフランスワインの存在が味わい、価格、在庫、天候の面でも絶対と言える時代ではなくなってきたのかもしれません。
そんな、これまで知られてきた生産地から新しい生産地のワインを試したくなってきた方へのガイドのお手伝いを続けていきたいと思っております。

チリワインのページ
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/58

よろしくお願いいたします。
2016年1月25日 第百五十一回配信

ドイツ、オーストリア、チェコ、ポーランドなど北ヨーロッパのドイツ文化圏では冬はちょうど今日の日本のように町中が凍り付いています。
ドイツ、オーストリアではグリューワインですが、ポーランドではグジャネ・ヴィノ、チェコではスヴァジェネ・ヴィノ、リトアニアではカルスタス・ヴィニャスなど呼び方も様々です。
そんなときに街角にはスタンドがあり、そこで大きな寸胴でワインを温めています。それが冬の風物詩になっていて、思わず手に取り飲んでしまう。それが体の芯を温めてくれます。

de-gw-0002-bio ハウザース グリューワイン ビオラベル 1000ml (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/364

これはワインのもつ味わいのみならず、スパイス、オレンジピールなどが入っていて、おいしさだけではなく体自身から体温を挙げてくれる効果もあります。

もっとも、赤ワインのみならず白のホットワインや、ホットビール、コーヒーにブランデーやリキュールを入れた飲み物もありますが、オーガニックで造られた体に優しいぶどうからお試しいただければこの厳しい冬を乗り切れるかもしれません。

よろしくお願いいたします。
ここしばらく日本は寒気に包まれ外に出るのもたいへんなほどですね。
こんな時は暖かい部屋で暖かな土地で造られたふくよかな味わいのワインをお勧めします。

イタリアはトスカーナから
it-tsc-0011-ntr アジェンダ カサーレ ダヴィッディ カイノーザ キャンティ コッリ セネージ 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/378

同じくイタリアは半島のかかと部分のプーリア州、レッチェから
it-pgl-0006-org フェウディ ディ グアニャーノ サリーチェ サレンティーノ 2014 (赤)

it-pgl-0007-org フェウディ ディ グアニャーノ テラマーレ ネグロアマーロ サレント IGT 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/380

トスカーナのカサーレ ダヴィッディは800年代からフィレンツェでワイン造りを続ける名家。レッチェのフェウディ ディ グアニャーノは2002年に5人の起業家が造り、地元品種のネグロアマーロの本来のスタイルの復活を目標にオーガニック農法を開始した生産者。両生産者のスタイルは両極端ですが共通して言えることはその土地が持つ独自の食文化、キャラクタに敬意を持って活動していることだと思います。生産性を上げるための国際品種の導入などをすることもなく、その土地に本来あったものを大切に育てていく精神は変わりありません。伝統的手法と最新の手法、アイデアは違いますがそのバックボーンにある造り手の思いを正しく伝えたいと思っています。人をおもてなしするときには全て自分たちの住んでいる環境のものでまかなう。これこそがイタリア人らしいおもてなしのすたいるではないでしょうか。

よろしくお願いいたします。
最近ようやく冬らしい気候になったと思ったのですが、今度は雪が突然降ってきています。
お出かけにはお足元にご注意してください。

来月2月向けにアイテムを探しています。2月はバレンタインデーがあります。

チェッロ プロセッコ ブリュット 
http://aquavitae.ocnk.net/product/377

ここの畑のある場所はシェイクスピアの戯曲、ロミオとジュリエットの舞台となったヴェローナからほど近いところにあります。
チェッロ・エ・テッラの所有する葡萄畑からは『ロミオとジュリエット』で有名なお城を見下ろすことが出来き、プロセッコのラベルには、印象的なハートマークと「1530年、『ロミオとジュリエット』のラブストーリーの舞台で造られたワイン」の表記がされています。
もちろん見た目だけではなく、味もおすすめです。
近年、プロセッコはシャンパーニュ、カヴァと肩を並べるほどの輸出量に成長しています。
しかもお求めやすい価格設定としてデイリースパークリングとしては使いやすいアイテムです。日本市場でイタリアのスパークリングというとアスティスプマンテやフリッザンテなどが有名でしたがこちらは甘口の味わいですが、プロセッコは辛口です。以前はエクストラドライと記載されていてもけっこうな甘さを感じるアイテムがありましたが近年はDOCの規定が厳しくなり、区画も限定されています。葡萄本来持っている味わいやアロマが忠実に再現されてくるようになったと思います。2013年には世界総本数ではシャンパーニュの出荷を上回り、日本で体感するよりもプロセッコが定着しつつあるようです。
筆者の感覚でも最近のシャンパーニュの高騰ぶりを見ると、ロンドンやニューヨークではプロセッコやカヴァをお手軽に、というスタイルが良くみられるようです。

