2016年7月

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ヨーロッパスタイルの原型が残る土地その2
オーストラリアは世界の中で孤立した大陸ですが、今回紹介するワインを造っている土地もさらに古き良きものが残る場所です。

パイクスワインズ
1878年にイギリスから移住したパイクス家。彼らが選んだ場所は南オーストラリアのクレアヴァレーの東側にあるポーリッシュヒルリヴァー。ここはクレアヴァレーの中でも冷涼で世界屈指のリースリングが造られる場所です。
パイクス トラディショナル リースリング 2015 (白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/442

それからこの冷涼地はオーストラリアのシラーズにとってもよい環境と言えます。
普通シラーズといえば暑い場所で造っているイメージですがダークチョコレートやモカ、シラーズの葡萄が奏でる凝縮感。完熟したプラムやプルーン、ブラックベリーを醸し出してきて口当たりは非常にソフトでリッチ、心地よいフレンチオークのフレーバーが口中に広がります。
パイクス イーストサイド シラーズ 2014 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/457

ヴィクトリア州の冷涼気候、マセドンのパイオニア、エリス家が造るハンギングロックワイナリー。オーストラリア唯一のスキー場があるほどの冷涼地域で造られるピノノワールとシラーズ。とてもシルキーな味わいでテロワール(地味)を感じさせるアイテムです。
ハンギングロック マセドン ピノノワール 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/458
ハンギングロック キャンブリアンライズ ヒースコート シラーズ 2012 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/459

西オーストラリアの代表的な生産地、サーファーのメッカ、マーガレットリヴァーから若さを楽しむディープウッズワイナリーと対照的な熟成感を楽しむスミスブルック。
ディープウッズ アイボリー セミヨンソーヴィニョン 2015 (白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/460
ディープウッズ エボニー カベルネシラーズ 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/461
スミスブルック ネイキッドグレープ カベルネメルロ 2012 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/462
スミスブルック ネイキッドグレープ マーガレットリヴァー シラーズ 2011 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/463

よろしくお願いいたします。
ヨーロッパスタイルの原型が残る土地
海外に行くと、日本国内では忘れ去られたような文化や遺物がそのまま残っていることがあり、そこに係る人たちの知識や作法が日本人以上に鮮明に残されている場面を目にすることがあります。
そういう人たちに話をお伺いすると本当に日本人より良く日本のことを知っている、と感心させられます。
ワインについても同様のことがあります。
今回紹介するワインは、南アフリカのトップのワイン産地といえるステレンボッシュにあるクライン ザルゼという生産者です。
文献によると南アフリカにワイナリーが興されたのは1685年のことです。ワイナリーとしてのクライン ザルゼの名は当時、1695年にステレンボッシュ市の税金徴収書類にドイツ人オーナーの名前とワイン700本分の税額という記録が残っています。
この時代は学校の歴史の時間でも学んだオランダ東インド会社の船がケープタウンに上陸し、オランダ人やフランスのユグノー派の移民が始まった頃です。

現当主、コバス&マリエット・バッソン夫妻は1996年にこのワイナリーを買い取り、地質調査などでこの土地がブドウ栽培に可能性を秘めた地域であるということを再確認し、所有する畑を増やして事業拡大へ舵を取りました。
ステレンボッシュの畑は樹齢が高く、深みのある味わいを持つ果実が、ロバートソンからはフルーツ感やミネラルに富んだ果実が収穫出来ます。 異なるテロワールのブレンドにより、非常に洗練されたワインに仕上がりました。家族経営のワイナリーは昔ながらの製法で、醸造所での介入を最小限に抑えたワインを造ります。味わいのバランスに優れ、色は非常に深い赤色で、ブラックプラムや溶け込んだオークの風味が心地よく広がります。タンニンはきめ細かく、この時期でもさらっと飲めて、飲み頃も長く続きます。

クライン ザルゼ セラーセレクション カベルネソーヴィニョン
http://aquavitae.ocnk.net/product/382
クライン ザルゼ セラーセレクション ピノタージュ
http://aquavitae.ocnk.net/product/381

