2017年5月

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熟成したネロダーヴォラを楽しむ。
イタリアの南部の熟成したワインを楽しむイメージを持つ方はまだまだ日本には少ないですね。
イタリア南部のワインは凝縮した果実、穏やかな酸で早めに楽しむワインが多いからだと思います。
今回はこちらの二本を試飲してみました。
アルモーザ クルマ シチリア 2008 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/37
アルモーザ シクリス シチリア 2009 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/36
果実は穏やかですが以外にタンニンの骨組みはしっかりした印象。細身ながらまだまだ力強さを感じます。
畑に含まれるトゥファ(「石灰華」、炭酸カルシウムの塊状沈殿物)と、石灰、砂のテロワールの影響がしっかり表現されています。
お手頃価格の古酒、なかなか興味深い試飲でした。
クルマは2008年が残り1本で2010年にヴィンテージが替わります。
ぜひお試しください。
日本の食卓にヴィーニョヴェルデ
今回リリースしたポルトガルワイン、二種類のヴィーニョヴェルデを実際に普段の食卓に挙げて比較試飲してみました。
アデガ デ モンサオン ブランコ ヴィーニョヴェルデ
http://aquavitae.ocnk.net/product/502
ヴァレ ド オーメン ブランコ ヴィーニョヴェルデ 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/501

アデガ デ モンサオンの方は一言でいうとミネラル。スペイン、ガリシア地域のアルバリーニョ種と比べて柑橘系、オレンジやシトラスがさらに優しい。アルバリーニョにブレンドされているトレイシャドゥーラのレモンのようなアロマがミーニョ地方のワインに独特の感性を与えます。
日本のダシや醤油との相性もいいと思います。

ヴァレ ド オーメンは柑橘系の香りに加えて桃や、白い花を感じます。これは単独で食後でも楽しめます。
春野菜のしっかりした苦味や青さとのバランスもよい。穏やかな味わいですが塩味の濃い目の味付けとでも負けません。ローレイロの品種の特性もありますが、内陸部のブラガで造られているぶどうは気候が海の影響をモンサオンよりも受けないイメージです。

同じエリアでも違うぶどう、違う地域の差による味わいの違いをお楽しみください。

以上
よろしくお願いいたします。
イタリア新着 イタリアといえば
これまでのイタリアワインといえばトスカーナのキャンティ、ヴェネトのヴァルポリチェッラで近年は新鮮さに欠けるイメージでした。しかし、近年ではそのイメージが変わりつつあります。
この古くて新しいワインの生産スタイルやブレンドが変わりつつあるのはもちろんのことですが消費者の欲する味わいもまた変わってきたと言えるでしょう。
料理も現代風に変わるにつれてその周りのピースも変わる。当然の流れと言えます。
久しぶりにその変化を感じてみたくなったらぜひお試しください。トスカーナのヴィラ カルチナイアは1524からの伝統ある生産者。しかしそれも時代に合わせて変化しているのを感じることが出来るでしょう。

ヴィラ カルチナイア カッポーネ キャンティ クラシコ 2013(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/618
ノヴァイア ヴァルポリチェッラ クラッシコ 2015(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/616
以上
よろしくお願いいたします。
ポルトガル、スペイン新着 涼しいポルトガル、涼しいスペイン
イベリア半島と言えば暑いイメージですが涼しい場所もあります。
半島の北西部、ポルトガル北部のブラガに拠点を持つ、キンタス・ド・オーメン、スペインとの国境を流れるミーニョ川沿いにあるモンサオン。
この地方は雨の日が多く、ぶどうも棚作り、住居も高床式になっています。8月の真夏ですらひんやりとした空気を感じるこの地でつくられるぶどうはこの地の気候に対応する地元品種。
これらは柑橘系、白い花を感じ、すっきりした味わいで暑い日でも食欲も高めてくれます。