話を元に戻して、このプロセッコの生産地のお膝元、ロミオとジュリエットをもう一度見直してみると、ジュリエット13歳、ロミオ18歳が出会って、結婚して、お互いがなくなるまでたったの5日間で話が完結しています。すごいですね。元はギリシャ神話のお話をモデルとしたものだったようですが、この手の作品は当時からたくさんあって、ストーリーはシェイクスピアの作風で庶民のいきいきとした生活が描かれていますね。
こんな話をしながらスパークリングのグラスを傾けるのも面白いと思います。
一度お試しください。
よろしくお願いいたします。
最近はブルゴーニュワインのお手頃価格を探しているという声をよく伺います。
ブルゴーニュワインの洗練さと日本人のこまやかな味覚が合うのでしょうか。
しかしながらブルゴーニュの生産者のほとんどが家族経営であり、大型輸出に耐えられる生産量を持っているところは多くありません。
また、畑の区画も細かく分かれているので大量生産をすると細かいテロワール(地味)の味わいが伝わりにくくなると思われます。
そのうえ、近年の天候不順で生産量が下がる年もしばしば見受けられます。
暑い、寒いだけではなく、雹の被害もあるのです。こちらはソフトボール並みの雹が降ってきます。ぶどうの樹にとってそんなものが降ってきたらひとたまりもありません。
ブルゴーニュの銘醸地で造られるワインはほとんどが高価なアイテムであり、少量生産ですから普段使いをするにはなかなか大変です。
しかし、必ずしもそういうアイテムばかりではなく丁寧に探していくと比較的安価でいいアイテムが見つかります。
ブルゴーニュでは比較的、コートドールより南、特にマコンあたりは生産地が比較的広く、味わいもよいアイテムが揃っているのでこのあたりを探してみるのが良いかもしれません。
マコンはブルゴーニュ南部で日照量も多く、完熟したぶどうから造られているので果実味豊かなタイプが多いのですが、マコン北部のあたりになるとややエレガントなスタイルのワインが良く見かけられます。
その中でお勧めなのがヴィレ・クレッセという地域で造られているワインです。
ここはヴィレ村とクレッセ村の二つの村からなる地域です。1999年に単独のアペラシオンに認定され、豊かな果実味に酸やミネラルなどの味わいの構成要素が濃密です。そして全体的な印象は優雅でチャーミングな味わいです。

テヴネ エ フィス ヴィレクレッセ テット 2008 (白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/273

こちらのワインは一部貴腐菌が付いたぶどうを使用しているので蜂蜜のような濃密な果実味とミネラル、酸のバランスが上手く取れているのが特徴です。ブルゴーニュワインでは比較的お買い求めやすいアイテムです。

一度お試しください。
よろしくお願いいたします。

Wine Shop Aqua Vitae
店長
河合
品切れしておりましたスペインワイン、ボデガ パルド トロサの造る、センダ ラス ロカス ボバル http://aquavitae.ocnk.net/product/321
が2013年の新しいヴィンテージで入荷しました。

