2017年11月

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イタリア トスカーナワイン 伝統を守り抜く決意。
2017年11月29日 第三百四十三回配信
イタリアのトスカーナ、イタリアのシエナとペルージャの中間にあるヴィノノビレという生産地。エトルリア人が支配した王国を倒したローマ人との闘いで最も血が流された場所。その地で作られたワインは昔からの変わらない味がします。決して血の味はしません。赤のプルニョーロジェンティーレも白のトレッビアーノも感銘を与えてくれました。ドーラ フォルソーニとパトリツィア カスティリオーニさんの断固たる決意がわかりました。
古くから植わっている葡萄をどのように育てるのかを学び、何世代にもわたって蓄積されたノウハウで仕事を続けます。考え方もクールな物言いですが、それとは対照的にカンティーナに広がる畑ではガチョウや鶏が楽しそうに道を横切ります。
発酵のときに発生する音は彼女には歌に聞こえます。Bloop,bloop,bloop
シエナの曲がりくねった丘は昔闘いがあったとは思えないくらい静かな場所でした。
若い果実、しっかりしたタンニン、シャープなミネラルはすでに味のバランスが完成されています。
これは5年後にはどうなるのかいまから想像してもすばらしい結果を迎えると思われます。

ビアンコ http://aquavitae.ocnk.net/product/694
ロッソ ディ モンテプルチャーノ http://aquavitae.ocnk.net/product/653
ヴィノノビレ ディ モンテプルチャーノ http://aquavitae.ocnk.net/product/654
ご希望、お問い合わせがございましたらご連絡お待ちしております。

カリフォルニアワイン 昔のスタイルが残っています。
久しぶりにカリフォルニアのワインを紹介します。
今年のカリフォルニアのブッシュファイヤーはナパ、ソノマのワイナリーを直撃し、大規模なエリアの延焼を見せました。山火事は毎年発生しているのですが今年はワイナリーの被害が深刻なので特に日本でも注目を集めています。復旧についてアメリカは寄付や抜群の行動力があるので経過を見守りたいと思います。
さて、今回ご紹介するのは西側にあるサクラメントのさらに西側、カリフォルニアの州境、ネヴァダ州の砂漠に近くのシエラフットヒルズというエリアのワインです。
イメージでもわかると思いますが暑いのです。雨が降りません。その中でちょっと昔のローヌスタイルでワインを作っている生産者がいます。
テール・ルージュ・アンド・イーストン・ワインズ。
カリフォルニア、ベイエリアで20年余りに亘ってワインショップを営んでいたビル・イーストン氏は、フランス、ローヌと南仏地⽅のワインの魅⼒に取りつかれ、⾃らワイン造るべく、80年代半ばにアマドール・カウンティ、シェナンドア・ヴァレーに”テール・ルージュ・アンド・イーストン・ワインズ”を⽴ち上げました。
畑はシエラ・ネヴァダ⼭脈を背に、シエラ・フットヒルズ内の4つの地区 (プレイサー、エル・ドラド、シェナンドア、カルカヴェラス)にまたがり、多くの畑が標⾼300m以上に位置しているため、⽇中と夜間で気温差が⼤きく、内陸部の⾼い気温のもとでも豊富な酸味が保持されます。
プレミアムレンジの多くは年産600ケース以下の少量⽣産で、 その多くは樹齢30年以上の古⽊のブドウから造られます。 ⼀般的に、シエラ・フットヒルズのワインは鉄分と野性味を帯びた ⼟っぽい⾵味を持つといわれますが、 テール・ルージュの⼀連の⾚ワインは⽣⾁と上品なスパイシーな⾵味を備え、バランスのとれた調和 的な味わいが特徴です。 シャトー・ヌフ・デュ・パプを模して造られる“ロートル”は、樹齢60年以上のグルナッシュを主体とするGMSブレンドで、セラーで2年間 の瓶内熟成後にリリースされる、ワイナリーのフラッグシップ。価格は本家よりもリーズナブルです。
世界中のワインを試しているとワインだけではないですが、海外の移民の土地では古いスタイルをそのまま保持していることがよく見られます。昔の教えを真面目に維持しているからです。
そんな懐かしい味を試してみたくなったらぜひ以下のアイテムをどうぞ。

