2016年12月

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シチリアは大陸だ
2016年12月30日 第二百六十二回配信
寒い日が続きます。こんな時には暑いところに行きたくなりますね。
そんなときには暑い場所のワインを飲んでイメージだけでも。
今回紹介するのはシチリア島のワイン。シチリアワインはこれまで東側のエリアのワインの紹介が多かったのですが今回は西側、パレルモあたりのワインです。
すでに人気のアイテムになっていますアレッサンドロ ヴィオラの友人、セルジオとルイージがアルカモにワイナリーを持っています。
このあたりは海の恵みを受けた土地で町の雰囲気もアフリカやアラビアを感じます。
そんなところで作られる料理と自然志向で造られ、ぶどう本来の味わいを引き出したワインは自分自身が自然の一部だと感じさせてくれます。

もう一つはアレッサンドロ ヴィオラの兄、アルド ヴィオラが造るシラー。
このエリアは昔からシラー種が造られていますが南仏やニューワールドのシラーとは全く別物の味わい。前述の環境の中に溶け込むようなフレッシュ感が心地よい味わいです。
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/20

当店は年末年始も発送を承っています。お正月にもう一本!というときはご連絡お待ちしております。
よろしくお願いいたします。

味の補填
ワインが食事するために置かれている役割を日々考えています。
食べ物の味わいにワインの味わいを重ねていくのか、食材の味わいを引き立てるようにワインの味をわき役にするのか。
いろいろな味わいの食べ合わせのパターンがあります。
その中で最近よく考えさせられるのは辛味とワイン。
辛味とは具体的には唐辛子。ワインがこれまで入ってなかった料理の世界、メキシカン、トルコ料理、韓国料理、中国料理などがありますがそれらに共通する食材として唐辛子があります。ここにワインを合わせるのは難しいと思われています。
そういう時に参考になるのは地図と歴史。
唐辛子とぶどうが混じり合う地域と歴史を探せば、ペアリングのヒントがあるかもしれません。
原産地は中南米と言われていますが大航海時代にポルトガル人が各地に伝播したことによって、食文化に影響を与えたとされています。
16世紀にはオスマンやポルトガルを経由してヨーロッパに伝わったとされています。
そのルートを見てみるとバルカン半島、ギリシャ、イタリア、イベリア半島の料理にワインと相性の良い唐辛子を使った料理があるように思えます。
これらの地域のワインを試飲した時に共通して感じるのはワインの味わいの中にあるスパイス感。このスパイス感と辛さが良い相性を見せてくれるのではないでしょうか。
南イタリア、ギリシャ、ハンガリーにおすすめがあります。
その中で、南イタリアのカラブリア州のぶどう、ガリオッポを使ったチロ、
 http://aquavitae.ocnk.net/product/35 は地元でも唐辛子を使った料理と良く合わせるシーンに出会いました。
チェリーの果実、なめらかなタンニンと辛さがうまくマッチします。この果実の凝縮感がすばらしく、現地では氷をいれて飲まれていることもありますがそれでも味わいが薄くなる感じがしないほどです。
寒い時は顔から汗が出るような辛い料理を食べたくなる時がありますがそんなときでも方時にグラスを置いてみるのもおもしろいものです。

よろしくお願いいたします。

Aqua Vitae
河合
http://aquavitae.ocnk.net
ロゼワインの定義?!
業界人通しで話をすると、時々、「日本ではロゼワイン売れないなー」
なぜそうなるのか考えてみました。ワインをお勧めするときに、交わされる会話。
「赤にしようか?!白にしようか?!」
「すみません、ワインは赤や白だけではないんです、ロゼもありますが」
「うーん、ロゼってよくわからないな」
この時点でワインの購入の選択肢からすでにロゼは脱落してしまっています。
そもそも、ロゼワインといってもぶどうの品種も様々、製法も様々で、色も限りなく赤に近いロゼもあるし、透明感のあるロゼもあります。
何人かの市井の人々に聞いてみるとロゼワインのイメージというのはポルトガルの某Mロゼのイメージがあり、ほんのり甘くて、安価なイメージ。
ほとんどのロゼが長期熟成をせず、色調と同様に薄いイメージがあるのかもしれません。アメリカでは商品名にホワイトジンファンデルのようにホワイトと付けていることもあります。

しかし南仏などではセレブがヴァカンスのランチにドライなロゼを優雅に飲んでいるイメージがあり、割と高貴な感覚です。
現在の赤ワインはぶどうの皮の色素の抽出技術が発達してしっかりとした赤色になっていますが昔の赤ワインは色調も透明感がありロゼに近かったのです。