このワインはスペインの地中海沿いの町、バレンシアから内陸部に入った小さな町、アルバセテを中心としたDO マンチュエラという場所で造られています。カタルーニャ南部、バレンシアを中心とした地域で古代ローマ時代から育てられる品種ボバル種を中心に赤ワインが多く造られています。この地域は内陸部の大陸性気候に属しています。砂漠のようなドライで乾燥した気候ですが、地中海からの湿った風、レバンテや二つの河川に挟まれた地域ということで周りの地域に比べると比較的湿潤な土地です。しかしながら直射日光の厳しい土地なのでここで育つボバルは葉を大きく育て、陽射しを遮る形でぶどうを守ります。
樹齢が古いエリアが多いため化学肥料などの薬品も一切使用しないオーガニックぶどうを使用しています。
そんな地域で育つボバルは黒チェリー、こけもも、チャーミングな果実味が特徴です。すでにリリースしている隣のエリア、ウティエル レケーナで造られたヴィラ デ エステナス プリマムボバル http://aquavitae.ocnk.net/product/305
の煮詰めたブルーベリーのような味わいとは違います。
まさに、DO(原産地呼称制度)違いを感じられるワインですので、ぜひ比較してみてください。
よろしくお願いいたします。
興味深い記事がありました。
「産地非表示ワイン」生産者たちがワインを共有する。
Vins sans indication géographique : des vignerons partagés

2016年1月1日からEU圏内で産地非表示ワインVins sans indication géographique (VSIG)が導入されます。
このワインが市場に出ることによってどういった影響が出るのか。
記事によると導入歓迎派は味の創造性が広がると言っています。フランスワインインタープロフェッショナル協会では2009年これまであったワインのカテゴリを見直していました。これまで、フランス国内では独自の栽培地が厳格に決められていましたので、そこを外れるとラベルにその生産地を表記することはできませんでした。しかし2016年からその規定をはずれ自由化の方向に向かうことになります。これによって輸出の需要を満たすための新品種の開発、新しいタイプのワインを造ることができる機会を与えられたと言えるでしょう。

そしてこの新しいマーケットはどこにあるでしょうか?世界の多くの地域でまだワインマーケットが未開発の場所が多く存在します。今注目されているのは中国です。
例えば、フランスの品種を持ってきて新しい味わいを作る、フランス国内でも同じ品種ながらもガスコーニュとラングドックなど違う生産地のワインのブレンドも可能になります。造る側は新しい市場の嗜好を見て様々なタイプのワインをリリースできるということです。
ヨーロッパのワイン輸入大国でもあるフランス、ドイツがその需要を満たすためにヨーロッパで最大の作付面積をもつスペインから輸入していますが、この競争力を再構築するための選択幅を増やしたと言えるでしょう。例えば、近年、葡萄畑が増えているイングランドからも輸入し需要を満たす選択肢が与えられることにもなります。

一方、反対派の意見はこうです。
「AOC (原産地統制呼称)制度の終焉だ!」
シャンパーニュ地方のマルヌ、ヴェルテュの首長でもあり、生産者でもあるパスカル・ペロー氏は「1927年から守られているAOCの死だ。テロワール(地味)というのは複数の土壌の条件、天候条件に基づいてできた制度。それに反して私たちの土地やよその土地で疑似シャンパーニュが造られることになります。そしてこの地方の良くないとされていた土壌でもぶどうが植えられることになります。それは品質の概念がなくなり、商品の味わいの低下を意味します。これは私だけではなくすべてのシャンパンメーカーが心配していることでもあります。ブリュッセル(EU本部がある)では当たり前のことのように決められてしまったが、ここヴェルテュではみんなが仰天しました。葡萄畑の面積の増加によって、味わいのレベルを維持することは不可能です。例えば大手メーカー、グランメゾンがイギリスに畑を買ってイギリス製シャンパン造ったらみなさんはそれを試したいと思いますか?」
とこの決定に怒りをあらわにしていました。

記事はここまでなのですが、ここからでは消費者側はどうするか。
この自由競争を歓迎するべきか、伝統あるラベル表記をまもるか。とてもデリケートな問題だとおもいます。

昨今報じられているTPP導入でもそうでしたが農家さんのご意見では日本の農家さんを保護する制度を作れという声もかなり聞かれます。ところが一方ではこの自由競争を利用して、日本の農作物を輸出するという新しい試みを行う農家さんも出てきました。
フランスでもそうですが保守派と急進派の意見は分かれるところでもあります。
時代の流れとともに変わる環境を捉え、どう対応していくか。
新しいシステムを導入して想像すること、長年守られてきた良き制度を守り続けることも大事だと思います。古きを温めて新しきを知る。

