2017年12月

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オーストラリア プレミアムワイン少量入荷
オーストラリアの南東部、ヴィクトリア州の海岸沿い、少し東に行けばニューサウスウェールズ、南は南極というバス海峡、自然が豊かなギプスランド。この地域は酪農や放牧地として知られており、年間1000mmの降雨量、深い砂質のローム層を形成しています。この地域ではかつて干ばつの被害が無く土壌の水分が保たれていることを意味し、周囲の湿度がピノノワール・ワインの品質にとって最適の土地と考えられました。海から20キロも離れていないにも関わらず、畑は北東と北西にある丘に守られ強い海風を防ぎ大陸性気候の影響を受けています。その為この地域の日中の温度差は幅広く、夏季においては最大20度。土壌は古代の火山地域であり、ミネラルが豊富、低い粘土含有量を伴った土壌構造のため水はけが良く根は深く張る特徴があります。
フィリップ ジョーンズ氏がピノノワールに魅せられ、10エーカーの土地にそれまで植わっていたカベルネやメルロをピノノワールに植え替え、1984年にファーストリリース。
バスフィリップのワイン作りにおける本質はワイン作りの工程をコントロースすることは「自然の力をあるがままに」ということ。
こんなワインを試してみました。グラスに注いで試した瞬間、オーストラリアワインのイメージはどこかに飛んで行ってしまうほど。まさにオーストラリアいや、南半球ナンバーワンのピノノワールにふさわしい、香り、味わいでした。ワイン評論家、ジェームス・ハリデー氏は「ビロードの手袋をした鉄拳」と表現しましたがまさにガツーンと来ました。ブルゴーニュのグランクリュに肩を並べる複雑さ、なめらかさ、余韻の長さが印象的でした。

バス フィリップ エステート ピノノワール 2014 ¥13000(税別)
少量入荷のため品切れの際はご容赦ください。

ご希望、お問い合わせがございましたらご連絡お待ちしております。

スペイン ラマンチャ 少女の歌声が葡萄を育てる。
スペインのラマンチャ地方、アルバセテの内陸は厳しい気候の土地です。夏は30度以上の高温が続き、冬も氷点下になる厳しい寒さ、雨も年間通じて400mm程度しか降りません。 そんなやせた土地で自然に任せて葡萄を作るコネサファミリー。 有機栽培で収穫量を減らして良質なシャルドネとテンプラニーリョを作ります。 このワインの名前は「ドンセラ」、日本語だと「乙女」意味します。畑に毎日散歩する少女が歌を歌って、その歌を聞いて育ったといわれる葡萄がフレッシュで健全なワインに変わります。 価格も見た目もデイリーなワインですので気軽にお楽しみください。 ファミリア コネサ ラ ドンセラ シャルドネ 2016 ¥1690(税別) ファミリア コネサ ラ ドンセラ テンプラニーリョ 2015 ¥1690(税別) ご希望、お問い合わせがございましたらご連絡お待ちしております。
スペイン アンダルシア 伝統と新しい試み
スペイン アンダルシア州のへレスはシェリーの生産地として世界中に知られています。
その中で伝統を守り続けるボデガと新しい試みを続けるボデガがあります。シェリーの生産者が生産終了、統合を繰り返す中で生きる道のりの模索としてその活動がある訳です。
今回紹介するのはその両端で頑張っている生産者です。
ボデガス グティエレス コロシア
1837年にエル・プエルト・デ・サンタ・マリアに設立。
大西洋にほど近いエル・プエルト・デ・サンタ・マリアの、グアダレーテ川の河口にあります。
当時、ボデガの目の前は港で、世界各地にシェリーを積み出していました。サンタ・マリアの中でも適度な湿気のある場所に位置していますので、地の利を生かしたソフト(ライト)タイプのシェリーが特徴です。小さいながらも、昔からの伝統製法を頑なに守り続けている気骨なボデガです。その伝統的スタイルは幻のレストラン、エル・ブジでもオンリストされていました。