ヴァレ ド オーメン ブランコ ヴィーニョヴェルデ 2015
アデガ デ モンサオン ブランコ ヴィーニョヴェルデ
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/124

アルタスは古いぶどう畑です。忘れ去られた葡萄畑に1996年、私たちはナヴァラの歴史的ワイン地域への最初の進出を行いました。私たちのブドウ栽培地域は、粘土石灰質土壌で、気候夏は乾いて暑く、冬は寒く湿気が多い場所。
この気候を反映した凝縮感ある果実味ときれいな酸が印象的です。
アルタディ アルタス ガルナッチャ ナヴァーラ 2014(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/617
以上
よろしくお願いいたします。
フランス新着 夏の涼し気なワイン
パリの南西部、シノンはロワールにあるぶどう生産地です。この地域に流れるロワール川沿いにワインの名産地が広がり、シノンは、支流のヴィエンヌ川がロワール川に合流する付近に位置します。流域のシノン城はジャンヌダルクで有名になりました。
緩やかな丘陵地帯で、斜面は日当たりが良い。土壌は砂利混じりの砂地で、ところどころに石灰岩の土壌も見られます。シノンの赤ワインはカベルネフラン種で作られます。
色調も黒に近く、果実味、タンニン、酸味がしっかりしています。鉄分のようなミネラルを感じ、深淵な黒の中に冷ややかなミネラルを感じる夏の夜のような味わいです。
ジャン モーリス ラフォー シノン 2015 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/613

フランス南部のプロヴァンスではロゼワインがよく飲まれます。青天の乾燥した暑い日によく冷やしたロゼワインはランチのお伴にも良く合います。
今回ご紹介するプロンヴァンスロゼは1989年に当時恋人同士だったジェーンとヒュー フォルクナー夫妻が松とオリーブの木に囲まれた畑を購入、古いプロヴァンス風の邸宅を改造し、拠点を定めました。
1999年には息子のジュリアンもワイナリーの経営に参加し、自然環境を尊重し、ワインの質を高めるために様々な設備を導入します。収穫日を正確に決定するための気象観測所、醸造のための最新テクノロジー、ワインと芸術の融合など新しい試みを続けています。
デュ グラン クロ ドメーヌ ロゼ 2015 (ロゼ)
http://aquavitae.ocnk.net/product/614

以上
よろしくお願いいたします。
イタリア新着 イタリアのかかとには宝の山
近年のイタリアワインはどのエリアも価格が高騰し、味わいのレベルに見合わないワインも増えてきたように思えます。
そんな中でイタリアの南はリーズナブルな価格のワインがまだまだたくさんあります。
一方、イタリア南部の格付けはフランスやイタリア北部のようにエリアが細分化されていませんので良いワインと平凡なワインが同じエリアで造られています。
まさに玉石混交なエリアであるだけにいろいろと探し甲斐のある地域の一つだと言えます。
その中でサレントとワインと言えば赤ワインが注目されがちですが今回紹介するのは白ワインです。
ラストレ マッセリア サレント ビアンコ クリタ http://aquavitae.ocnk.net/product/612
こちらを最初試飲した時はオリスターノなどのサルディーニャやシェリーのフィノのような酸化熟成を軽く感じました。
これから暑くなる時期に魚料理と食べたくなる味わいです。
このエリアは地中海の文化の交差点といえる場所で特にギリシャの影響が大きい地域。
現地の方言でもグリコと言われるギリシャ方言を話す人がいたり、オリーブの生産がイタリアで一番多かったりしてギリシャの香りを感じます。
商品名のクリタもギリシャから伝わる粘土で作られたテラコッタと言われる素焼きの焼き物から来ています。
また、生産者の名前でもある中世の貴族豪族たちが暮らした、マッセリア(masseria)とよばれる田園の荘園屋敷は、サレント半島のいたる所にあり、風光明媚な昔ながらの光景が展開されています。
そんなのんびりした夏を感じさせる雰囲気の中ですっきりとした味わいの白ワインのグラスを傾けるリラックス感を体感してほしいものです。

