スペイン・リオハのデイリーワイン

昨日、グラスワイン用のおすすめをテーマに試飲を行いました。
その中で印象に残ったワインを紹介いたします。

ロドリゲス・サンソ ラクリムス アパッシオナド 2014 ¥1,850

このワインの生産者、ヴァルサンソは1810年の創業と老舗のワイナリー。現当主は5代目のハビエル氏はルエダとリオハに畑を所有しています。リオハは新しいプロジェクトとして2002年に発足しました。農業工学技術者でありMBAを保持する彼は、以前に近代醸造研究の総本山であるデイビス校スペインにて*SIS(土壌分析装置)の開発リーダーを務め、土壌分析とそれに基く畑のマネージメントのスペシャリストです。彼は自分のワイナリーにその全てのノウハウを注ぎ込み、土壌、地層の個性をリスペクトしたワイン造りに取り組んでいます。
畑はリオハ。この地区は大きく3つのエリアに分かれていて、中心を流れるエブロ川の北側、リオハ・アラベサ、南側のリオハ・アルタ、東側がリオハ・バハとなっています。
評価が高いリオハ・アルタとリオハ・アラベサはカンタブリア山脈で海からの湿潤で、冷たい北風が遮られ温暖なエリア。リオハ・バハは地中海からの熱い風が川を上るため暑く、乾燥したエリアです。
この生産者の畑はリオハ・バハで評価は高くないエリアですが、その中でも良いエリアの畑を探しました。標高500~550メートルで育ったテンプラニーリョとグラシアーノ。樹齢はおよそ30年~60年。 そのぶどうをリオハで初めてとなる試み、テンプラニーリョの一部を室内で陰干しする事により、糖度を高め、アルコール度数高めで力強いボディと濃縮間のあるフルボディ赤ワインを作り出すことに成功しました。
このような創意工夫を行って、お買い求めやすい企業努力をおこなったワインを試してみたくなりました。
早速、試飲をしての感想ですが、リパッソ(陰干ししたぶどうを用いての醸造、つまり凝縮感が高くなる)を用いることによって高地のエレガントなスタイルに凝縮感を持たせましたが、ヴェネトのヴァルポリチェラのリパッソよりもなめらかで飲みやすい。しかも酸と柔らかいタンニンの骨組みがあるので味わいのバランスもよく、飲み飽きない。
リパッソの効果のせいか、時間経過とともに変化する味わいもほとんどなく、グラスワインとしてはおすすめの一本です。名前でもある、apasionado、リオハの情熱を気軽なパーティや食事のシーンでぜひお試しください。
よろしくお願いいたします。