2015年10月

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イタリアの東となりにスロヴェニアという小さな国があります。日本での認知度は非常に低いのですが、この国はなかなか注目の国であると思います。
スロヴェニアはもともとユーゴスラビア連邦の一部を成しており、1991年のソヴィエト崩壊と同時にユーゴから離脱、連邦解消を行いました。GDPは連邦の中で最も高く、共産圏の中で2007年に最も早くEUに参加しています。
過去様々な国に支配されながら忍耐強く、自国の文化を守りました。特にウィンタースポーツ、ウォータースポーツ、登山、耐久性が要求されるエンデュランススポーツが強いことでこの国の国民性が伝わります。

話をワインのほうに移すと、この国のワインは大きく分けて、西のワインと東のワインに分かれます。
西のワインは地形的にもわかると思いますが、イタリアの影響を受けた地域で品種、嗜好はイタリアワインに似ています。ノヴァ・ゴリッツァあたりでは育てたぶどうをイタリアに売り、そのままイタリアワインとしてリリースしていた時期もあります。
一方東のワインはマリボル、プトゥイなどで造られていますが、ここまで来るとイタリアワインの影響はなく、ドイツの影響を感じます。ブラウフレンキッシュ、リースリング、トラミナー、ピノノワールなどの外来品種が多かったのですが、古典的な造りを感じました。
ノンフィルターのせいか、ぶどうそのものをかじっているような錯覚に襲われる味だったともいえます。ピュアなぶどうの味しかしなかったので造ってる人もまじめなんだろうなと思いました。また、ここに戻ってきたいと思いつつ、帰国しました。

日本でもこういうワインを扱いたいなあ、と思って帰国後、探してみたのですが、なかなか出会うことはありませんでした。日本に入ってきているスロヴェニアワインはプリモルスカのワイン、イタリアンなワインばかりでした。
地元での試飲の時に聞いてみると、「ここらあたりの生産者はみな小さいところばかりだから国外に売る生産者はいないよ。」なんてことを言われたのでしょうがないか、とも思っていました。
機会があれば自分で輸入してみたいと思いますが、それは当分先の話でしょう。

スロヴェニアではありませんでしたがクロアチアの内陸部、ハンガリーとの国境付近、スラヴォニアのワインがそれに近いイメージでしたので在庫しています。

イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ セレクテッド(白)
イロチュキ ポドゥルミ トラミナツ セレクテッド(白)
イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ プレミアム(白)
イロチュキ ポドゥルミ カピストラン ツルニ セレクテッド(赤)
ぜひ、お試しください。

よろしくお願いいたします。
日本にはイタリアレストラン、イタリアワイン、イタリア食材などなどイタリアを肩書きにした商売がたくさんあります。
でも、具体的にイタリアのイメージって何でしょう。古代ローマとかラテンとか芸術とかグルメとか歴史の長い地域ですからいろんなものが想像できますね。

でも、今ある「イタリア」すなわち、イタリア共和国は1946年、第二次世界大戦が終わって、国民投票で共和制に移行し、まだ69年しかたっていない、世界史の中では比較的新しい国なのです。

そして、国として成熟しているかどうかといわれると、個人の感想ではそうとは言えないような気がします。ましてや州単位で文化も違うし言葉もちょっと違うように聞こえますね。イタリア語は、トスカーナ方言を基礎として標準語が作られたのですから、長靴の国の先では全く違う言葉が使われていても不思議ではないですね。

ワインの話でも当然同じことが言えます。各州のパスタの形状が違うように、地元品種も実に様々で中には同じクローンのぶどう品種でも呼び方が変わったり、生産者が違うぶどう品種だと思い込んで育てていたものが実は同じだった、とかよくあることです。
筆者も経験があるのはメルロ種だと紹介された畑の中に、熟すのが遅いぶどうが混じっていて、実は葉の形をよく見てみるとカルメネール種が混植されていたり・・・とか、地元品種がブームになると、それまで植えていたカベルネソーヴィニョン種などの外来品種を引っこ抜いて、知らない間に植え替えられていたり・・・と日本人の発想ではなかなか追いつかないイタリア人のアイデアを垣間見たことがありました。

ということで、実に様々な種類のワインがあり、その中で何を選択するかということが筆者自身の課題にもなっています。
よくお客様にイタリアワインのアイテムがもう少し多ければ・・・とご意見を賜ることがありますが、全州、全種類の品種をそろえることは小社では今のところ、ちょっと難しいと思われます。
それよりも、お客様の嗜好や、マーケット、イタリアの食材などを見極めて、選択していかなければ収拾がつかなくなってしまいます。

品種などの独自性を追求するか、日本人のなじみのある、見るだけで安心できるアイテムを選ぶか、ここは対局に位置する部分であるかと思われます。
そんな中で独自の品種でも自身で試飲を重ね、価格もお手頃で日本の食卓のどのシーンにそのワインが入っていけるかをイメージできたものからピックアップしていこうと思っております。