以上
よろしくお願いいたします。
フランス新着 ソーテルヌですが辛口です。
ソーテルヌワインと聞くとこれまでのイメージではフランスのガロンヌ川左岸にあり、AOC格付けワインでドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイで高級な世界三大貴腐ワインと言われました。
しかし、近年は辛口の白ワインが注目されています。
この地にはセミヨン種とソーヴィニョンブラン種が栽培されていますので白ワインのスペシャリストが多くいるわけです。
近年は甘口ワイン、貴腐ワインの消費が減少傾向にあり、この対策としてドライワインをリリースすることを始めたわけですが、最初のボルドーブランのイメージはソーヴィニョンブラン特有の香りが強く、いわゆる「猫のおしっこ」味が多くみられたわけです。それとは対照的にソーヴィニョンやセミヨンがニュージーランド、オーストラリア、アメリカ大陸などのニューワールドと言われる他の後進国で造られ、さらに既成概念にとらわれない自由なスタイルで安価でフレンドリーなワインを造りだしました。
それに対してここ数年のボルドーブラン、ソーテルヌの辛口のレベルが試飲を重ねていくうちに変化していることに気が付きます。
今回、当店でもリリースしたラ セミヤント ド シガラもシャトーシガララボというソーテルヌの生産者です。
1990年代は地味な生産者のイメージでしたが立地や地質などの環境の条件は素晴らしいものを持っており2000年代に入って評価をあげてきました。甘口もトロピカルフルーツ、ハチミツ、白い花、スパイスのアロマが見事なプロポーションを形成しております。
一方ドライのほうは透明感のあるやさしいセミヨンのイメージで甘口とは好対照ですが食事のお伴としては申し分ないアイテムであると思います。
よく、ヨーロッパでは自分のコミューン内でディナーを完成させる土地が多いですが、この優しいセミヨンやソーテルヌを試しているとスパークリングワインも作ってほしいなという思いがわいてきました。
http://aquavitae.ocnk.net/product/611
以上
よろしくお願いいたします。
【Aqua Vitae】フランス新着 変人のような・・・でも味わいは極めています。
2017年05月13日 第三百回配信
おもいつくことばらばら書いてこれだけになりました、この節目に自分が昔住んでいた土地のワインをしょうかいすることになるとはこれもまた縁でしょうか。
この人とワインのラベルを見た瞬間からビビッときました。
ドメーヌ アルレタ。昔同じチームでプレーしていた選手にもこの苗字の人がいたのでルシヨンではそこそこ多い名前なのでしょうか。
この人の畑はペルピニャンから約30㎞、フィトゥーから約10㎞のオプル・ペリヨ村に 5.5haを所有するが、カーヴは100kmほど離れたカルカッソンヌに所在。当主のブノワ・アルレタ氏は実家が所有していた国際品種が植わっていたコルビエールの畑は継がず、古樹の地場品種を求めた結果この辺りの奥地に至った。畑の樹齢は35~115年と非常に古く、自然と収量が落ちる(15~20hl/ha)。 土壌は鉄分を多く含んだ冷たい粘土質。南仏で伝統的なゴブレ仕立て。いくつかの畑はグルナッシュ・ブラン、グリ、ムールヴェドル等の混植。栽培はビオ ディナミ農法を実践しているが、まずは2016年にエコセール認証取得予定。醸造にはポンプを使用せず、昔ながらの垂直式プレス機を用いる。ピジャージュ、ルモンタージュをしない代わりに、特別な回転式の樽を使って浸漬。総生産量はファーストヴィンテージの2014年で4,500本のみ、と独自路線を行っていますがこの土地のキャラクタを表現しています。一つのことを極めるためにすべてをささげるそんなイメージを感じました。
アルレタズ レサカ ブラン 2014(白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/591
アルレタズ マリ ルージュ 2014(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/592