※テール ルージュ テット ア テット ¥2980
シラー44%/グルナッシュ29%/ムールヴェードル27%

※テール ルージュ シラー レ コート ド ルエスト ¥3230
シラー主体、ヴィオニエ

※テール ルージュ ロートル ¥4420
グルナッシュ73%/ムールヴェードル14%/シラー13%

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フランス南西部のワイン ピレネーの聖なる土地から生まれるぶどう。
2017年11月21日 第三百四十一回配信
ピレネーの中腹に小さなぶどうの生産地があります。日本ではダルタニャンと三銃士で有名な、ベアルン地方です。個々の中心の町はポーというアンリ4世が生まれたお城がある街です。このポーの郊外、オロロンサントマリーに挟まれ、南はタルブ、聖母が現れた泉で世界から巡礼者が訪れるルルドのあるエリアです。
ここではガスコーニュ地方固有のぶどう、グロマンサン、プティマンサンというぶどうがメインに作られているエリアです。これらのぶどうは甘口ワインやアルマニャックなどを作るために育てられていました。これらのぶどうは通常の収穫期よりも一か月ほど遅らせて果実味を凝縮させたぶどうを仕上げます。貴腐ワインも作られ、これらは北にあるボルドーのソーテルヌに並び称されるレベルのワインを作ります。
この土地から辛口に仕立てたワインをジュランソンセックといいますが、キャラクターがしっかりしたワインに作られ、レモンやライチ、白や藤色のばらの花のような香りが特徴です。
これらのワインをフォアグラ、鴨のコンフィ、カスレ、プール・オ・ポ、ガルビュールなどの暖かい鍋と合わせるとよいコンビネーションとなり、寒くなるこの季節におすすめです。
寒い季節にちょっとぜいたくな組み合わせで気持ちも暖かくなります。

Domaine Clos Lapeyre - ドメーヌ クロ ラペイル
ラペイル AOP ジュランソン セック
葡萄品種:グロマンサン
元々は協同組合の果樹園で、ブドウ以外にも様々な果物の栽培や家畜の飼育をする、この土地で伝統的な家族経営の農家だったが、1985 年に全てをブドウ栽培に専念。
このあたりの気候は穏やか。標高が高いため、昼夜の寒暖差は非常に大きい。栽培はビオロジック農法。
2005 年にカリテ・フランスの認証所得。春に畑を耕し、土に酸素を送り込み、深く根が張るようにする。 醸造は伝統的な手法。ワインはブドウ畑から造られるという考えの下、醸造は最小限の手を加えるだけ。果実味を活かすタイプのワインを作ります。

Domaine Capdevielle ドメーヌ カプドヴィエル
ジュランソン セック プリーズ オセアンヌ
葡萄品種:グロマンサン70%、プティマンサン30%
1947年創業。1993年より現当主Didier Capdeville(1970年生)3代目のオーナー醸造家。ジュランソン村の中でも標高350mほどの高所にあるドメーヌ。年間生産量は50000本。輸出は生産量全体の5%ほどで、ほとんどが地元のレストランやワインショップで飲まれています。

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Aqua Vitae
河合吾朗
ロワールワイン ロワール川沿いにはブドウ栽培の天才が生まれる土地がある。
秋が深まるころにはワインがおいしくなり赤ワインが良く出る時期ですが。ロワールの厚みのある白ワインもまた秋の味覚によく合います。
その中で今回おすすめするのはジョー・ピトン氏。
以前「Domaine Jo Pithon」としてワインをリリースしていました。ビオロジックで栽培を行い、バリックでエレヴァージュを行うという最高品質のワインのみを造り出すために、シュナンブランとカベルネフランのみが植えられた条件の優れた区画を耕作していました。その後、ドメーヌの品質は多くの知る所となり、1994年12月に「Revue des Vins de France」誌(以下RVF)の選ぶ「今年のヴィニュロン」に選定されると、フランス内外を問わず、その名は広く轟くこととなりました。
しかし、以前は最大14haほどあった畑の契約が終了し、返却を余儀なくされ、残った畑とともに信頼のおけるヴィニュロンからブドウを購入する形でワイン造りを再スタートしたのが、今回ご紹介する「ピトン・パイエ」です。
彼はぶどう栽培、ワイン醸造について確固たる信念をもっています。それは、彼独自の哲学ともいえるほどです。
ワイン造りにおいては、活き活きとした酸を持ち、12.5~13.5度(最高でも14度)とアルコール度数が高すぎず、畑のテロワールをそのまま表現したワインを造り出すこと、この地域では通常は糖度が14~15度まで上昇し、時おりブドウに貴腐がついてしまうことまであり、結果として肥えた重いワインが出来上がる傾向にあるの ですが、この哲学に則って過熟したブドウや貴腐のついたブドウを収穫するのではなく、彼の理想である「適度に熟したブドウ」を収穫しています。
ジョーさんは、次のように言います。 「ビオワインを造りたいのではなく、土地の個性を表現したワインを造りたいのです。そのためには、きちんとした畑仕事をする必要があり、その方法がビオロジーだったのです。酵母や肥料も人為的に加えるものは使いません。同じワインになってしまいますから。」