ですから、いまのところ、ワインリストには地域的に偏りもあります。足りない品種もあります。
自身の経験からこれはオリジナリティがある!と思って紹介しても、お客様の心に届かなければ誇りもかぶってしまうワインも過去にはありました。大事なのは勧める側と勧められる側に共通するビジョンがないとダメかと実感しております。
少しずつバラエティは広げていく予定ですが、その過程には慎重になっております。
逆にお客様からの問い合わせやリクエストがあればリストにない商品も取り寄せもできますし、今後の選択基準にも自身にとって良いヒントになるでしょう。
そんなご意見をお待ちしております。
ワインを選ぶ基準のひとつとして、産地や畑の格付けなどをチェックされる方も多いと思います。
特級畑、一級畑、AOC、DOCG、などなど。
素朴な疑問として、特級畑の隣の畑で何の格付けもない畑というのも良くみられるのですが、畝を挟んで向こう側とこちら側何が違うのでしょうか?
ぶどう造りというのは天、地、人、全ての自然の要素が関わってくるものです。
天、地、すなわち気候、地形、地質のことですが、大気、天候、地形、地質については連続性のある一連の流れがあります。しかしそれぞれが相関し、変化しています。

天候は地形によって変わります。大気が山にぶつかり雨を降らせ、山を越えると乾燥した空気を流します。川や海を越えると湿潤になります。
大気は常に変化し、特級畑でも悲観的な天候をもたらし、格付けなしの畑でも素晴らしい天候をもたらすこともあります。近年の急激な天候不順でよく見られるようになりました。

これまでぶどう造りの北限とされていたところを越えてぶどうが造られることもみるようになりました。ベネルクスや北欧でも実際にワイン造りが始まっています。

地質はプレート移動などの地震で断層などが発生することもありますが地層や地質は連続しています。
特級畑の隣の格付けなしの畑でも実はポテンシャルを持っている畑はずいぶんとあるものです。
例えば、ボルドーには格付けシャトーというものが存在しますが、コート・ド・ボルドーなど格付けなしの家族経営の小シャトーの中に注目すべきワインもあります。
ほかにもブルゴーニュにはモンラッシェ村の隣にサントーバン村があり、ここの白ワインはシャサーニュモンラッシェに隣接し、いくつかの一級畑があるものの味わい的にはピュリニ・モンラッシェにも勝るとも劣らない。以前は価格も安く、コストパフォーマンスが良く、筆者も「隠れピュリニ・モンラッシェ」などど名付けておすすめしたものですが、今ではすっかり価格が高くなり、もはや日常楽しむワインではなくなってしまいました。

人による影響もずいぶんあります。
造る人の情熱やビジネスの背景によって、造られるワインにもずいぶんと違いが見られます。ある畑では無農薬で畑の手入れも行き届いている区画があっても、その隣で農薬をまき散らかしていれば、ビオディナミの畑でも意味のないものになっていることもあります。
こうしてみると人のつながりも大気や地質と同様に連続性のあるものだと感じます。
ここに著したことはほんの一例で多種多様な連続性によって様々な影響があるので、その本質を見るには実際に行ってみて、そこで人と話してみてみないと見えないものがあります。
筆者自身も多少その経験があるので、飲み手にフィードバックして、あまり聞かない原産地だが良い環境で育てられたワインをご紹介していきたいと思います。
日本人に最もなじみのあるワインはフランス産のワインでしょうか。
フランスは行政上一つの国となっておりますが、実際に地方に行ってみると同じ国の中でも違う国に来たような錯覚にとらわれる時があります。

フランスの文化圏、言葉でいうと大きく分けてラングデュイユとラングドックという二つの言語圏が南北に分かれています。
しかし、フランス国家は歴史的に早い段階で、言語政策をまとめてきた国ですからもちろんどこに行っても標準フランス語が普通に通じます。
人間の文化というのはモザイクのようですから簡単に意思疎通の方法が統一できるわけもなく、そんなフランスでもいろいろな言葉が見られます。
周りの国の影響もありますからベルギー、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリスとの中間的な言葉も存在するわけです。

ワインと食文化も同じことが言えると思います。ぶどうを醸造して、熟成段階前のブレンドの段階で生産者と醸造責任者が味を決定するわけですが、その地方に暮らす人々の食生活の嗜好に合うワインの味にすることは想像に難くないと思います。各地方に様々なスタイルのワインが存在します。
また、大きなメーカーですと、インターナショナルなマーケットを見据えて、万人受けする味わいにするでしょう。

そんな中、今、筆者が注目しているのは南フランスのラングドックです。
南フランスはボルドー、ブルゴーニュと違ってフラッグシップとなるべき生産地、生産者がまだ見当たらないような気がします。
ボルドーならポーイヤック、マルゴー、グラーヴ、サンテミリオン、ブルゴーニュなら、シャンベルタン、モンラッシェなどの格付けがあります。
南フランスはグランヴァンの格付けもなく、広大な土地のせいか、まだまだ日本のマーケットにとって未開の地域といえるのではないでしょうか。

同じ南フランスでも東部のコート デュ ローヌ地方ですが、90年代~2000年代初頭のローヌはボルドー、ブルゴーニュを凌駕する生産者、AOCが台頭していましたが、その後AOCを拡張したせいか、近年の天候不順のせいか、そのレベルの落ち込みぶりは残念でなりません。ブラインドテイスティングしてもAOCの特性がはっきり見られない、すぐに香りや味が開いて、どの国の飲み手に尻尾を振るかわいい子犬のようです。これはあくまでも個人の感想です。

西部のラングドックでも、同様にフラッグシップと言える地域はまだないような意識ですが、フィトーやコルビエールなど歴史、優良な環境、土壌を持ちながら、日本ではまだまだ認知度が低いと言えるかもしれません。ラングドックで有数のメーカー、ジェラール・ベルトラン氏が日本でプロモーションをやった時もその点では苦労していたように見えました。
彼は元ラグビー選手でしたので親近感もあり、応援もしたのですが、その後、成果は出たかどうか。

