地中海の穴場


ワインを選ぶときに何を試すか悩んでおられる方も多いと聞きます。

その決定をするために消費される方々は様々な手段を使って情報を入手します。

知り合いに尋ねる、本を読む、インターネット検索、などなど様々な方法があると思います。

しかしながら、それら得た情報をこんどは精査するという作業を行わなければなりません。

インターネット検索はその情報の信頼性の問題があります。本の情報というのはその本が発行される前の情報ですから情報が陳腐化している可能性があります。ワインにはヴィンテージがあり、毎年味わいが変わります。特に温暖化現象などの激しい気候変化でその様子は刻々と変わっています。醸造技術や畑の栽培技術も進化しています。また一方でAOC(原産地統制呼称)も変化しています。ラベルの地域が同じワインでも年月が経てばそのワインの造られる場所が変わっている可能性があります。造っている場所が変わるということは味が変化する可能性もあるということです。

実際の感想として南フランスのローヌ地方のAOC認定地域がかなり変化したことによって、北ローヌなどの味のスタイルが変わっているように感じます。

そういったことを踏まえて、あるやり取りを思い出しました。この季節に南フランスのワインを、ということで探すリクエストを頂いたことがありました。

ところが、その方のよくよく話を聞いてみると南フランスのイメージはプロヴァンスに合ったわけです。

「南フランスの白ワインだとミネラルの際立ったワインですか?」
「ミネラルと言えば塩味みたいなもの?塩味といえばアルルの南、ローヌ川河口のカマルグなんかで造られる塩ですね。」
「まあ、地中海の塩と言えばそれだけでもないんですが・・・」

というやり取りでした。

カマルグは河口のデルタ地帯で遠浅の湿地帯、池があります。

同じような場所がほかにもあるのです、モンペリエの西にある港町で有名なセート、ナルボンヌ、ルシヨン地方とスペインまでつながる海岸線も実は池、湖が続く遠浅の海が広がっているのです。ナルボンヌ郊外には塩田も広がっています。

こちらはプロヴァンスに比べれば日本人の印象度も低く、地味な地域です。

ここにも、独自のワイン文化、食文化がきちんと存在しています。

こちらも魚料理が多いですが、プロヴァンスほどの華やかさはないかもしれませんが、ここは牡蠣がおすすめです。もちろんシンプルな調理の焼き魚もおいしい。
海岸線に近い森で採れるジビエ(野禽類)も食欲をそそります。

これに合わせるおすすめは
fr-loc-0007-lrs グランジェット ピクプール ド ピネ
fr-loc-0011-org シャトー ペシェ ラ ブラン 
fr-loc-0009-lrs ジャン マール ラファージュ エル マセット
fr-loc-0010-org シャトー ペシェ ラ ヴィエイユ ヴィーニュ コルビエール
fr-loc-0005-bio マリア フィタ フィトー

ピクプール ド ピネ、はその意味が「舌に刺さる」を意味するほど酸やミネラルがくっきりしています。実際はそんなにすっぱいわけではありません。
シャトー ペシェ ラ ブランはマルサンヌですがこちらはもう少し口当たりが柔らかいタイプ。
赤はシラー種メインのワインですが、南仏らしい太陽をいっぱい浴びた凝縮した果実味とスパイシー感があります。

いずれのワインもお料理のソースに見立てて、召し上がってみてはいかがでしょうか。