2017年4月

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オーメドックらしさとは
ボルドーの格付けの一つ、クリュブルジョワという厳格な認証が付いたワインはいくつかありますが、これが購入の決定になることはいままでありませんでした。今回紹介するシャトーシサックも同様でした。これまでのスタイルはタンニンとミネラル、特に鉄分の感覚が強く固いワインで会った印象が強く、あまり気にも留めなかったのですが近年の新しいスタイルはその変化を感じさせるものでした。その味わいは新しいとはいえ、伝統のメドックスタイルに回帰したような印象を与えました。

シャトーシサックはメドックの中心部にあるシャトーです。ローマ時代の遺跡の上に立てられたシャトーですが、何世紀も前からぶどう造りが続いていた土地を表現しています。サンテステフやポーイヤックに隣接し、森に囲まれた畑は粘土と石灰岩を含む砂地で構成されています。このメドックの伝統を忠実に継承しようとカベルネソーヴィニョンを主体にその味を表現しています。そこにメルロの豊かな果実、プティヴェルドのスパイスがより複雑に豊かな表現力を持つ味わいになっています。これがメドックの伝統と言えます。
この生産者、ヴィアラール家も天候や環境に敬意を払い、ぶどうのブレンド、樽や伝統的な醸造スタイルを守りつつ、その品質改善に努めています。
そしてその伝統の味であるエレガントな芳香、チェリー、プラム、甘草、スモーキーな香りのバランスが上手く取れて、これぞボルドーというワインに仕上がっています。

お手頃価格のボルドーワインが少なくなってきた今、この位置づけのワインをもう一度見直す価値があると思えるワインです。
http://aquavitae.ocnk.net/product/571
ドウロ川から見える光景
最近、テーブルを色々観察しているとワインやその他酒類はアルコール度数の軽いものをたしなまれている方々が多いようです。これはヨーロッパでも同じような傾向があり、フランス、イタリア、東ヨーロッパでも以前のイメージのようなハードリカーの消費量もやや停滞してきています。ロシアなどではゴルバチョフが政権を握っていたころから新聞紙上でも盛んに健康の重要性と飲酒が叫ばれるようになっていましたが、ウォッカの飲料を制限するとその政権は倒れるという逸話もあります。
ポルトガルでもイギリス向けのポートが造られているのは有名な話ですがその消費量が頭打ちになるとスティルワインの消費量が増えてきました。ハンガリーのトカイあたりでも同様の傾向が見られます。
ポートの葡萄はポルトを河口とするドウロ川の上流にある両岸ぞいに畑が広がり、アルト・ドウロワイン生産地域として世界遺産にも指定されるほどその風光明媚な景色は絶景に値する地域です。
今回紹介するカーサ フェレイリーニャもそのドウロエリアのぶどうで1952年に生産を開始しました。
その生産地、キンタ ド レダというエリアは独特の取り組みを行っています。
このエリアはシストと言われる片岩で形成される土地でその片岩とは薄く板状に割れやすい構造を持つ岩石のことです。段々畑の石垣もこの石を積み上げて造られます。
畑では、この片岩に縦に走る亀裂のおかげでブドウ樹は根を深く伸ばすことが出来、ポルトガルの暑く乾燥した夏をやり過ごすための水分を地下深くから吸い上げることが出来るのです。
その中でも周りの畑とはちがう形状で積み上げた岩の壁があり、それが特異な景観を生み出しています。
それは「蜂の壁」と言われています。
その名の通り、蜂の巣を雨や風から保護するために造られたのですが、時折クマも現れるようで185cmの高さにもなります。
いいぶどうを造るには周りの環境の生態系にも配慮した取り組みのある環境の中で造られたポルトではないドウロのワインぜひ試して見てください。

http://aquavitae.ocnk.net/product-list/129



フランス新着 裏シャンパーニュ、裏ボルドー
フランスワインの新入荷アイテムが入りました。
最近暖かくなり、春の穏やかな気候の中で飲みたいスパークリングです。

ラ クロワ モンジョワ クレマン ド ブルゴーニュ ブリュット
http://aquavitae.ocnk.net/product/581

ダヴィド ルノー クレマン ド ブルゴーニュ ブランドノワール
http://aquavitae.ocnk.net/product/575

泡はしっかり、キリッというわけではなく果実味が豊かなほっとするクレマン。
小さなテーブルに仲間と寄り添って座って、ハムやチーズなどのおつまみをつまんだりして、楽しい話をしながらカジュアルに飲んでほしい。