グティエレス コロシア オロロソ ¥2680(税別)
グティエレス コロシア アモンティリャード ¥2640(税別)
グティエレス コロシア フィノ ¥1700(税別)

もうひとつはボデガス ヒメネス スピノラです。現在のボデガの設立は1919年ですが、1729年にはすでにスピノラ家の先祖フェリペ・アントニオ・サルサナ・スピノラ氏が輸出をした記録もある長い歴史を誇る家族経営の造り手です。現在のオーナー、ホセ・アントニオ氏で8代目。極甘口のペドロ・ヒメネスだけに特化した珍しいボデガで、品質最優先のポリシーは量を追求することを許しません。その為、年産一万本に満たないヘレス最小のボデガです。家族協議会と優秀なエノロゴによる品質委員会により、自ら課した厳しい基準に見合う「レベルの高いペドロ・ヒメネスだけをリリースする」というボデガの伝統は受け継がれています。

世界でも前例のない辛口白ワイン「エクセプショナル・ハーヴェスト」
8代目の現当主ホセ・アントニオ・サルサナ氏がワイナリーを継いだとき、自分にできることは何かを考えました。1919年、現在のボデガが誕生したとき、ペドロ・ヒメネス シェリー造りの工程から、祖父はシェリーブランデーを、父はシェリービネガーを造りました。つねづね収穫後に畑に残ったブドウの素晴らしさを感じていたホセ・アントニオは、2010年、「これでシェリーではない、普通のスティルワインを造ったらどうなるんだろう?」と思いつきます。早速、醸造をしてみると、深い琥珀色に輝いたペドロ・ヒメネス シェリーのアロマを放つ、他に類を見ない白ワインが誕生したのです。

摘み残すしかなかった”極上の粒をセレクトして造る「世界にたった一つの白ワイン」
限られた生産設備で品質だけを追求するボデガス ヒメネス スピノラ社のペドロ・ヒメネス シェリーは、量を造ることを許しません。そのため畑にはペドロ ヒメネス シェリーにはならなかった、しかし極上のブドウが収穫されることなく摘み残されます。ペドロ ヒメネス シェリーの収穫から醸造を経た21日後、再び設備が空いてからようやく収穫されるこのブドウは結果的に”遅摘み”となり、類まれなアロマを放つ辛口白ワインとなります。他に例を見ない製法からこれまでテーブルワインに分類されていましたが、その希少性が認められ2013年ヴィンテージよりスペイン王室認定による「ビノ・バリエタル100%ペドロ・ヒメネス」というこのワインだけの呼称が与えられることになりました。
ヒメネス スピノラ エクセプショナルハーヴェスト ¥2890(税別)
ヒメネス スピノラ シェリー オールドハーヴェスト ミディアム ¥3320(税別)

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スペイン 新天地での可能性
リオハのリオハ・アラベサに位置し1985年に3人のオーナーの 共同経営でスタートしたアルタディ。
その活動はリオハにとどまらず新しい可能性がある土地だと感じたらどこにでも畑を作ります。
1999年よりアルタディのホアン・カルロス・ロペス氏とフミーリャのアガピート・リコ氏が共同でヤシの木が立ち並ぶ海岸のあるアリカンテ地方の西端ピノソ村の小さなボデガ、「エル セケ」を作ったり、1996年に新たにガルナッチャ=(グルナッシュ)の可能性を求めナバーラでスタートしたワイナリーが「アルタス」を作りました。
ロバート・パーカーはアルタディを度々『リオハのスーパー・スター』と紹介しております。
またパーカーが選んだ「ベスト・オブ・ベスト」“ロバート・パーカーが選ぶ世界の極上ワイン”でも『世界中のどんなところでつくられているものの中でも、最もエキサイティングなワインである』と紹介されております。
さらに2004年度を代表する18人のワイン関係者「Robert Parker’s Wine Personalities of the Year」にも選ばれたこともあります。
そして最近では、スペインを代表するワインガイド「ギア・ペニン」の最新2014年版でプレミオ・ボデガ・デル・アニョ(最優秀ワイナリー賞)を獲得しました。
プレミオ・ボデガ・デル・アニョとはすなわち、2014年版に掲載された約2140ワイナリーの頂点に立ったことを意味します。