プロヴァンスワインなどは見た目と違ってぶどう品種の味わいはしっかり出ているので高級感もあります。
私はお客様にワインを勧めるときに味わいを中心に相性や選択を考えるのでロゼワインを赤ワインのおすすめリストアップに挙げることがあります。見た目の透明感に惑わされず、しっかりした味わいを試して頂きたいと考えております。
プロヴァンスのロゼはブイヤベースなどとも合わせられますので、冬の魚介鍋などともおすすめなんですよ。

また、ロゼワインはアウトドアでも楽しめるイメージがありますので春~夏のスポーツ観戦などアウトドアでも楽しんでほしいものです。

色調、味わい、シチュエーションなど様々なタイプのロゼワインをどう合わせるか、お問い合わせお待ちしております。
よろしくお願いいたします。
クリスマスは魚で。
今年もクリスマスの季節が近づいてきました。あるポーランドに詳しい方々と話をしていました。チェコやスロヴァキアではクリスマスに鯉を食べる話をしましたが、ポーランドでも同様の慣習があるそうです。
クリスマス恒例のBGMにのってテレビに映る映像はそうです、鯉です。
最近は鯉を料理するのは可哀そうという声が高まっていて自分でさばく家庭も少なくなってきているようです。しかし、カトリック教徒が多数派のポーランドではクリスマスは肉ではなく魚を食べるそうなのでこの慣習はなくならないとのこと。
オバマ大統領がサンクスギビングデイに七面鳥を恩赦で開放しているニュースがありましたが、ポーランド大統領は鯉に恩赦を与えるそうで、ヴィスワ川に鯉を放流している映像がありました。
鯉にはもっと広い養殖池で泳がせるべきだとか、鯉に苦痛を与えない議論が良くされているそうです。
しかし、鯉の養殖業者は12月に一番売り上げが上がる時期なのでインタヴューでもかなり張り切っている様子です。
鯉はスープや揚げ物にするのが一般的ですが、この時期でもそこに合わせる白ワインはよく売れそうです。
ホットワイン http://aquavitae.ocnk.net/product-list/102 も併せて販売していますので、
ヨーロッパ風のクリスマスのお食事を計画されているようでしたらぜひご相談お待ちしております。
よろしくお願いいたします。

Aqua Vitae
河合
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世界地図を捨てる。新しいワインのカテゴリ
ワインリストを作成していて、かならず最初にこのワインはフランスワインです。イタリアワインですと、生産国や地方の説明から入ります。
はたして、この説明は必要なのかと思うことがあります。
食文化がグローバル化、特に東京なら世界中の食材が揃う場所であり、様々な味わいが国境という線引きで説明できるのかと。
ぶどう品種も独自性はあるものの世界の移民が苗木を持って、他国でオリジンの品種を植えて、独自の味わいを作り出すということはよくあります。
そしてフランスやイタリアの旧世界のワインメーカーが他国で資本を投下し、新しいブランドを作る。こんなことがここ数年で当たり前になりました。
そうなるとわざわざ何十万も払って高額なワインを飲む価値があるかどうかを考えます。
もちろんその値付けにはバックボーンがありますのでブランドイコール価格というアイテムだけではないので一概には言えません。
他方、デイリーな価格で美味しいワインを聞いたことのない地域で発見することにはまた違う喜びがあります。
やがて、生産地の説明や特徴があまり意味をなさなくなる時代も来るのではないかと思います。
そして、そんなワインをお勧めしていきますので、リーズナブルなワインのお問い合わせをお待ちしております。
スロヴァキア新着情報 言いにくいのは伝わりにくい?!
スロヴァキア語っていう言葉があるんですね。いつもそこから始まるこの会話。
続いて出てくる言葉はスロヴァキア語って、どんな言葉に似てますか?
ポーランド語やチェコ語、ウクライナ語にも似てますねー。
言葉が言いにくいだけで敬遠されることもよくあるのですが、まずは試して見てくださいというのがスロヴァキアのワイン。

白のコルパスはVeltlínske zelené(ヴェルトリンスケ・ツェレーネ=グリュナー・フェルトリナー)50%、Rizling vlašský(リースリング・ブラスキー=ヴェルシュ・リースリング)30%、Rizling rýnsky(リースリング・リンスキ=リースリング)20%というぶどうのブレンド構成、
赤のSvätovavrinecké(スヴァトヴァヴリネツケー)も言いにくいかな。平たく言うとサンローランというぶどうで系統的にはピノノワールの亜種といいます。