以上
よろしくお願いいたします。
フランス新着 最南端ですが最も暑くないワイン
地中海に浮かぶ山、コルシカ島のワインはフランスワインのとして紹介するにはいささか違和感があるような土地柄です。
フランス語はもちろん通じますがいたるところにある標識に記載されているコルシカ語はイタリアのトスカーナ方言の影響を受けているせいかフランス語と違うのはもちろん、イタリア語とも違います。
“C”なんかも濁るので「コルス」ではなくて「ゴルス」。古くからあるパトリモニオやサンフロランの北にある親指を突き出したような岬で高品質なミュスカが造られているAOC、「カップ コルス」も「ガップ ゴルス」。
そんな最南端の生産地ですが日照量はスペインとの国境のルシヨンやアルザス南部のコルマールなどのほうがあり、こちらの八月は雨も降らず暑い日が続きます。コルシカ島は標高差があり涼しいエリアもかなりあります。
今回紹介するコルシカのワインは歴史あるパトリモニオのある北部地域や、ギゾナッチャあたりの東海岸ではなく、アジャクシオ、サルテーヌ、フィガリがある南西部の海岸。こちらはそれぞれの生産者が自然にそった造りをポリシーとしている生産者たちなので、味に違和感がなく一言でいうとピュア。個人の味覚のセンスがそれぞれに表現されていますがそれは偏ったスタイルではなく、自然回帰、自然への畏怖、自然からエネルギーの共有といった命を飲んでいるような感覚がします。

ペロ ロンゴ エキリブル ルージュ コルス サルテーヌ 2014
ア ペラチア トラディシオン ルージュ アジャクシオ 2014
ラ ムルタ ロゼ コルス フィガリ 2015
ラ ムルタ ルージュ コルス フィガリ 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/77

以上
よろしくお願いいたします。
いつも当店のご愛顧ありがとうございます。
この度は弊社のビジネスパートナー、ハニーベイクドハム様で自慢のハム料理のコースお披露目を行います。そこで弊社のワインを併せてペアリングを楽しんでいただく会を開催することになりました。
前回もご好評頂きました会となりましたので今月も開催する運びとなりました。
当日は料理のご案内、ワインの紹介など当店の河合がディナーを楽しめるようお手伝いをさせて頂きます。
お時間がございましたら奮ってご参加ください。
ぜひよろしくお願いいたします。




日時:5月29 日(月)19:00〜
場所:ハニーベイクドハム 東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町 1F 03-6450-1869
東京メトロ神谷町駅すぐ上

http://www.honeybaked.co.jp/ 
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130704/13185360/dtlrvwlst

参加費用:3000円
コース内容 ハム料理を中心とした品ぞろえ。
ワインは品種の違いが比較できるアイテムをそろえます。

以上
よろしくお願いいたします。
【Aqua Vitae】イタリア新着 ブランドではなく畑にこだわる。
キャンティクラシコエリアのワインは日本でも有名ですが、エリアが広すぎるため、そのクオリティも玉石混交様々なワインがあります。その中でも比較的標高が高く(360m)冷涼なため、きれいな酸があり、土地のキャラクタも表現されているガイオーレ イン キャンティのイル パラッツィーノを紹介します。
シエナ郊外のガイオーレ近郊にあるこの生産者は家族経営の小さなワイナリーです。
ここは畑の区画にこだわり、同じキャンティクラシコのワインでも細かく土地の区画を分けて醸造もそのキャラクタに合わせます。
キャンティクラシコやリゼルヴァのカテゴリよりも畑のキャラクタを表現したいという思いが伝わります。

イル パラッツィーノ キャンティ クラシコ
http://aquavitae.ocnk.net/product/599
イル パラッツィーノ トスカーナ ロッソ デル パラッツィーノ
http://aquavitae.ocnk.net/product/598

