2020年12月

5

寒い冬に暖かい部屋で楽しむワイン
フランスのプロヴァンス地方では、ワインを加熱して生産する甘口ワイン、ヴァンキュイという飲み物があります。ぶどうをしぼったマストを70度以下で酵母が死なないようにじっくり加熱して濃縮し、新鮮なマストを加えてアルコール発酵させたものである。そのため、厳密な意味での調理したワインではありません。イタリア語では「ヴィーノ・コット」と呼ばれています。

アルコール発酵は、樽で熟成される前に、酵母がその残糖を消費した後に発酵を止めますが、アルコール度数14度または15度に達するまで数ヶ月間続くことができます。

銅鍋で加熱して半分程度まで煮詰めることと手間がかかるため生産本数も少ないのです。
昔はどこの家庭でも作っていたようですが、この生産者もワイン作りの合間をぬっての作業のようです。

13のデザートは、24日の夜に出され、真夜中のミサから戻ってから食べます。ゲストは13種すべてを食べなければなりません。13という数字は、キリストの最後の晩餐の客、つまりキリストと12人の使徒の数であり、キリスト教の習慣から始まりました。13種の種類は都市や村によって違います。古い13のデザートは1683年までさかのぼると言われています。主にフガス、ポンプ・ア・リュイル、ドライフルーツ、くるみ、アーモンド、干しいちじく、ヘーゼルナッツが入ります。これらの色は、托鉢修道会の修道士の服の色を連想させました。聖アウグスチノ、フランチェスコ、カルメル、ドミニコです。宗教的なシンボルとしては、白いヌガーは純正と善を表し、黒いヌガーは不純と悪を表します。これらにさらに、砂糖漬けの果物やマルメロのゼリー、オレイエット(揚げ菓子の一種)、デーツ、マンダリン(みかん)、レーズン、りんごが加わり、13になります。

クリスマスに楽しむプロヴァンスの伝統的な13種類のデザートに添えられているのが「ヴァン・キュイ・ド・パレット」です。プロヴァンスでは、AOC(原産地呼称)としての認定申請が進んでいますが、フランスでも、もう数人しか造る人がいないと言われています。
甘くてまったりとした味わいをデザートとお楽しみください。
https://aquavitae.ocnk.net/product/727


よろしくお願いいたします。
限定本数予約 歴史を味わうに、ふさわしい一本。“伝説のラム”
歴史を味わうに、ふさわしい一本。“伝説のラム”
LEGEND OF CUBAN RUM レジェンド オブ キューバン ラム 容量:700ml 度数:45度


ラベルには「Pre-1962 (1962年以前)」とありますが、実際には1940~50年代に蒸留され、バルデスピノ社において、ボトリング直前までソレラ・システムで熟成されていた超稀少ラム。
このラムは、1940~50年代にキューバで蒸留された後に樽詰めで海を渡り、スペインへ運ばれ名門一族の酒蔵において、ソレラ・システムで熟成されたものである。
そこで登場する人物がミゲル・バルデスピノ。バルデスピノ家は、創業1340年まで遡るシェリー酒の名門。家族経営によって、代々受け継いできた看板を守る彼に突然不幸が襲った。大切な息子は病床の身に、そして地元のパレードの女王に選ばれたほどの美人であった愛娘を交通事故で失ってしまう。
私がはじめて彼のボデガ(酒蔵)を訪ねたのは1990年代後半。そこは、まるで博物館であった。樹齢百年のブドウの樹や19世紀から使っている足踏み式ラベルマシーン、そして戦前の銀行の窓口を想わせる堂々たる造りの受渡し場所、目の前がタイムスリップした気分だった。さらに驚いたのは、彼が所有する古酒のコレクション。特にシェリーやブランデーの膨大な数に観るだけで酔わされた。歴史の重みを肌で感じた。
このラムを分けてほしいと頼んだのだが・・・「これはとても珍しいもので僕の宝物、このボデガを訪れた人だけにしか飲ませないし、売り物ではない」。
それから数年後、彼はその膨大な古酒とともに会社を売り払った。二人の子供の数奇な運命が、彼から名門としての誇りも、仕事への情熱をも奪い去ったのかもしれない。
結局新しいオーナーにラムの件をお願いしたところ、門外不出のこの酒をようやく手にすることができた。このラムは、1962年の革命以前のキューバがアメリカの資本主義にどっぷりとつかり、豊かさを謳歌していた時代の空気を感じさせる。今日のような社会主義の統制経済のもとでは生まれるはずもない、
贅沢で華やかな味わい。そしてミゲル氏が会社を手放さなかったら、この世に出ることもなかったであろう、貴重なコレクション。彼のボデガは今、更地になっているという。失われてしまった時間が、すべてそこに詰まっている。まさしく “伝説のラム”である。