あの時飲んだ美味しかったワインがまた飲みたい、そんな気持ちにもなることもあります。
実際、ワインは毎年天候が変わるし、代替わりすればスタイルも変わります。ワイン生産者は性善説ではなく、性悪説でも考えなければなりません。ワインに混ざってはならないものが混ぜられていて事件になったこともあります。

筆者もあの時のワインを飲みたいと探したこともありますが、ワインは生産者さんお熱い思いで造る葡萄の出来、その年の転向で左右される収穫の状況、醸造、熟成の時の人の意志、そのあとの保存状態、輸入業者さんの意思決定、販売業者さんのお客様への思いやり、消費する人のワインへの思いがつながって初めてグラスに注がれるものなのであります。同じ飲み手でもその時のお店、供されるお料理、同席する人によって、同じヴィンテージ、同じラベルのワインでもその時々によって味は違うものなのです。

筆者はワインは人、一期一会ではないかと思っています。
ワインだけではないですが消費者側の商品への感心、興味、知識欲が高まっていければこの問題が投じた一石はうまく波紋が伝わっていくでしょうし、意味のあるものになるのではないでしょうか。

筆者はそんな小さな生産者さん、小さな輸入業者さんの思いを知り、そしてお客様に伝えていく努力を改めて継続していかなければならない使命があると再認識しました。


元記事:
http://www.leparisien.fr/espace-premium/actu/il-faut-devenir-des-createurs-de-gout-29-12-2015-5406445.php#xtref=http%3A%2F%2Fwww.bing.com%2Fsearch%3Fq%3DVins%25E3%2580%2580Sans%25E3%2580%2580Indication%25E3%2580%2580Geographique%24src%3DIE-SearchBox%24FORM%3DIESR02
ワインを飲むときに選ぶ基準の一つとしてぶどう品種があると思います。
その中で代表的な品種名を聞くと、なんとなくイメージがつかめてなるほど、と安心してオーダーができたこともあったかと思います。
しかし、ここ数年の気候、環境の変化でそうとばかりも言えなくなって来ました。
今年の日本の一月のように、世界各地も環境が変化しています。ワインベルト地帯も多分にもれず、その弊害、または恩恵を被っています。
つまり、自然環境、人的要素でワインの味はここ数年で目まぐるしく変化しているのです。
先日、あるお客様に言われたことですが、ピノノワール種という品種をつかったエレガントなワインが大好きでデイリーワインとなるものを探しているとお問い合わせがありました。
ピノノワール種はブルゴーニュワインの代表的な品種のひとつですが、多くの生産者が家族経営でボルドーとは違い、安定した生産量を期待するのは難しい、それ故に価格が高騰しています。コトーブルギニョンなど生産者を保護したAOCが制定されたりして比較的低価格帯のワインが出てきましたが、デイリーワインとなると価格的には難しい。もっと安いワインを探すとあるにはあるがボジョレーのガメ種などのブレンドでピノノワールのイメージとは違う、と感じることもあるようです。一方北部に向かうとオーセールなどディジョン以北のワインはまだまだ果実の厚みが足りないものも多く、なかなかこれはというアイテムが見当たりません。
ほかの地方もあたってみました。
そのワインはロワールにありました。地域はロワールの中心都市、ナントの上流、ミュスカデエリアの上流、ミュスカデ コトー ド ラ ロワールというAOC(原産地統制呼称)の生産者が造るワインでした。
ミュスカデというとムロン ド ブルゴーニュという寒冷地に強いぶどう品種が有名ですが、この上流の地域は比較的温暖で、ソーヴィニョンブラン、シャルドネ、ピノノワールが造られています。
今回ご紹介するアイテムは、レトレ ダヴィという生産者が50年前から手掛けている畑でテラヴィティス認証の自然派生産者です。
このワインを試飲した時に感じたのは純粋に果実の味わいでした。
本当に品種の特性が良くあらわされた自然な味わいです。畑もアルドワーズという鉱物を含んだ土壌でミネラルやテロワールも十分に感じることができ、寒冷地とは思えないぶどうの成熟ぶりを感じました。これも地球温暖化の影響でしょうか。

fr-lor-0008-lrs レトレ ダヴィ ロワール ソーヴィニョンブラン パーセル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/375
fr-lor-0013-lrs レトレ ダヴィ ロワール ピノノワール シャピトル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/376