同じトスカーナの1962年創業の小規模ワイナリー。ヴイーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノでも特に秀逸な品質のワインが造られるチェルヴォナーノで作られます。畑の土壌は、砂を含んだ石灰質土壌の沖積土。
 泥と粘土をバランスよく含んでいます。
ボスカレッリ ロッソ ディ モンテプルチャーノ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/606

プーリアのおすすめワインは職人的栽培家としての伝統ある18世紀の終わりごろまで遡る生産者。この丘陵地の標高は365メートル、風通しと日当たりが良好なファタローネ農園。
ここのワインも凝縮したプリミティーヴォではなく自然な色調、味わいのプーリアワインを造り続けています。

ファタローネ テレス 2013(すみません、ラベル印刷が弱いため傷があります)
http://aquavitae.ocnk.net/product/65
ファタローネ ジョイア デル コッレ 2012
http://aquavitae.ocnk.net/product/601

以上
よろしくお願いいたします。
フランス新着 ローヌ右岸と左岸
ローヌ川南部の町、アビニョン北部にはヴォークリューズ県に銘醸地シャトーヌフ デュ パプがあります。
AOCシャトーヌフ デュ パプは、ローヌ地方南部のワインのなかでは11世紀からと最も歴史があり、かつ最も優れたワインといわれています。
今回はその対岸にある生産地で気軽に楽しめるワインを紹介します。
リラックはローヌ南部のAOCで、ロゼワインで有名なタヴェルの北隣に位置し、4つの村にまたがっています。かつてこの地は主に司教の畑であったため、16世紀から18世紀にかけ大変栄えた時期がありました。

※カラビニエ ルナ アポジェ シラー IGPペイドック 
http://aquavitae.ocnk.net/product/585
※カラビニエ ルナ アポジェ コート デュ ローヌ ルージュ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/586

1920設立。ドメーヌはローヌ川河口、シャトーヌフ・デュ・パプの対岸「ロックブリュン」という小さな村に位置する。ルプロショワ夫妻は1997年からオーガニック栽培に取り組み始め、2013年にビオディナミ栽培の「デメテール」認証を取得。「ルナ アポジェ」シリーズは、彼らのビオディナミに対する考え方「自然や宇宙との一体感」を表現したワインです。Demeter取得。

※エステザルグ協同組合 コトー デュ ポン デュ ガール キュヴェ デ ガレ 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/596

エステザルグ協同組合は、ローヌ河南部の街アヴィニョンの南西側に位置しており、加入者が10名たらずというフランス最小の協同組合と呼ばれています。
「協同組合」としての大きなメリットは、農機具や新しい醸造設備を共同で購入したり、醸造アドバイスを受けるシステムが構築しやすいなど、品質向上に向けた資金面でお互い協力し合える点といえます。
栽培に関しては、各生産者の畑は可能な限り有機栽培で管理されており、化学肥料や除草剤は使用しません。
農薬に関してもどうしても必要な場合に限り、極少量のみ散布する「リュット・レゾネ」の手法を導入しています(全く使用していない生産者もいます)。
この地域では、複雑な地層や多様なブドウ品種によってコクとボリューム感に富んだワインが造られており、エステザルグ協同組合では、それぞれの畑の個性をワインに反映させるために原則的にブレンドを行わずにワインを生産しています。
醸造においては、各生産者のもとで選果されたブドウを醸造所に持ち込み、コンクリートに埋め込まれた巨大なステンレスタンクにて発酵させます。
酵母はブドウの実に付着する自然酵母のみで、醸造中は亜硫酸を一切添加しません。その後、熟成も同様にタンクで行い、極少量の亜硫酸を添加してボトリングされます。この規模の生産者で、醸造中に亜硫酸を一切添加しないというのは異例中の異例と言えます。
このようにエステザルグ協同組合では、いわゆる「協同組合」のがぶ飲み用ワインとは一線を画した品質主義のワインを生産しています。