ご予約、価格のお問い合わせはこちらのメールにご返信ください。
商品は2020年12月25日(金)からの出荷開始予定となりますので、お届けはそれ以降となります。ご注意ください。
2020年12月18日(金)正午の時点でご案内本数を上回る受注の場合は、ご希望本数で納品出来ない場合もございますことをご了承ください。 

よろしくお願いいたします。
Aquavitae(アクアヴィテ)河合
フランス海外県、レユニオンで作られるラムが新入荷
インド洋西部・マダガスカル島の北東にあるフランスの海外県・レユニオン島。火山島である島の北東サン・アンドレに位置するサバンナ蒸留所は、1948年に現在の場所に移設されましたが、その歴史は古く1870年代にはラムの製造を始めています。
自社のサトウキビ農園で育まれるサトウキビの大半が丁寧な手摘みで収穫され、製造工程ではトラディショナル、アグリコール、グランアローム、ハイエステルと4タイプの原酒を作り分けている稀有な蒸留所になります。フランス海外県であるため、コニャックカスクなども使用し、日々新たな可能性を模索し続けている生産者として大変注目を集めています。

◇サバンナ ラム ロンタン グランアローム ブラン
容量:700ml 度数:40度
スタンダードなホワイトラムの発酵期間は1日ですが、グランアロームは6~10日間と長く、中でもロンタンは、18世紀に砂糖精製所で生産され人気を博した職人技光るラムをルーツとしており、世界でも4カ所の蒸留所のみしか持たない秘法を用いています。
香りは芳醇で濃厚。ジンジャー、シナモン、クローブなどのスパイス、フランベしたバナナ、パイナップルが広がり、味わいはスミレのフローラルさとリコリスの風味。長い余韻がリッチ。


◇サバンナ ラム ハイエステル 57%
容量:700ml 度数:57度
グランアロームよりさらに長い11日程度発酵、さらにステンレススチールタンクで13年もの間、貯蔵し57%というハイプルーフで瓶詰めしたスペシャルブラン。ロット生産となるため生産本数も限られています。
高アルコール度数がもたらす驚く程にバランスの良い味わいが素晴らしく、レユニオンのエキゾチックな雰囲気を詰め込んだフルーツバスケットのよう。パイナップルとパッションフルーツが混ざり合い、完璧なさとうきびの甘みが感じられる香りに上品で繊細な味わい。わずかにアーティチョークのアクセントが植物やミネラル質を引き立て、最後にかすかな薬のフレーバーを感じる。


◇サバンナ ラム トラディショナル ビュー 5年
容量:700ml 度数:43度
比較的短い熟成プロセスから生まれる力強さと、熟成にコニャックの古樽を複数用いることで溢れ出す絶妙なアロマとを兼ね備えたトラディショナルラム。ロックが特におすすめ。
大らかで洗練された、植物由来のゼラニウムやベチバー、ミント、バーボンバニラ、タバコの葉も感じる香り。味わいは力強く、フルボディで厚みのある口当たり。シナモン、クローブ、ナツメグなどのスパイス、バニラ、パイナップルを思わせるフルーティさが感じられる。リコリスに、ソルティな風味も。プラリネ。ココナッツミルク。

◇サバンナ ラム キュベ メゾンブランシュ 2008 10年 
容量:700ml 度数:43度
メゾンブランシュとは、サバンナ蒸留所が設立された当時すぐ隣にあった素晴らしいお屋敷のこと。蒸留にはコラムタイプを使用し、コニャックの古樽で熟成。サバンナがトロピカルエイジングと呼ぶこのトラディショナルラム10年は、素晴らしいバランスを持ちチョコレートなどのデザートにも最適。植物由来のフローラルなブーケが、ふくよかなカラメルの風味によって引き立ち、口に含むとクローブやシナモン、ナツメグのスパイスが優しく感じられ、わずかに薬のニュアンスが続く。素晴らしく滑らかなバニラ風味のナッツを伴った長い余韻は2008年ビンテージのバランスの良さを証明しています。