逆説的にとらえると、南フランスのワインは認知度の低い、リーズナブルなワインの中にグランヴァンのポテンシャルを兼ね備えたワインがたくさんあるということです。

当店ではそんなモザイクのように入り混じったワインの中で、これはと思う探し当てたワインをそろえています。

http://aquavitae.ocnk.net/product-list/15

ぜひお試しください。
スペインは世界最大のぶどうの作付面積を誇っています。2015年の統計データでは2位が中国だということも意外でしたが。
話を元に戻して、そんなスペインなので生活の位置づけの中にも深くワインが関わるという想像は難くないかもしれません。
しかし、意外にワインの価値が認められ、生活に根差したのはそんなに昔の話ではないような気がします。
確かに、ぶどうの栽培が始まったのは、紀元前1100年頃に、フェニキア人、カルタゴ人古代ギリシャ人がワインをもたらしたとされています。
中世になってイベリア半島がイスラム勢力に支配されると一応、飲酒が禁止され、レコンキスタを待ちました。その後もワイン造りは再開されるも、イングランド輸出のために造られていたので、品質もイングランド人の嗜好に合ったものが造られていたでしょう。
そのころのワインはへレス、マラガワインやモンティージャのような甘口、酒精強化ワインが主流でしたから、今のスティルワインとも味わいも少し違ったものだったでしょう。
19世紀にはヨーロッパはぶどうの病気が蔓延したころにフランスへの輸出がメインになります。当然スタイルはフランスの、特にボルドースタイルに似た味わいのワインが作りだされました。ラ リオハのワインなどがそれに似たスタイルでしたがボルドーの醸造方法を伝えたというわけではなく、その製法はリオハの伝統スタイルといえるものでした。
19世紀後半~20世紀には産地偽装やフランコ体制でのスペイン内戦などでワイン造りにとっては厳しい冬の時代が続きます。
1975年のフランコ体制が終わり、民主化されてからようやくワインが根付き始めた実感が出来てきます。
ワインの価値についても同様に、19世紀後半に流行したフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の流行以降、接ぎ木をすることによって回復しましたが、そのフィロキセラ禍を逃れた高樹齢のぶどうの樹が多く存在することの認識すらなかったようですので、生活、ビジネスにワインが密着したのは1990年代後半からだろうという実感があります。
ビジネスの才覚があるカタルーニャ人たちがプリオラート、ペネデスでスーパースパニッシュを作りだし、ピエ・フランコ(接ぎ木なしのぶどうの樹)のバリューを世にアピールしました。しかし、私たち一般市民にはとても普段飲めない高額なワインになっています。
一方、筆者自身の経験でもありますが、普通の市民がバルで飲みに行くと安いが、水に色がついたようなワインを飲んではしごするといった感覚でした。
近年では若い生産者たちの努力により、その差がだんだん埋まりつつあり、安くともコストパフォーマンスの良いワインが見られるようになり、地元品種のアピールなど地方の特性も出てきました。
そんなアイテムを当店では探し続けていきます。

おすすめワインは
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/38
ポルトガルの文化は日本にとって近いようで遠く、遠いようで近い。
歴史的にみると、1543年にポルトガル人が種子島に漂着して以来、日本が西洋に触れて460年以上立っています。
その後、様々な西洋文化が日本にもたらされたことは日本人ならほとんどは知っていると思われます。しかし、パン、コップ、ボタン、タバコ、シャボン、こんぺいとう、カステラなどの言葉がポルトガル由来であることを知っている日本人は多くはないかもしれません。
人間は身近にありすぎるとその存在感を忘れることがありますが、ポルトガルはその後、オランダ、イギリス、フランス、アメリカなどに西洋文化の交流の主役を奪われ、大航海時代から衰退の一途をたどります。

ワインについてもポルトガルの代表的アイテム、ポルト、マデイラが西洋の食文化の変遷の中でその存在が消えつつあります。食事の後は、チーズ、デザートと酒精強化ワインと葉巻がソムリエさんによってカートで運ばれてくるシーンは日本でも見る機会が減りました。

本国、ポルトガルでもポルト、マデイラといった酒精強化ワインからスティルワインへの路線変更を余儀なくされ、辛口ワインの出荷がメジャーになりつつあります。
その流れを受けて、これまでぶどうの生産がメジャーでなかった地域でもワインが作られ、ポルトガルは新しい文化の流れを見ることができます。
首都リスボンから南部ではこれまでワイン造りをメジャーにした生産者さん、農家さんを見ることが少なかった。オリーヴオイルとコルクガシ、花崗岩でできた山での鉱山産業を見るくらいだったが近年、ワイン産業、観光産業が台頭しているようです。

そして、葡萄農家さんを見ると、1980年頃の小麦からぶどうへの転換が見られ、ワイン産業が近代化されました。新産業の先端を行っているかと思いきやそういうわけでもありません。アンタン・ヴァズ、アリント、ペルム、リシア、アラゴネス、カステラン、トリンカデイラといった聞いたこともない地元品種が主力となっています。
その味わいは広大なアレンテージョですから様々ですが、太陽がさんさんとあたっていて完熟したぶどうは山のミネラル分を吸収して、しっかりした味の骨格を形成しているのでしまりのある味わいです。山の向こうの国境の反対側、スペインの名産でもあるハモン・イベリコが山のこちら側、つまりポルトガルでも名産品となっています。割とよく聞かれたのはポルトガルでは100%どんぐりしか食べさせてないということですがこの信ぴょう性はよくわかりません。
この、なめらかで濃厚な生ハムに寄り添うのがアレンテージョのワインで、すっきり飲めるのが日本人の嗜好にも受け入れられるだろうと思われました。
現代の日本ではポルトガルの存在がやや薄くなった感、身近ではなくなった感はありますが、遠くとも嗜好や感覚が相通じると思わせる瞬間があります。