エル セケ モナストレル アリカンテ ¥2300
アルタス ガルナッチャ ブランコ ¥2300
アルタス ガルナッチャ ティント ¥2300
アルタディ テンプラニーリョ リオハ ¥2300

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スペイン イエクラ 古い葡萄の樹から作られるワインを気軽に。
2017年12月09日 第三百四十五回配信
スペインの南、地中海沿いにあるムルシア州のイエクラには古いモナストレルという地元品種が植わっています。古い樹齢の価値について語られることがなく普段のみのワインに混ぜられて売られていたため、玉石混交のワインがたくさん存在します。このイエクラはスペインでは唯一ひとつの街からなる原産地呼称地域である意味閉ざされたエリアといえます。現地に行くと夏は40度以上、冬はマイナス5度以下というまるで月面を思わせる地域でそこで作られたワインは以前、アルコール度数の高いワインが作られ野性味あふれる味わいでした。
ここで15世紀から作られるモナストレルという品種はフィロキセラというブドウネアブラムシの大量発生により、改植や栽培の改善が進み、味わいも変化しました。
その中でいかにもスペインの前衛的なワインを見つけました。
モナストレル、メルロから作ったワイン。パニックボタンというワイン。裏ラベルの説明を見ると、「退屈なキャンプ、魚のかからない釣り。そんな緊急事態に遭遇したらこのワイン。ひとたびボタンを押すと(キャップを開けると)モナストレルとメルロのフルーティーな香りが雰囲気を一変させることでしょう。」と書いてあります。このボタンをおすと周りの状況が一変してパニックするわけですね。非日常を演出したい前衛的芸術だと思います。
ボデガス アントニオ カンデラ パニックボタン DOイエクラ ¥1270(税抜)

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フランス ロワールワイン 渓谷の真ん中で。
フランス北西部、ロワール渓谷の真ん中で。
中世を思わせる修道院や建物など落ち着いた雰囲気、渓谷とはいえだだっぴろい畑が広がる。その中にコトー デュ ジェノワという小さな生産地域があります。この地域は名城地サンセール地区に隣接。ここはロワール川沿い、東西に延びていて、その東端にあるので、シャブリと隣接しています。
この位置づけで土壌の性質が共通したキャラクターを見ることができます。キンメリジャン、シレックスという、世界屈指と謳われるミネラル豊富な石灰質土壌に由来する、ドライで軽い柑橘系の味わいが大きな魅力です。このきれいな酸とハーブ、シトラス、ミネラルのニュアンスは日常の食卓に上がる和食にもよいコンビネーションを見せてくれることでしょう。赤はピノノワールとガメのブレンドでサラダ、ポークなどの白いお肉、魚料理、チキンと冷やし目でサービスすることをお勧めします。
フロリアン ロブラン コトーデュジェノワ ブラン クーレ デ ムーラン 2014 (白) ¥2720
http://aquavitae.ocnk.net/product/250
フロリアン ロブラン コトーデュジェノワ ルージュ シャン ジヴォ 2014 (赤)¥2720
http://aquavitae.ocnk.net/product/695
ワイナリーを廻って試飲して、時々おいしい食事して時間が止まるような大きな街ではできない休暇が過ごせます。味についてのコメントというよりリラックスさえてくれるその雰囲気を醸し出す助けをしてくれます。この田舎っぽい落ち着きが体とこころのメンテナンスをしてくれるでしょう。ただし5kgくらいの増量は覚悟のうえで旅立ってください。
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