 NVクレマン ド ロワール ブリュット ド シュナン(白・泡)¥3060(税抜)
ノンドゼ、シュナンブランのジュースを加える。

アンジュルージュ モザイク(赤)¥2380(税抜)
カベルネフラン

アンジュブラン ボンヌブランシュ¥3150(税抜)
シュナンブラン

グロロロー¥2040(税抜)
グロロ

ブルグイユ グラヴィエール¥2980(税抜)
カベルネフラン

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新着ワイン試してみました。
新着ワインを食事とともに試してみました。

スペイン リオハ
トリニダッド・デル・コンデ・デ・エルヴィアス
テンプラニーリョ100%。3つの畑の3タイプの土壌から収穫したブドウを使用し、アメリカンオークとフレンチオーク樽で1年間熟成。
コンデ デ エルヴィアスのカジュアルバージョンだがファーストのカカオ、凝縮感のある果実の存在感があり普段の食事、または食後の一杯で満足感を与えるのに十分なアイテム。

スペイン ヴァレンシア アリカンテ
ラファ ベルナベ ムシカント 2016 
色調はロゼだが、味わいは赤。自然を感じさせるがオレンジワインというほどかまえるほどではなく普段の食事に何げなく寄り添う。

イタリア プーリア州 サレント
フェウディ ディ グアニャーノ ディエチ アンニ マルヴァジアネーラ サレントIGT ロッソ 2016
イメージよりも意外にきれいなイメージ。南のワインだがフレッシュさ、酸のおだやかさがうまくバランスをとる。10年をかけて地場品種を復活させただけの成果はあるような気がする。

フランス ルシヨン
アルレタ マリ ルージュ 2014
アルレタ レサカ ブラン 2014
力強さが底なしに感じられます。抜栓してから何日たってもへこたれない。このワインはあと10年寝かせてから試したい。白は樽がまだまだ強い。

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イタリア&スペイン新着 試してみました。
新着ワインを食事とともに試してみました。

イタリア ヴェネト州
モンテ ディ ロアリ ソールティ フリッツァンテ NV (白・スパークリング)¥1610
ウチに着いたら一杯目に飲みたいフリッツァンテ。マルヴァジアの優しいリンゴ酸が支配する。ジュース感覚で楽しめます。

スペイン カスティーリャ イ レオン州
ロドリゲス サンソ トラス ラ イエスカ 2015(赤) ¥1610
スペイン西部のポルトガルに程近いトロで作られたワイン。以前は色調もクロに近く、ヘビーなスタイルのワインを作っていた土地でしたが、近年は味の要素が複雑に感じられます。
東のヴァジャドリーは白の名産地ですがこちらは赤の名産地。ぶどう品種はテンプラニーリョですがここではティンタ デ トロと呼ばれます。確かにテンプラニーリョとは違うニュアンス。

スペイン カスティーリャ ラ マンチャ
エセンシア ルラル パンパネオ アイレン ナトゥラル 2016 
通常のミネラルのきいたアイレンとは違い、酒精強化ワインのニュアンスがあります。果実の厚みの印象があり、食後に楽しみたいワイン。秋の夜長にゆっくりやりたいワインです。

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Aqua Vitae
河合吾朗