こちらはボルドーの南、南西部から、
フリュ ノワール マディラン フレシュール 2012
http://aquavitae.ocnk.net/product/577

ドメーヌ ド レスキュール フロントン ルージュ ランスタン プレザン 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/576

フランス国内でも高騰するボルドーワインより、普段使いで人気のある、ボルドー周辺のフロントンやマディランのお手軽なアイテムがおすすめです。
フロントンはネグレットというぶどう品種を使い、軽やかでストロベリーのようなチャーミングな味わい。マディランはタナとカベルネフランをバランスよく合わせたモダンスタイルな造り。以前のタナのようなざらつきはなく、なめらかでドライフルーツのような厚みを感じます。

この春は裏ボルドーで楽しみましょう!

Aqua Vitae
河合
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イタリア新着 良いものは国境を越える
イタリアワインの新入荷アイテムが入りました。
これまでは高額のアイテムが多かったため入荷検討を見送りしていたフリウリヴェネツィアジューリア州からの生産者です。
ピエールパオロ ペコラーリ フリウラーノ 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/578
ピエールパオロ ペコラーリ アルティス トラミネール 2015 2本
http://aquavitae.ocnk.net/product/579
ピエールパオロ ペコラーリ バオラール 2012 2本
http://aquavitae.ocnk.net/product/580

このワインが造られているフリウリの東部ゴリッツァはちょっとかわった佇まいの町です。
スロヴェニアとの国境に接しているため、町のイタリア側とスロヴェニア側の景色がまるで違います。
イタリア側は以下にもラテン、スロヴェニア側は整然とした旧共産圏の町で二つの政体に分断されていた歴史を感じます。逆に畑は国境など関係なくスロヴェニア側とイタリア側がつながった畑もあり、歴史の流れから離れていいものを作るために個の畑ができたのだと感じられました。

上級キュベ2種類のうちアルティスと呼ばれているほうは、醗酵の初期段階を白ワインですが皮ごと行いますので、その際に皮に付く酵母を取り込めるので酵母の添加が必要ありません。ステンレスタンクでの醗酵、熟成の後にボトリング。メルロは樹齢40年でなめらかな味わいです。

Aqua Vitae
河合
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フランスワインの銘醸産地から新入荷アイテムが入りました。
ボルドーからシャトー シサック 2011。http://aquavitae.ocnk.net/product/571こちらはオーメドックらしさがあるブラックチェリー、カラントなどの肉付きの良い果実とテロワールの持つミネラル感とのバランスがすごく良いイメージでした。
以前のヴィンテージではミネラルの固さが目立つワインでしたが、飲み頃を迎えたという意味ではお買い得のワインだと言えます。

ラ バスティード サンヴァンサン ジゴンダス http://aquavitae.ocnk.net/product/572 。こちらも以前は深淵な色調といつ開くかわからない果実味が特徴となっている地区でしたが、華やかな香り、酸と果実のバランスの良さが抜栓直後から立ち上がるような感じ。インク、なめし皮などがなめらかに感じられ、タンニンが少なめで柔らかい味わいです。

ラングドックからはジュリアン ペイラス。こちらの生産者はモンペリエとベジエの中間あたりに位置し、ビオディナミを実践する生産者。ワインの印象は品種の特性が良く表れ、きれいなスタイルに仕上がっています。
高樹齢のグルナッシュがエレガントで、ピノノワールを思わせる印象でした。
地中海の独自気候、北風を意味する、ロ タラル、ブドウ栽培家、セラファンに捧げるワイン、セラファンhttp://aquavitae.ocnk.net/product/574をぜひお試しください。

Aqua Vitae
河合
http://aquavitae.ocnk.net