よろしくお願いいたします。
パンとワイン
今日、日本が今年の世界文化遺産登録を目指している「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本県)について、政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦をいったん取り下げて再提出する方針を固めたというニュースがありました。
長崎の教会群は何度か足を運んだことがありますが、これらの文化遺産の展示物を見ると感じるものだと思いますが、ユネスコが求める世界基準である禁教の歴史と日本のアピールしたいこの時代の東西の交流の歴史、ここにギャップがあったようですね。
歴史の深い部分は専門家にお任せして、こういう話題がでると思いだすのは「パンとワイン」。私はキリスト教信者ではありませんが観光として教会のミサや以前住んでいた地域でのボランティアに行くと聖餐としてパンとワインが振舞われることがありますが、ワインもごく軽い味わいでした、あるいは東ヨーロッパの正教会では甘いワインだったこともあります。パンはその地方によって違うのですが小さいパン、あるいはパンではないウェハース(ホスチア)を貰う、または口の中に入れられることがありました。
よくパンをワインに浸して渡されることもありました。
この時思ったのは、パンとワインのうまい食べ合わせを選ぶことはできないか?!ということです。俗っぽい意見ですが同じ食べるならうまいものがいいに決まってます。
西ヨーロッパのホスチアのようなイースト菌の用いない、例えばサルデーニャのカルタ・デ・ムシカ(楽譜ではありませんよ)のようなパリパリのパンなら塩味が効いているので海の近くの畑で造られるようなミネラルの感じる白ワインかフィノやオロロソのようなシェリーがいいですね。
しかし聖餐用ワインは赤ワインしか見たことがなく、白ワインはなぜ使われないのか?尊血であるゆえの赤ワインであろうかとおもいますが聞いてみる機会がありませんでした。機会があれば尋ねてみます。
あと面白い話だったのはパンにワインを浸して信者にあたえるのはセットで聖体としている建前があるらしいがお年寄りと小さな子供が多いのでぱさぱさのパンだけだと喉に詰まらせる危険があることを危惧してらしいという。
塩味とのワインの相性は使う食材にもよりますが、ぴったりのワインをおすすめいたします。
海を臨んで
東京も梅雨明け間近で夏本番ですね。こう暑いと海に行きたくなりますが、この蒸し暑さは地中海沿岸を思い起こさせます。
こんな日にはランチやまだ日も沈まないうちの早めのディナーにワインを合わせて涼みたくなります。
プロヴァンスのワインは塩味やハーブなどに良く合いますが、日本の魚料理や野菜料理にも共通した味わいがあるように思います。
この地方の出身者でもあり、ノーベル文学賞受賞者でもある詩人のフレデリク・ミストラルはは「パリを見てカシー を見ない者は何も見ていないも同然」とおっしゃっていましたがこのプロヴァンスの景色は暑さを吹き飛ばすような景色が広がり、特にヨーロッパ最高のがけの高さを誇るカナイ岬の景色は最高です。日本の箱庭のような小さな入江が続いています。森の緑、海の青、赤い土のコントラストがなんとも印象深い風景です。
そんなイメージに合わせるおすすめワインがこちらです。

バニョール カシー ロゼ
http://aquavitae.ocnk.net/product/214
バニョール カシー ブラン
http://aquavitae.ocnk.net/product/110