歴史のある生産地の裏にある新しい土地で挑戦する人たちのワイン。是非お試しください。
ギリシャ新着 本当のギリシャ人とは
ギリシャから新着ワインのご紹介です。
ティミオプロス ナウサ ジューヌ ヴィーニュ ド クシノマブロ 2013(赤)
スクラヴォス ヴァンルージュドターブル アルシミスト 2015(赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/112

同じギリシャのくくりで紹介しているワインですが、行政上仕切られたギリシャ領は多様な顔を持ちます。
常に領有権争いを繰り返したバルカン半島最南端の国。
今回紹介したティミオプロスはギリシャ北部のマケドニア地方、スクラヴォスはギリシャ西部の最大の島、ケファロニア島。
まず、マケドニア地方は皆さんのイメージにある乾燥した地中海気候のイメージとは違い、北に接しているスラヴ、アルバニアなどバルカンの雰囲気があります。隣国のマケドニア共和国との歴史、オスマン帝国支配の歴史を見てもこの地域は単なるギリシャ人の土地とは言い切れません。
ケファロニア島もアドリア海に面しているため第二次大戦中はイタリアが駐留したりした影響でイタリア料理などイタリア文化の雰囲気も感じさせます。

そんな中で造られているワインはティミオプロスがクシノマブロ種という、直訳すると「酸っぱい黒」、この生産地、ナウサを代表する品種です。
実際に試飲してみると収斂するような酸ではなく、果実味とのほどよいバランスだが味覚の要素が詰まっているイメージがあり、食事のワインだと感じました。この地域の料理はギリシャだけではなく、イタリア、トルコ、果てはジョージア、ウクライナ、イランなど黒海周辺の国からの影響もあり、オリーブオイル、スパイス、ハーブなどをしっかり利かせたスタイルなのでそれをうまくクリアにしてくれる酸を持つアイテムなのかと思わせました。

スクラヴォスはギリシャ西部のパトラなどの島々で作られるマヴロダフネ種というぶどう品種を使います。
この地域では昔からポートスタイルの甘口ワインが多く作られていました。それはビジネス相手であるスラヴ人の需要があったからだと思われますが、このスクラヴォスは滑らかで口当たりの良いスタイルです。
スクラヴォス家は十三代前から、ウクライナでワイナリーを持っていましたが、曽祖父の代に戦争で家を失い、
親類が住んでいたケファロニア島に移り住みました。
当時は政府がワイン畑をつぶしてホテル用地に当てることを奨励したため、大部分の畑が失われてしまい、 現在では荒地となっているか、オリーブの木が植わっていました。エヴリヴィアディスの父、スピロスが畑を買い始め、耕作を始めます。
このアルシミストのワインも接ぎ木されていないフランドピエの樹齢70年ほどのマヴロダフネを使っています。
このワイナリーは全体で約10ha分のブドウの収量があるが、ヴラディスが所有する畑は1.5haのみ。
自分の畑と借地である働き手不在の古い畑の手入れを任せてもらっている土地、両方の畑は、ヴラディスの思いどおりにビオディナミで手入れをしている。その他の畑からの買いブドウは、必ずしもビオ栽培ではないが、
剪定以外は何もしない、働き手がいなくて半分放置されているような畑もあります。
バルカンのエリアはこのような歴史のモザイクと言える場所で独自の文化が育ち、食もまたそれに合わせて独自の個性を示しています。
この個性をぜひ味わってみてください。