そんな感覚をぜひ試してみてください。
pt-ale-0001-ntr モンテ ダ ペーニャ モンテ ダ ペーニャ レセルヴァ ホワイト 2012(白)
pt-ale-0002-ntr モンテ ダ ペーニャ モンテフィーノ レッド 2008(赤)
pt-ale-0003-ntr モンテ ダ ペーニャ モンテフィーノ レゼルヴァ 2005(赤)
pt-ale-0004-ntr モンテ ダ ペーニャ レゼルヴァ レッド 2003(赤)

よろしくお願いいたします。
最近のニュースで注目していることがあります。イランの核開発問題でイランと国連安全保障理事会常任理事国(米英仏中露)にドイツを加えた6カ国が7月にウィーンで最終合意した「包括的共同行動計画」が発効されるということです。
これに伴い、今年末から2016年1月にかけてイランの経済制裁が解除されます。
そうなると人、モノ、お金が動き出し、経済活動が活発化します。話を聞いてみるとそれまで日用品はほとんど国産ばかりでイラン国内の在住者は外国製品の購買意欲があふれているようです。

ワインについては一見関係がないような気がします、イランはイスラムの国、イスラムではお酒は禁忌なものですからワインとも関係ないように思えます。実際にイラン国内でも飲酒しているシーンはほとんど見ることはできないでしょう。

イランはワインの起源の一つだともいわれています。
イラン北部で紀元前4000~5000年の居住跡からワイン醸造の形跡が発見されています。ぶどうについても野生種が黒海、カスピ海周辺、チグリス、ユーフラテス川上流地域で自生していることから、その起源のだという説の一つとして有力な説と言われています。
ワインの国際品種、シラー(ズ)種はイラン中部の大都市、シーラーズが起源と言われ、いまも生産されているようです。イラン革命以降はワインを飲むことはできなくなったようですが、シラー種のもつスパイシーな味わいはケバブなどイランの料理にも良く合いそうです。
また、イランの有名な四行詩、オマル・ハイヤームのルバーイヤートにもワインについての記述が沢山見られます。
ワインの起源をたどると、イランの料理にワインの組み合わせの新しい発見があるかもしれません。
また、当ショップの国産ワイン、丸藤葡萄酒工業さんの取り扱いアイテムにもルバイヤートシリーズがあります。
日本との交流が進み、イラン、ペルシアの食文化の融合が進んでいけば新しいアイデアが出てくることに期待しています。
イタリア文化会館主催、第2回「フォスコ・マライーニ賞」受賞セレモニーにご招待する機会を頂きました。http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo

1930年代に来日、日本人の生活から見える自身の視点から日本文化を独自の学問を確立させたフォスコ・マライーニ氏を冠にした賞です。対照的に審査されるのは日本語でイタリア文化の研究を発表した作品に贈られます。

今回の受賞作品は東京大学教授、池上俊一先生著作、「公共善の彼方に―後期中世シエナの社会」http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0765-8.html
が受賞されました。

この受賞セレモニーはフォスコ・マライーニ氏のお孫さんがおじいちゃんの思い出を語ったり、終戦直後の日本で研究を続けるビデオを上映されたりと興味深い内容でした。

この日一番印象に残ったのは、池上教授のスピーチです。
池上教授は西洋中世史がご専門で、この本を20年かけて完成されたそうです。
当時はパリに滞在していたそうですが、休暇を利用してイタリア、トスカーナのシエナに滞在する機会があり、そのたびに環境、生活、周りの人たちの温かさに触れ、その魅力にひきこまれていったとのことでした。

シエナは一度しか訪問経験がありませんが、イタリアはシエナだけではなく町のメインストリート以外にも路地の中に入ると通りにテーブルを並べたオステリアやタベルナが並んでいて、その中に自分のお気に入りとなる料理を見つけることが良くあります。
イタリアは今では一つの国ですが、州ごとにまるで独自の国であるかのようにその地方特有のチーズ、サラミ、パスタ、主菜が存在します。
店主も肩ひじ張らずリラックスで話しかけてくれるので緊張感なく、ちょっと傾いたテーブルでのんびりと食事をした記憶があります。
食材も限られたものしかないことが多いが、店主が自信をもってとっておきの食材をすすめてくれるから、はずれがないことが多かった。
やはり、こういうところでごはんを食べる一番の動機となるのはテーブルを中心とした空間や空気が大事なんだと思わせてくれて、まさしく池上教授のお言葉の「シエナに惚れてしまって…」という言葉に頷いてしまいました。
もちろん、当店でも扱っているワインもその空間を彩るピースの一つにならなければいけなくて、価格やワイン単体の味の評価だけではなく周りのピースとのつながりが大事だと思っています。

もう一つ、心に残る言葉がありました。
「研究者の言葉をわかりやすい言葉で伝える・・・」
というくだりです。
これは私自身にも言えることです。ワインを取り巻く関連語句は消費する人たちにとってはなじみのない言葉、わからない言葉が案外多いのだと思いました。それを多用することなく、わかりやすい言葉で飲み手の気持ちにうまく伝わる努力を続けなければならないと改めて自身に問わなければいけないと感じさせていただきました。