よろしくお願いいたします。
クリュボジョレー再発見
ボジョレーというとヌーヴォーワインのイメージでしょうか。
ヌーヴォーは毎年、日本のメディアでも良く取り上げられる新酒のことがクローズアップされますが、実は熟成されたワインのレベルがかなり高いのです。
クリュボジョレーはボジョレーワインの中でこのブルゴーニュの南部のボジョレー地区の中でも特に優れたワインを生産している10地区に与えられた原産地統制呼称の総称です。
このエリアはリヨンから車で向かうとかなり広いエリアであることが実感できます。
もちろん、ワインもぴんきりですからこの広いエリアの中から、良いワインを選ぶ必要があります。色々な村のワインを試してみましたが、ようやく今回入荷したジュリアン・スニエ氏のワインに出会いました。この生産者は、2008年に若き当主ジュリアン・スニエ氏が32歳で設立したドメーヌ。スニエ氏は20歳からワイン業界に入り、フランスはブルゴーニュ、アルザス、ポルトガル、ニュージーランドなどで経験を積みました。
28歳の時にモメサン社のシルヴァン・ピティオ氏にヘッドハントされて、モメ サンのクリュボジョレーの醸造責任者を任されました。フランスの国内誌、「キュイジーヌ・エ・ヴァン」 という月60万部売れるフランスでNo.1の食の雑誌でフルーリーのトップとして取り上げられるなど非常に高い評価を得ています。
年産1万5千本で、輸出は日本、アメリカ、イギリスで、フランス国内ではマレル、ジョルジュ・ブランなどの星付きレストランが既に目をつけています。
自分で全て管理できる範囲でのワイン造りが理想で、画一化された味ではなく、真にテロ ワールの個性を引き出したものを目指しています。畑設立時に3haを購入し、現在は5ha(フルーリー2.4ha、モルゴン1.45ha、レニエ1.1ha)に拡張しています。花崗岩土壌で、樹齢は45~60年で古木のみです。
ワイン造りは畑での仕事が一番重要であると考え、畑に情熱を注いでいます。全てビオディナミで管理して、薬品、醸造時のSO2は使いません。
醸造は、手積みした葡萄を垂直式プレス機で24時間もかけてゆっくりと行う事によって、
苦味や雑味を出さない工夫をしています。発酵はコンクリートタンクで天然酵母のみで行われます。発酵期間は3週間程度で、10~12ヶ月の樽熟成を行いますが、3年程度使用した古樽を使用しています。樽を使用するのは澱との接触を多くとるために行っています。
まさに職人と言える彼のワインはこれまでのボジョレー、ガメ種から造られたワインのイメージを大きく覆します。
先入観を捨ててお試しください。

ジュリアン スニエ フルーリィ サンスフル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/456
ジュリアン スニエ レニエ サンスフル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/455
ジュリアン スニエ モルゴン 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/106
よろしくお願いいたします。
ワインに缶つま!リニューアル
2016年7月11日 第二百十回配信
暑い夏は食欲不振の季節、そんなときにはワインに缶つま!セットはいかがでしょうか?
内容をリニューアルして、すっきり飲みたい、すっきり食べたいアイテムをそろえました。
ぜひご覧ください。

http://aquavitae.ocnk.net/product-list/96

よろしくお願いいたします。

店長
河合
http://aquavitae.ocnk.net

民族の交差点 クロアチア
東ヨーロッパのバルカン半島は「ヨーロッパの火薬庫」と言われていますがいつの時代も何かが起こります。
最近ではギリシャ問題、シリアやアフリカからの難民問題、いろいろありますね。
そんな地域の一角をなしているクロアチアですがここも周囲の国、古くはフランク王国、東ローマ帝国、オスマン帝国、オーストリア、ハンガリー、そしてユーゴスラビア連邦、社会主義体制によってぶどう造りも大きく影響を受けました。
今回ご紹介するクロアチアの生産者、イロチュキ・ポドゥルミも1450年からぶどう造りを続けていますが、いまのスタイルを確立するのは1991年の独立以降です。
このワイナリーのある東部、スラヴォニア地域は西部のダルマチア地方と違った食文化が育っています。
アドリア海沿岸の地域は対岸のイタリアの影響を受けて料理やぶどう品種などがイタリア由来のものが多くあります。
一方東部のスラヴォニア地方は前述のとおりハンガリー王国の一部であったこともあり、そちらの影響が強いと言えます。ここで造られている赤ワインはスパイスを聞かせたハンガリー料理と合いそうな味わいになっています。
しかし、ここで育つぶどうはドナウ川沿いの豊かな土壌の影響を受けているので白は繊細な味わいながら、ミネラル、酸、果実などの様々な味の要素がうまく混じり合っています。
いろいろな歴史の影響を受けつつもそのバックボーンをうまく表現しているワインと言えるのではないでしょうか。冷えた白を飲みながらその歴史を振り返ると味わいにその裏付けが感じられます。

イロチュキ ポドゥルミ トラミナツ セレクテッド(白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/303
イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ セレクテッド(白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/38
イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ プレミアム(白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/304
イロチュキ ポドゥルミ カピストラン ツルニ セレクテッド(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/39