Aqua Vitae
河合
【Aqua Vitae】スペイン新着 ワイン造りは自然回帰への修行
スペインのアリカンテといえば海の町というイメージがあります。しかし内陸部も紀元前3世紀にフェニキア人が現れて以来、ローマ人、イスラム勢力、フランスと様々な支配者が様々な文化をもたらした土地。
この内陸は夏40℃以上、冬は氷点下という厳しい気候です。
そんな土地、アリカンテを本拠地としているベルナベ・ナヴァロは自然回帰をコンセプトにワイン造りを行っています。彼らは2000年から、自作したぶどうでかつて作られていたスタイルのワインを造りはじめました。それは自分達の土地の文化や伝統を再発見しようという主旨によるものです。
畑は独特でとても古いものです。なかには、自然保護区であり海抜ゼロメーターに位置するラ・マタ自然公園”にも指定されている場所や、海から数キロ離れた海抜700メートルのヴィエナ村の中にある、フィンカ・ウザルドンと名付けられた畑もあります。

すなわち土地、空、テロワール、文化、土地に根差した人々、かつて作られたワイン、既に失われてしまった耕作放棄地、忘れ去られた小規模生産者、醸造家たちの技までも反映する、ワインを取り囲む全てを『遺産』とし、
畏敬の念を抱きながら、ワイン作りに携わっていくということです。それがつまりは、『自然回帰』ということなのです。
石や砂利に覆われた石灰質土壌。除草剤、化学肥料などは使わず、有機農法を用いています。地質学上で言うと、有機物の少ない花崗岩に由来する土壌です。
自然酵母により醗酵。ほとんど人工的な手を加えることなく、自然な作りを目指しています。造り手は黒子のように酵母を活性化する環境を整える手助けだけをし、ワインを動かさず、酸化防止剤を加えるのを極力抑え、    濾過をせずにビン詰めしています。 ワインのタイプにより陶器、樽、ステンレスタンクでもって異なる期間、熟成を図ります。

ベルナベ ナヴァロ ランブリス モナストレル
http://aquavitae.ocnk.net/product/604
ベルナベ ナヴァロ モロン ガルナッチャ
http://aquavitae.ocnk.net/product/603
ベルナベ ナヴァロ シプレセス デ ウサルドン ガルナッチャ
http://aquavitae.ocnk.net/product/602

そのお隣のムルシア州フミーリャでも古い遺産と言える畑があります。
ボデガス オリバーレス ホヴェン
http://aquavitae.ocnk.net/product/605

まだまだ、ブランド化されていない秘蔵のワインと言えるスペインワイン、ぜひお試しください。

Aqua Vitae
河合
http://aquavitae.ocnk.net
アルザスの品種を見直す
日本ではアルザスワインというとリースリング、ゲヴュルツトラミナーについて語られることが多いように思われます。これらの高級品種は香も華やかで高貴な味わいです。
しかし、地元のアルザス料理、特にこの春の時期はアスパラが有名ですが、これらの春野菜やアルザス料理と良いマッチングを見せるのは上記の品種以外のシルヴァネール、ピノブラン、ピノグリ、ミュスカなどの品種。
いまアルザスは50を超えるグランクリュが制定されていますが、これに反発する生産者もたくさんいます。
そのグランクリュに規程の指定品種(リースリング、ゲヴュルツトラミナー、ピノグリ、ミュスカ)以外の品種を沢山植えている生産者もたくさんいます。
何の品種がその土地や料理にマッチングするか、高級品種以外でも現地で作っている人はみんな知っています。
商業主義にとらわれないアイテムを紹介したいと思っています。
今回ご紹介するアイテムはシュルンバジェ。1810年創業の伝統あるドメーヌ。コルマールの南、ゲッビレールに位置し、栽培はすべてビオロジック(一部はビオディナミ)。130ヘクタールある自社畑の約半分はグランクリュ。スタンダードキュヴェにも15年未満のグランクリュの若木が使用されています。

春の料理に合う、プランスアヴェシリーズ、ぜひ、お試しください。
テール ダルザス
http://aquavitae.ocnk.net/product/582
シルヴァネール
http://aquavitae.ocnk.net/product/583
ピノブラン
http://aquavitae.ocnk.net/product/584