是非お試しください。よろしくお願いいたします。
今年最初のコラムです。今年もよろしくお願いいたします。
今週から仕事始めの方も多いこととおもいます。まだ体内時計や生活のペースが戻っていない方はゆっくりと戻してください。
今年最初のテーマは中世時代、サンチアゴ・デ・コンポステラに向かうヨーロッパの巡礼者たちによってイベリア半島にもたらされたワインを紹介したいと思います。
そのぶどう、メンシア種はガリシア州などスペイン北西部で栽培されますが特に評価が高いのはカステージャ イ レオン州のビエルソで造られるメンシアです。
この地域を訪れるとそれまで蒸し暑いスペインの町を歩いてきた筆者にとって、別世界にきたような涼しさとさわやかさを感じさせてくれる土地でした。
しかし、何もないこの荒涼とした土地は巡礼路、エル・カミーノではピレネー山脈越えに続いて過酷で終着点のサンチアゴ・デ・コンポステラへの最後の難関、レオン県のセブレイロ峠越えは巡礼者にとって、雨の多いこの土地が最後の過酷な試練であったことが伝わってきます。しかしケルト人が住んでいたころからの石造りの家がそのまま宿になっているところもあり、情緒あふれる土地でもありました。
そんな粘土質、石灰質で構成されたスレート土壌の荒涼とした土地との相性が良く、味わいにも良い結果をのこすこのメンシアというぶどうはスペインワインの中ではタンニンや酸味をあまり感じないフレッシュでなめらかな味わいになっており、その成熟ぶりはスペインの太陽をそのまま表した力強さを感じさせてくれます。
1990年代のプリオラートがスーパースパニッシュと呼ばれていた時代の次世代のワインとして注目されるこの地域には若手の生産者がどんどん入ってきていて可能性を感じさせます。
そんな地域のでお手頃な価格のアイテムがあります。

ロサーダ ヴィノス デ フィンカ
1960年にフランス、ボルドー大学のエミール・ペイノー博士は「いつの日かヨーロッパで最も優れた赤ワイン産地の一つになるだろう」というコメントを残しています。ビエルソではこの土地固有の葡萄である古いメンシアの樹から高品質な赤ワインを生産しています。メンシアの特長はその酸度の低さと糖度の高さ。これによりワインに良いボディが与えられ、柔らかく滑らかな口当たりのワインとなります。新鮮なブラックベリー、ラスベリー、レッドカラント、熟したプラム、リコリス、ハーブ、ミネラルなどの香りを感じることが出来ます。
古くから伝統的に行なわれてきたやり方に従い、土壌を鋤で耕し、土壌を覆う草を植えて土地の侵食を防いでいます。また、この地域の専門調査機関に土壌の分析を依頼しており、これにより葡萄の成長の為の技術が継続的に見直され、強化されています。ビオディナミに興味を持った時期もありましたが、科学的根拠がないことと、スペインにはビオディナミに認証を与える団体が存在しなかったことから、国際的な基準に順応する栽培基準を設定し、それに沿って葡萄を栽培しています。

そんなワイナリーが造ったワインがこちらです。
ロサーダ エル パハロ (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/373
「エル パハロ」はラベルにも描いてある小鳥の意味です。スペインの人たちはよく写真を撮る時に「パハロ」という言葉を使いますが、レンズから小鳥が出てくるからよく見てねという意味でこの言葉を使います。このワインはメンシア種をそのまま体現した味わいで若くフレッシュで濃厚です。この地域の料理にもありますが肉料理との相性は抜群です。

ロサーダ シンコ ロサス (ロゼ)
http://aquavitae.ocnk.net/product/374
エレガントな色と味わいがまるでグラスから出てくるブーケのようです。まさにラベルにある5本のバラ、シンコ ロサスの名前の通りの味わいです。

是非お試しください。今年もよろしくお願いいたします。