変わりゆく自然環境

ワインを飲むときに選ぶ基準の一つとしてぶどう品種があると思います。
その中で代表的な品種名を聞くと、なんとなくイメージがつかめてなるほど、と安心してオーダーができたこともあったかと思います。
しかし、ここ数年の気候、環境の変化でそうとばかりも言えなくなって来ました。
今年の日本の一月のように、世界各地も環境が変化しています。ワインベルト地帯も多分にもれず、その弊害、または恩恵を被っています。
つまり、自然環境、人的要素でワインの味はここ数年で目まぐるしく変化しているのです。
先日、あるお客様に言われたことですが、ピノノワール種という品種をつかったエレガントなワインが大好きでデイリーワインとなるものを探しているとお問い合わせがありました。
ピノノワール種はブルゴーニュワインの代表的な品種のひとつですが、多くの生産者が家族経営でボルドーとは違い、安定した生産量を期待するのは難しい、それ故に価格が高騰しています。コトーブルギニョンなど生産者を保護したAOCが制定されたりして比較的低価格帯のワインが出てきましたが、デイリーワインとなると価格的には難しい。もっと安いワインを探すとあるにはあるがボジョレーのガメ種などのブレンドでピノノワールのイメージとは違う、と感じることもあるようです。一方北部に向かうとオーセールなどディジョン以北のワインはまだまだ果実の厚みが足りないものも多く、なかなかこれはというアイテムが見当たりません。
ほかの地方もあたってみました。
そのワインはロワールにありました。地域はロワールの中心都市、ナントの上流、ミュスカデエリアの上流、ミュスカデ コトー ド ラ ロワールというAOC(原産地統制呼称)の生産者が造るワインでした。
ミュスカデというとムロン ド ブルゴーニュという寒冷地に強いぶどう品種が有名ですが、この上流の地域は比較的温暖で、ソーヴィニョンブラン、シャルドネ、ピノノワールが造られています。
今回ご紹介するアイテムは、レトレ ダヴィという生産者が50年前から手掛けている畑でテラヴィティス認証の自然派生産者です。
このワインを試飲した時に感じたのは純粋に果実の味わいでした。
本当に品種の特性が良くあらわされた自然な味わいです。畑もアルドワーズという鉱物を含んだ土壌でミネラルやテロワールも十分に感じることができ、寒冷地とは思えないぶどうの成熟ぶりを感じました。これも地球温暖化の影響でしょうか。

fr-lor-0008-lrs レトレ ダヴィ ロワール ソーヴィニョンブラン パーセル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/375
fr-lor-0013-lrs レトレ ダヴィ ロワール ピノノワール シャピトル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/376

是非お試しください。よろしくお願いいたします。