【Wine shop Aqua Vitae】 変わりゆく南アフリカ

最近は日本のラグビーがワールドカップを舞台に盛り上がっておりますが、そのきっかけとなったのが世界ランキング2位の南アフリカを破ったことから始まりましたね。
それとは別に南アフリカワインをたくさん試飲する機会がありました。
以前の南アフリカワインのイメージはコースタルリージョンとよばれる、海の影響を受ける畑に太陽がさんさんと降り注ぎ、完熟し、酸のしっかりしたぶどうから造られるワインのイメージでした。
その味わいは完熟した(過熟した)ぶどうから感じられるメトキシピラジンと言われる香りを持つ物質を多分に感じ、グレープフルーツやピーマンの青い香りを感じるワインが南アフリカ酸のワインのイメージを作り出しておりました。

報道からの情報でここ数年のヴィンテージから南アフリカワインは変わったということで多分にチェックしておりました。改良のあとは見られるもののこれがヨーロッパのワインに並ぶほどのレベルになるかどうかはまだ疑問の余地がありました。

しかし、今回試飲したワインについては目を見張る改善のあとが見られました。

まず、共通していえることは味がシルキーでピュアであるということです。
雑味を感じず、ストロベリーとブラックベリーの中間のような重すぎず、タンニンや酸が果実の味の主張の邪魔をしないアイテムが多かったように思います。

ピノタージュやシラーはスモーキー、スパイシー、きのこのような土っぽいアロマ、酸、渋みが抑えられ、ピノタージュというよりほぼピノノワールのようでした。
ブルゴーニュでいうとボーヌあたりのピノでしょうか。

南アフリカのワインはこんなことになっていたのかとただ感心させられるばかりでした。

生産者の方々もとてもフレンドリーに接してくれました。
「このワインはまるでボルドー、サンテミリオンのすばらしいワインを思わせますね。」
「ウチのワインはサンテミリオンの格付けワインの価格の半分ですよ。(笑)」

やっぱり、ワインのキャラクタは人柄がでるものだ、と思わせました。
彼の畑はステレンボッシュに含まれますが、フランシュック側の山間部にあり、冷涼感のあるなめらかな味わいでした。

南アフリカのワインをたくさん紹介したいのですが、まずは、この赤の3本から。
sa-str-0002 フュールバーグ リザーヴ 2011 (ステレンボッシュ)\2980
sa-tul-0001 ライクス ピノタージュ リザーヴ 2011 (タルバッハ)\5780
sa-tul-0002 ライクス シラーズ リザーヴ 2010 (タルバッハ)\4680

これらのワインは今試してももちろんおいしく楽しめますが、長期熟成の可能性も感じさせるストラクチャーの良さもあると思います。

これまでにないピュアな味わいなのでそのまま飲むだけでも楽しめますが、土地柄や食事のマリアージュを考えなければなりません。いろいろアイデアが出てきて悩むほど、どんな食材でも合いそうな感じです。
南アフリカでも食文化も多様化されています。その一端を垣間見る場面は、南アフリカのテーブルでこれまで見なかった様々な民族のソムリエを見る機会が増えたのがとても興味深く感じました。

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