そういえば、池上教授のスピーチはこの時トークした人の中で一番、出席者の笑いをさそっていたなあ。

店長は関西人だけにもっとトークを磨かないと、と反省した次第です。

この日はいろいろと勉強になることが多い一日でした。

トスカーナを始め、イタリア食材に合うワインもたくさん取り揃えております。
リストにない商品でも、こういう食事とワインを合わせたいなどのお問い合わせは大歓迎です。
よろしくお願いいたします。
最近、気候がだいぶ冬に近づいてきました。寒くなると思いだすことがあります。
筆者はしばらくの間、フランス南西部のラングドック地方、スペイン北東部のカタルーニャ地方に滞在した経験があります。
その時に生活のルーティンとして外国語の勉強をすることにしていました。
フランス語、スペイン語ですが、それ以外に当地にはカタルーニャ語が存在します。
カタルーニャ語はフランス語やスペイン語に似ているかと言われれば、同じラテン語族で日本語よりは似ているということですが、フランス語やスペイン語とは全く別物です。
スペイン語はカステジャーノ、フランス語はオイユともいわれ、カタルーニャ語はオック語で大陸の言葉と結びつくというよりも、地中海周りで話されている地域が多いです。
南フランス地中海沿岸のプロヴァンサル語にも近い言語ですし、遠く離れたイタリアのサルデーニャ島北西部のアルゲーロ市などでもカタルーニャ語は話されています。

そんな三つの言語が複雑に混じり合う土地であたまがごちゃごちゃになりながら、コミュニケーションをとり、なんとなくわかり始めたころ、あるツアーのお手伝いをしました。
そのツアーの通訳は英語を媒体としてコミュニケーションをとろうとしていましたが、パリやリヨンでもあるまいし、こんな片田舎で英語も通じるはずもなかろう、思いつつ、サポートしているとフランス語ができる人助けてというサインが出ました。
これに対してどう応えてあげればいいのか、コミュニケーションはできるけど通訳はできないという理屈は通じるのか。

話すこと、書くこと、通訳、翻訳、は違うものと思っていたからです。

通訳は発信される人が使うボキャブラリをあらかじめ詰め込んで、発せられた言葉を逐次変換していく作業ですから、その方に関わる情報を知る必要があります。そんなボキャブラリもない私でしたがたまたまワイナリーの案内だったので知っている言葉もありましたが、予備知識もなく、前述の3つの言語が混じり合う土地でガイドの知りうる言葉を必死で変換しました。それを気遣ってくれたガイドさんも丁寧に話してくれたのも幸いしましたが、通常は言葉に詰まると、この日の仕事はすべて失敗だ、という表情をされるのがおちです。
通訳サービスの仕事は、お客様を迎えるホスト、ホステスのようなもので99%うまくいっても1%の落ち度ですべてが台無しという、報われないことも多い仕事だと思います。
そして、通訳が終わるとまるで空気のように何事もなかったかのようにその存在は消えてなくなります。
自身の少ない通訳体験ですが、それがおわるといつもぐったりしてしまいます。
テレビで見る同時通訳、逐次通訳の方は本当に尊敬に値する仕事をされていると思います。
ですから、ラングドックでのコミュニケーションフォローはいつも強烈な緊張と印象が残っているのです。
当然、そんな場所で刷り込まれたワインの味わいはいまでも忘れることができません。

ブラックベリーの果実味が後を引く味わいのレベルが日々進化していき、「フランスやスペインのニューワールド」と呼ばれ、フランスでも最も注目すべき地方になっています。

当店ではラングドックやカタルーニャのワインもたくさん扱っております。
ぜひ、お試しください。
よろしくお願いいたします。
ワインと食事との相性について検証しました。
毎日の日本人の食卓にワインボトルが置かれるために、普段飲みワインと普段の食事の相性についていろいろ調べています。今回はクロアチアの白、イロチュキ、トラミナツ、グラシェヴィーナ プレミアム、フランス、カオールの赤、シャトー ポー ド ラングル カオールをテーマにしてみました。

シャトー ポー ド ラングル カオールはフランス、ボルドー南部のカオールで造られるワインでもともとボルドーのデイリー版ワインを目指して造られたワインが多かったのです。品種も以前は色調がほぼ漆黒でタンニンの骨格もしっかりしたタナ種などを中心でしたが、今のカオールはメルロ種、マルベック種とよりなめらかさを追求したスタイルに変わっています。このワインもヴィンテージは2011年ですが、抜栓直後はまだ果実味、アルコール分の揮発もまだまだ若々しく、ほんとうにぴちぴちした魚のようでした。
しかしながら時間の経過とともにタンニンの骨格は崩れることなく、果実味も落ち着いた様相を見せてきました。メルロ種のなめらかさとマルベック種のプルーンのような果実の凝縮感のバランスの良さが分かるようになってきました。

これは日本のデイリーな食卓で言うと赤いお肉との相性が良いと思いますが、醤油や出汁ベースの魚、野菜の煮つけでもイケます。この日は牛肉の切り落としとごぼうを焚いてみましたが煮詰めた醤油ベースのだしに溶け込んだ牛肉の脂が良い相性を見せました。

今度は白ワイン2種類です。
クロアチアのイロチュキ トラミナツとグラシェヴィーナ プレミアムです。
まずは、トラミナツですが、こちらの品種はもともとイタリア、アルトアディジェ地方で育てられたトラミナー種だとのことで、そのイメージで香をチェックしてみました。
確かにトラミナー種の甘っぽい凝縮した果実の香りが漂います。しかし、味わいはトラミナー種よりもより、シャープなミネラルときりっとした酸が目立ちました。トラミナー種はボリュームのある果実味が印象に残る味わいです。しかしトラミナツ種はクロアチアの土地から来るテロワール(地味)の影響が大きくその味わいを支配していると感じます。