このスロヴァキアも小さいながらチェコ、ポーランド、ウクライナ、ハンガリー、オーストリアに囲まれ、様々な歴史の波にのまれたエリア。古くはローマ帝国、ハンガリー王国の一部であり、ドイツ系文化の影響も受けました。1993年まではチェコと一つの国を成していました。
ですから、料理も様々なスタイルの料理があります。ハンガリー料理のようなパプリカを使った料理、西部はオーストリアの影響を受けたカツレツ、ソーセージ、ザワークラウト、チェコの影響を受けた川魚料理、ウクライナの影響を受けたハルシュキなどおいしい食べ物がたくさんあり、それに合わせたワインも多くなってきました。
ここ数年でかなりの進化を遂げているこのエリアのワイン、言いにくいですが試してみる価値はあります。
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/115
よろしくお願いいたします。


Aqua Vitae
河合
イタリア、クロアチア新着情報 注目のアドリア海
ワイン用のぶどうのみならずイタリアの農業における有機栽培で注目を浴びているエリアがアドリア海沿いにあります。
ご紹介するのはプーリアのカステル デル モンテ、アルタ ムルジャ国立公園付近にあるカルペンティエーレ。標高600mの位置にあり、世界遺産カステル デル モンテ城から2km程度はなれたところに本拠地を構えます。
13世紀に神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世によって建築されたお城を中心にさかえたエリアですがこの時代にタイムスリップしたような感覚を受けるエリアです。現地に行ってみると若い人たちがこの地の再生を目指して観光や農業など様々な分野で働いているのをみると新しい文化が生まれるのではと期待させる土地です。
その地で伝統のある品種、ウーヴァ ディ トロイア、ボンビーノ ネロから現代的な自然派スタイルのワインを生み出します。
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/29

もう一つはマルケ州で古くから造られているビアンケッロというぶどうにフォーカスしてワイン造りをしているアグラリア・グエリエリ。
この地は古くからぶどう造りを行っていることが記述されています。ローマの歴史家タキトゥスは第二次ポエニ戦争におけるメタゥルス(メタウロ)の戦い(紀元前207年)について「この戦いのカルタゴ軍の敗因は、戦場だったメタウロ川周辺に漂う白ワインの芳しい香りとその味の虜になってしまったから」と書き記しています。
この地でグエリエリ家がオリーブ、小麦、ぶどうなどトータル的な有機農法を行っています。
ぶどうの味を自然に引き出したそのビアンケッロは注目です。
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/80

クロアチアの首都、ザグレブ郊外のモスラヴィーナで造られるこのエリアにしかないシュクレット種にフォーカスしてワインを造る生産者、ヤンチャール。
完熟時にオレンジがかった黄金色になり、赤みを帯びたソバカスのような斑点が出ることからドイツ語の「斑点」や「朱」を意味するシャーラ(scharlach)が語源となり名前となったと言われています。
味わいもドイツ系白品種のような軽いミネラルがあり、ドイツ文化の影響を感じるクロアチア料理にマッチし、食事に寄り添うデイリーワインです。
http://aquavitae.ocnk.net/product/516

よろしくお願いいたします。

Aqua Vitae
河合
フランス、南アフリカ新着情報
赤ワインの中でもピノノワール種を使ったワインはとりわけ高価なアイテムが多いですね。
しかし、ちょっと週末にエレガントなピノノワールを楽しみたいというリクエストをよく伺います。そこでお手軽に買えるピノノワールを今回は集めてみました。

フランスからはブルゴーニュ地方のジヴリ村でぶどうを造るミシェル・サラザン。
知名度は低いがアンリ四世のお気に入りのワインでもあったように歴史があります。
味わいは固いストラクチャですがアロマは繊細。時間が経つと湧き上がってくるベリーの味わいが変化します。
http://aquavitae.ocnk.net/product/523

南アフリカからは西ケープ州パールを中心としたスワートランドからカイル ダンが造るピノノワール。
フィスト オブ ファンシーは、手頃な価格で、ジューシーで素朴な南アフリカ共和国のピノノワールを飲むという、テーマでJasper Wickensの助けを借りてカイル ダンによって造られました。 ロバートソン地区、マクレガーのぶどうは白亜の土壌で構成されています。 果実は50%の全房で発酵され、50%は古い300Lのバレルで熟成され、18ヶ月後に瓶詰めされた。 その結果、明るい酸味とバランスのとれた非常にジューシーで新鮮なピノノワールです。
http://aquavitae.ocnk.net/product/524

同じく南アフリカの西ケープ州エルギンから2013年がファーストヴィンテージという新しい生産者、ソーン&ドーターズ。高樹齢(35-70年程度)の畑を持つ栽培家と契約しています。ベリーと樽のバランスが上手く取れた味わいです。
http://aquavitae.ocnk.net/product/525
お問い合わせお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

Aqua Vitae
河合
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