よろしくお願いいたします。

店長
河合
http://aquavitae.ocnk.net

修道女の造るワイン
 ヴィトルキアーノという町にある、78人の修道女の住む、ベネディクト修道会シトー派の修道院。沈黙・祈祷・精進・労役の厳粛な戒律の下に労働・作業を行い、ワイン以外にチョ コレート、ジャムなどを生産し販売している。モンテファルコのジャンピエロ・ベア氏の勧めで、それまで量り売りしかしてなかったワインを一部ボトリングして販売することにした。畑では ボルドー液以外の農薬は一切使わない有機農法を実践。ワイナリーでは、ブドウ圧搾時に極少量の2酸化硫黄を使うのみで、ボトリングの際には一切使用しない。温度管理も行なわず発酵熟成させ、ノンフィルターでボトリング。ボトル売り用にはより樹齢の古い樹のブドウを使用しています。

そんな修道院の生活を紹介しているサイトがあります。
http://www.trappistevitorchiano.it/index.asp

体に優しいと思わせる味わい、グレープフルーツのような柑橘系の香りから入ってくるミネラルときれいな酸が体に染み渡る。冷蔵庫に入れておいて二日目、三日目も味わいの変化を楽しめます。まさにこの時期のおすすめです。

モナステーロ ディ ヴィトルキアーノ コエノビウム
http://aquavitae.ocnk.net/product/450

よろしくお願いいたします。
理想郷での自己実現 南アフリカワイン新入荷
皆さんの心の中にある古き良き思い出、ここでは味わいの話になるわけですが、以前飲んだフランスワインが美味しかった、しかしそれが見つからない、または価格が上がり過ぎて手が届かない状況に憂いている方は多いかもしれません。もちろん私もその一人です。そしてそんな古き良き味わいに出会うためにフランスを脱出して新天地でその自己実現に向けて努力している方々はたくさんいます。
今回ご紹介する エティエンヌ ル リッシュさんもその一人ではないでしょうか。
1996年に南アフリカのワインランド、ステレンボッシュで家族経営のワイン造りをスタートしました。
ステレンボッシュといえばカベルネがアイコンとして作られています。
今回はお手頃価格のボルドーブレンドとシャルドネが入荷しました。
ル リッシュ リッシェス
http://aquavitae.ocnk.net/product/449
このボルドーブレンドはとにかくコストパフォーマンスがよく、プラム、レッドチェリーの香り、赤果実とオーク樽のニュアンスのバランスがよい。ソフトな口当たりでカベルネの良さも感じますがブレンドの妙があります。

ル リッシュ シャルドネ
http://aquavitae.ocnk.net/product/383
エレガントなシャルドネですが、温度と空気に触れると自然と立ち上がってくる香りと豊かな味わいが印象的。

こんなワインを見つけるとフランスばなれがますます進んできそうなアイテムです。
ラベルや原産地にこだわらず新しい世界のワインに手を伸ばしてみる価値と知らない世界を初めて試すには優しい価格のワインです。

よろしくお願いいたします。
シチリアの東側 イタリアワイン新入荷
昨今の蒸し暑さは南イタリアを思わせる暑さです。とはいえこの暑さは海側だけのものでカラブリアのコゼンツァやシチリアのエトナなど標高の高いところに行くと冬は雪が積もるほどで夏も涼しげです。
そんな場所で造られている代表的なぶどう品種といえばネレッロマスカレーゼ。
諸説ありますがエトナ山ろくを発祥の地とされていて野生品種ともいわれます。テイスティングしてみるとそんな野性味も感じます。よくイタリアのピノノワールと言われますが、個人的な感覚だとそれとは違うような気がします。この付近のテロワール(地味)でもある火山灰土壌を反映しています。色調も凝縮感のあるルビー色、スミレのようなアロマ、なかなかのタンニンと酸を感じます。
山の上で陽射しも厳しい土地で育つこの樹自体は葉っぱをそこそこつけるのでぶどう自体はそれほど過熟するようなイメージでもありません。
そんなぶどうから造られるワインは

ラ カラブレッタ カラ カラ ロッソ
http://aquavitae.ocnk.net/product/451
ラ カラブレッタ ヴィーニェ ヴェッキエ 
http://aquavitae.ocnk.net/product/452

カラカラ ロッソはネレッロマスカレーゼ100%で、収穫年2005、2008、2009年のブレンドです。
ヴィーニェ ヴェッキエは2005年ヴィンテージです。
いずれのアイテムもヴィンテージ的には古めですがまだまだ元気な味わいのイメージです。もちろん長期熟成にも向くタイプですので今飲んでも熟成させても楽しめるアイテムです。

よろしくお願いいたします。