グラシェヴィーナ プレミアムはグラシェヴィーナセレクテッドよりも果実が詰まっている印象ですが、やはり、テロワールの味わいがきちんと表現されています。味わいもより高貴な印象ですので大ぶりのグラスで試していただくことをお勧めいたします。

こちらの白は野菜の繊細な味わい、青さや苦味などとも良い相性がありますが、この季節の日本の食卓をイメージすると、さんまやいわしなどの青魚とあわせるのがいいと思いました。白身はもちろん、ワタのほろ苦さにもうまく寄り添います。
ぜひ、お試しください。


よろしくお願いいたします。
これまでぶどうの産地を世界地図で見てみると北緯30~50度、南緯20~40度の気候帯の中で育成され、フランス、イタリアなどの西ヨーロッパの旧世界に対してその他の国が新世界のワインと区別されてきました。
しかし、皆様がご存知のように地球温暖化、急激な気候変動により、その地図は塗り替えられようとしています。
近年はこれまでワイン産地としては聞いたことのない国々でワイナリーが造られ、葡萄が生産されて来ています。そして、これまでのワイン生産国でも特定の地域で見たことのない品種が植えられ、私たちのこれまで持っていたワインの常識には当てはまらないワインが登場してきました。

例えば、イギリス、歴史上ではフランス同様、修道院でワインを作っていたのですが宗教改革で時廃れていましたが、現在ではイングランド南部で生産が盛んになってきています。生産の概念もワイナリーというよりもオーチャード、すなわち果樹園としていくつかの農作物や酪農の製品の一つとしてワインが造られているイメージがあります。以前、フランスやスペイン、ポルトガルにとってのワインの取引先がイギリスであったことを考えると地産地消の概念でワインを造っていてもおかしくはありません。また温暖化によるぶどう生産の北限が上がってきていて、シャンパーニュのメーカーがイングランドに土地を購入している話も聞きますし、そのシャンパーニュ地方でぶどうを造る生産者に話を聞いてみると、
「温暖化でシャンパーニュが造れなくなったらどうするのか?」「その時は赤ワインをメインに作ればいいだけだよ。」とあっさりと言ってのけたのには驚かされました。

そのほか、ベルギー、オランダ、デンマーク、ポーランド、タイでワインが造られ、評価が高まっていることにも注目です。
ベネルクスやデンマークではヴィンテージビールなどの熟成させたアルコール類をよく見ますが、その原材料がぶどうになっただけの概念で造られている印象があります。
デンマークはイングランド同様、これまでの消費者側としての地産地消のアイデアがあったのは当然のなりゆきかもしれません。
ポーランドはポーランド南西部のルブスキエ地方だけで造られています。この地方はドイツの影響をうけていて宗教が影響を与えているようです。

タイは土壌、気候、マーケットを見てぶどう生産環境が作りだされた歴史があるようですが、おもしろいのは、タイ料理とのマリアージュ。
日本人の普通のイメージからするとワインとタイ料理の相性の良さは程遠いものに思われますが、全体的に辛みの強さを控え目にして、ワインとの相性を意識すれば合うようです。
タイ料理の味わいはレモンの酸味、ソースの甘味が素材をまろやかにする料理が多いので、
香菜やナンプラーもその組み合わせのイメージの中で調理していけば相性の良いワインは見つかると思われます。

南半球ではアルゼンチンのパタゴニア地方の砂漠地帯、リオグランデ周辺で造られるピノノワールが有名になりつつあります。
ブラジル北東部ペルナンブコ付近でもワイン産地が増えてきています。以前上映された、モンドヴィーノでもそのレポートがありましたが、「ココナッツでワインを造るのか?」といったセリフが出てきたように、消費者が想像できなかった場所でワインが造られています。

その映画の中で、フライングワインメーカー、ミッシェル・ロラン氏が、「月面に人類が住み始めたら、私がワインを月面で造ろう。」と言っていたことが現実になるかもしれません。

最初のテーマでは気候の変動に伴ってワイン産地が変動しているという考察から色々な国のケースを見てきましたが、こうしてみると、ワイン地図の変動の原因は気候ばかりとは言えないようです。人のアイデアやマーケットによる影響も多いですね。

筆者の経験ではタイではありませんが、パリや南仏でベトナム人の知り合いが出してくれたベトナム料理とフランスワインを合わせたことがあります。
ベトナム料理にとってフランスのバゲットは必須アイテムですから香菜や魚醤の効いた生春巻きとワインがすごく自然に合わせ、おいしく頂いた記憶があります。

これまでの概念をやぶる小さなチャレンジをおウチの食卓で行ってみるのもおもしろいのではないでしょうか。
2015年10月10日 第百七回配信

最近、テレビのニュースでは農産物の輸入協定に関する交渉、いわゆるTPP交渉の話題が世間をにぎわせています。
しかし、内容を見ていると消費者にとって恩恵があるかどうか?という疑問が出てきます。
もちろん、交渉国相手は自国が有利になるように働きかけているのですから綱引きはそううまくいくはずもありません。
US、オーストラリア、ニュージーランドあたりのワインに輸入価格が抑えられ、安くなるような宣伝文句を見ますが果たしてそうなるのでしょうか?