いずれも在庫少量のため、ご希望、価格等、お問い合わせはこちらのメールにご返信ください。品切れの際はご容赦ください。
よろしくお願いいたします。

変わりゆくジンファンデルの存在
カリフォルニアワインの代名詞と言えるジンファンデルはアメリカでステーキに合わせても存在感を感じられるヘビーな味わいのキャラクタを持つ葡萄品種です。
もともとはイタリア南部のバジリカータ州のアリアニコ種、プーリャ州で造られるプリミティーヴォ種、アドリア海の対岸、クロアチアのダルマチア地方で作られるプラヴァッツ種など、気候や食文化によってそのキャラクタはかなり変わります。
カリフォルニア内でも気候の違いでそのキャラクタは変わります。冷涼地域は赤い果実の味わい、温暖地域では黒果実、アニス、スパイスの味わいになります。
個人の試飲の経験から言うと、プリミティーヴォでも気候や熟成期間などでその味わいは多岐にわたるキャラクタを持つ感じでしたが、以前の日本に輸入されるプリミティーヴォやジンファンデルはとにかく、黒に近い色調、パワフルな果実、低い酸の目の詰まった果実のイメージがありました。
1920年代アメリカ禁酒法時代の大量生産のせいでその品質が低下した中でも優秀な単一畑のワインを造り続けていた生産者のお陰で貴重な高樹齢の畑が残されていたようです。

今回おすすめのソウセリトキャニオンヴィンヤード https://aquavitae.ocnk.net/product-list/72 も1974年に現オーナーのグリーノー氏が購入した際に残った畑の古樹を育ててリリース。
この古樹の深い複雑な味わいを感じることが出来ます。
これは単に古樹の根の深さだけではなく、アメリカンネイティヴの地に英国人がクロアチア、イタリアからもたらされた樹からワインを造り、イタリアン、ラテンの食文化に溶け込んだ、歴史の多層性もこの味に反映されていると感じました。
その他の高樹齢のジンファンデルも合わせてお楽しみください。
https://aquavitae.ocnk.net/product-list/72

よろしくお願いいたします。
現代のカリフォルニア・ピノノワールを検証する
リヴァースマリー ピノノワール ソノマコースト 2018
https://aquavitae.ocnk.net/product/1171

最近はカリフォルニアの山火事のニュースが目立ちます。実際に秀逸なピノノワールを生む、ノースコーストエリアのメンドシーノ付近でもかなりの被害が報告されています。
その中でもこれまで通りのレベルを保つ生産者が多くいる中、この生産者の作るピノノワール種が変化しつつあるように感じました。
この年のソノマコーストエリアのピノノワールはピオクシデンタルエリアで作られた葡萄を多く使っているようですが、
以前は、どのワインも栽培されたばかりの新しい葡萄の樹を使用しているようなイメージが感じられ、海洋性気候がもたらす要因が大きく、その育成に課題があったため、品質にばらつきがありました。
そこで作られる葡萄の味わいは非常に密度が高く、これまでのイメージでも他の冷涼地域のピノの中でも最も内向きで深い闇の印象を受けました。濃厚な果実味と巨大なタンニンは、力強さの印象を与えています。

しかし、そのオクシデンタルのピノは今日、単一畑グレイドのみならず、エリアレベルでも15-30年程度の高い樹齢から生産される葡萄も使われるようになってきました。この生産者が採用しているリドルヴィンヤードのピノノワールも同様です。
ワインは近年の、エレガント&バランス重視指向で作られているせいか、ヘビーだったり、飲み疲れを感じることもないが、凝縮されたカリフォルニアのイメージは感じられます。果実のプロファイルは変化に富み、ボトルの熟成とともに引き出されていく、強烈な香りを若くして持っている。 このヴィンテージでは、タンニンは豊富だが、熟していて丸みがあります。
試飲した感想ではこの深みがほぐれるのに時間が必要になりそうな感じです。今は特にまだクローズした味わいですが、まだセラーの中で待てる人には楽しみなことがたくさんあるような可能性があります。
もちろん、この強大なピノノワールが好きな愛好家も多いので、経年で楽しめるワインです。

よろしくお願いいたします。