第15回ASI世界最優秀ソムリエコンクール

2016年4月21日 第百八十二回配信
表題のコンクールがアルゼンチンのブエノスアイレスで行われていました。日本からもお二方、ソムリエが出場されておりました。健闘されましたがセミファイナリストということでした。
大会終了後、元世界チャンピオンの田崎真也会長のコメントが発表されています。
https://www.youtube.com/watch?v=gkqsMoQ0yj4&feature=youtu.be
これを聞いてみました。

世界との差、サービス技術はほとんど差がない。チャンピオンは若い世代でもいるので経験の長さというより深さが必要でしょうか。
語学力の差、表現の方法が世界トップ3との差がある。これは日本人の英語能力というよりも、どの国の人にとっても外国語を話すということに壁があるということ。
ホストがゲストを招待して、意思疎通がうまくいかないとせっかくの会も台無しになってしまうということでしょうか。
試験の範囲が広がっています。ワインのみならずあらゆる飲み物、食材について知識が求められる。日本酒の問題についても日本人がほとんど知らないようなレベル。
これらを網羅して来店されるお客様へのホスピタリティ、満足してもらえるサービスを与える。
勉強しなければならないことがたくさんありすぎて、最後は運というかタイミングなのか、大会での振る舞いに慣れているのかな、と思わせます。

こんなたいへんなことを経て技術力を競うことは決して、筆者にとっても関係のない話ではないと思います。お客様に対してソムリエだけではなく流通に携わる全ての人間が問題解決のためにある程度は浅く広い知識が必要だと感じさせられます。
当店も小さいながら、お客様と向き合って、何を選ぶかという問題解決を行わなければなりません。
しかも、それほどメジャーでもない土地で知らない国の人が造ったものを口に運ぶまで持ってくるにはその人に確信と納得を持ってもらわなければなりません。
有名人が選んだワインだからその購入者にとってうまいというわけではありません。
その人なりの食歴や経験に裏打ちされた嗜好を読み解く必要があります。
そういう商売をしていくにはどうしすればいいかいつも考えさせられます。
それには作っている人の思い、運んでくる人の思い、そういった思いの連鎖をお客様に伝えられればいいなと思います。
よろしくお願いいたします。