関税がゼロになる期間が8年ほどかかるようですが、現在、日本はワインに対して、15%又は125円/Lのうちいずれか低い税率を適用している。この割合を8年かけて撤廃しても、消費者にとってお値打ち感があるものかどうか、わかりません。

一方、国内生産者の中には海外から葡萄液やワインをバルクで輸入して、瓶詰、ブレンドして出荷しているところもあり、恩恵を受けるメーカーもでてくるでしょう。それは大手メーカーで、中小規模の生産者にとっては一応、死活問題となるようですが、ワインはその土地の地味を表現するものですから、基本、その土地のワインはそこでしかできないというオリジナリティを売りにしているので、被害がすぐに出るとは思えません。

USAのワインはもともとかなり高価なワインが多く、少しずつ値下げされる可能性があってもそれほど、お値打ち感はないかもしれません。最もドルの為替レートが急変すれば、関税分の価格は吸収されてしまうかもしれません。

そんな中で筆者が注目しているのはチリ、カナダ、オーストラリアです。
チリワインは2007年以降、関税引き下げと同時に輸入量も増加しています。2019年4月からは関税がゼロになるようです。質も向上しており、以前、輸入アイテムは大手メーカー10社の寡占状態でしたが、ストーリーとオリジナリティのある小規模生産者の入荷も増えてきて、チリワインのイメージが変わりつつあります。

一方、このチリワインの急速な関税引き下げ効果を背景にEU諸国に交渉を迫り、兵糧攻めを画策する日本政府の思惑がうまくいけば、ヨーロッパのワインの価格にも値下がりの兆しが出る可能性もあります。


オーストラリアワインは近年、急激な気候変動による、収穫量減少、価格の高騰などでセレクトするワインが難しい印象ですが、関税が段階的に引き下げられれば、日本のマーケットの中で生き残るアイテムが出てくるでしょう。

カナダはTPP交渉に正式参加して、これからというところですが、ワインのレベルは近年上がっておりますので、価格が見合えば、すばらしいコストパフォーマンスのワインが増えてくることが予測されます。

ワインの価格決定の条件は関税だけではなく、為替レート、輸送費(燃料費)が大きく影響してきますので、この決定がすぐに価格に影響を及ぼすとは言い切れません。

消費者の立場としては購入の際の選択肢が多くなりますが、価格に惑わされず、味わい、飲むシチュエーション、食事とのマリアージュを考えて、これはという一本を選ぶ情報を持って、購入していただきたく思います。
スペインから地中海の太陽をいっぱい浴びたワインが入荷します。

sp-val-0001 ヴェラ デ エステナス プリマムボバル 2013 \1,590
このワインが造られている場所、ウティエル・レケーナはバレンシア地方から西へ内陸に入ったエリアです。標高は平均700メートル。この地域の最大の特徴は地元品種のボバル種です。ここで栽培される葡萄品種の75%がボバルで、この品種を使った赤ワイン、ロゼワインが造られています。このボバルの聖地といえるウティエル・レケーナ地域を代表する7生産者がそれぞれのボバルを持ち寄って造ったのがプリマムボバルです。ワインの醸造、瓶詰はヴェラ・デ・エステナス社が行います。
ラベルには点字にてワインの説明が書かれています。ブルーベリーやスミレ、煮詰めた苺と、凝縮したフルーツの香り。果実感が非常に豊富にありながらも、上品でピュアな印象があり、全体のバランスが非常によく取れています。

sp-cat-0005 ロナデレス ヴィン イ レジェンデス 2011 \2,340
(こちらの商品は現在まだ通関が切れていませんので10月15日頃の入荷を予定しています。)

ロナデレスはカタルーニャ地方、バルセロナ南部のタラゴナ、プリオラートに本拠地があります。この生産者は2002年から小さい家族経営を始め、内陸のモンサンの山の中に畑を持っています。
カタルーニャワインの特徴になっているモダンスタイルの味わいとラベルはもちろんのこと、最新技術を投入してワインを造り、畑はビオディナミを実践しています。
このヴィン イ レジェンデスは地中海ブレンドともいえるガルナッチャとカリニャンのセパージュですが、12カ月のオーク樽発酵で焼いたトースト、ビスケットのようなアロマ、ブラックベリーのジャム、バニラエッセンスの風味でなめらかな味わいが楽しめます。

よろしくお願いいたします。
ご好評頂いておりましたクロワチアワイン、イロチュキ・ポドゥルミの新しいアイテムが入荷します。

これまで取り扱っていましたアイテムはグラシェヴィーナ セレクテッドという、クロアチアの地元品種、グラシェヴィーナ種の白ワインでした。
こちらのワインの特徴は白い花の香りにみずみずしく熟したリンゴと柑橘類の味わい。自根ならではの伸びやかな酸とミネラル。地元の料理、パプリカのシチューや川魚などの相性が良く、クロアチアのワインらしいイメージでしたのでこちらを取り扱っていました。

今回入荷するのは、
cr-slv-0004 イロチュキ ポドゥルミ トラミナツ セレクテッド 2013 \1,870
cr-slv-0003 イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ プレミアム 2012 \2,260

の2アイテム。
最初のトラミナツ(traminac)はイメージできるかもしれませんが、いわゆるトラミナー種です。創業者のオディスカルキ氏がイタリアのアルトアディジェ地方のトラミン村から1710年に持ち込んだそうです。元々、オディスカルキ氏はこの地方出身の家系だったそうですが、この品種がクロアチアとセルビアの国境あたりの気候、土地との相性の良さを見て導入を決めたそうです。現在はこの品種はクロアチアを代表する品種になっています。
試飲した感想を言いますと、イタリア、アルトアディジェのトラミナー種は高地で日照量も多く、色調も黄色っぽく、トラミナー種の白桃のようなフルーツの香り(もちろん味は辛口ですが)がしっかり主張しますが、クロアチアのトラミナー種はやや控えめな印象。でも弱いのではなく、香りと味の主張はしっかりあります。イタリアとクロアチアの食文化の違いかと思わせます。イタリアのトラミナー種はかなり良いお値段ですのでコストパフォーマンス的にもお買い得です。

グラシェヴィーナ プレミアムとグラシェヴィーナ セレクテッドとの違いは、プレミアムは特定の畑で造られた熟度の高いぶどうを完全に手摘みで収穫します。そのぶどうをステンレスタンクにて12カ月とセレクテッドよりも長めの熟成期間を経て出荷されています。そのため味わいはとても凝縮した香りでトロリとした舌触り。果実の鮮度、エレガントさと共に力強さと長い余韻が感じられます。

ちなみにクロアチアワインにも格付けがあります。

1.stolno vino(ストルノ・ヴィノ) テーブルワイン。国内の複数の生産地のブドウをブレンドしたものと、原産地表記付きのものがあります。

2.kvalitetno vino(クヴァリテートノ・ヴィノ)高級ワイン。政府が指定する統制保証原産地産の高級ワイン。統制保証原産地は12地域あり、そのうちの一地域で造られたもの。

3.vrhunsko vino(ヴルフンスコ・ヴィノ)/最高級ワイン。政府が指定する12地域の統制保証原産地をさらに細分化した66地区のひとつまたは隣接した地区で造られたもの。

4.prdikatna vina(プレディカートナ・ヴィノ)/最高級ワインのうちブドウ成熟度が高いもの。
・kasna berba(カスナ・ベルバ)/遅摘み
一般のものよりブドウの成熟が高くなるまで待って摘んだもの。アルコール濃度の高めなことが多い。
・izborna berba(イズボルナ・ベルバ)/選別摘み
「遅摘み」のなかから更に選りすぐりのブドウから造られたワイン。

今回新入荷のトラミナツは2のクヴァリテートノ・ヴィノ(高級ワイン)、プレミアムはヴルフンスコ・ヴィノ(最高級ワイン)の位置づけとなっております。
これらを飲み比べるのも面白いと思います。
よろしくお願いいたします。
最近は日本のラグビーがワールドカップを舞台に盛り上がっておりますが、そのきっかけとなったのが世界ランキング2位の南アフリカを破ったことから始まりましたね。
それとは別に南アフリカワインをたくさん試飲する機会がありました。
以前の南アフリカワインのイメージはコースタルリージョンとよばれる、海の影響を受ける畑に太陽がさんさんと降り注ぎ、完熟し、酸のしっかりしたぶどうから造られるワインのイメージでした。
その味わいは完熟した(過熟した)ぶどうから感じられるメトキシピラジンと言われる香りを持つ物質を多分に感じ、グレープフルーツやピーマンの青い香りを感じるワインが南アフリカ酸のワインのイメージを作り出しておりました。

報道からの情報でここ数年のヴィンテージから南アフリカワインは変わったということで多分にチェックしておりました。改良のあとは見られるもののこれがヨーロッパのワインに並ぶほどのレベルになるかどうかはまだ疑問の余地がありました。

しかし、今回試飲したワインについては目を見張る改善のあとが見られました。

まず、共通していえることは味がシルキーでピュアであるということです。
雑味を感じず、ストロベリーとブラックベリーの中間のような重すぎず、タンニンや酸が果実の味の主張の邪魔をしないアイテムが多かったように思います。

ピノタージュやシラーはスモーキー、スパイシー、きのこのような土っぽいアロマ、酸、渋みが抑えられ、ピノタージュというよりほぼピノノワールのようでした。
ブルゴーニュでいうとボーヌあたりのピノでしょうか。

南アフリカのワインはこんなことになっていたのかとただ感心させられるばかりでした。

生産者の方々もとてもフレンドリーに接してくれました。
「このワインはまるでボルドー、サンテミリオンのすばらしいワインを思わせますね。」
「ウチのワインはサンテミリオンの格付けワインの価格の半分ですよ。(笑)」

やっぱり、ワインのキャラクタは人柄がでるものだ、と思わせました。
彼の畑はステレンボッシュに含まれますが、フランシュック側の山間部にあり、冷涼感のあるなめらかな味わいでした。

南アフリカのワインをたくさん紹介したいのですが、まずは、この赤の3本から。
sa-str-0002 フュールバーグ リザーヴ 2011 (ステレンボッシュ)\2980
sa-tul-0001 ライクス ピノタージュ リザーヴ 2011 (タルバッハ)\5780
sa-tul-0002 ライクス シラーズ リザーヴ 2010 (タルバッハ)\4680

これらのワインは今試してももちろんおいしく楽しめますが、長期熟成の可能性も感じさせるストラクチャーの良さもあると思います。

これまでにないピュアな味わいなのでそのまま飲むだけでも楽しめますが、土地柄や食事のマリアージュを考えなければなりません。いろいろアイデアが出てきて悩むほど、どんな食材でも合いそうな感じです。
南アフリカでも食文化も多様化されています。その一端を垣間見る場面は、南アフリカのテーブルでこれまで見なかった様々な民族のソムリエを見る機会が増えたのがとても興味深く感じました。

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