暑くても暑苦しくない

世界のワインというのは天候、マーケットの嗜好、生産者の意図など様々な要因で同じ場所、同じ葡萄で同じワインを造っているにも関わらず、その味わいは毎年変化しています。
同じワインを試飲していても毎年その味わいは違います。
そんなときにいろいろ考えます。収穫年の一年を通じての天候はどうだったのか?生産者ファミリーの人たちには何かあったのか?ここまで届くまでの過程でなにかあったのか?
などなど、でも普通に飲むことを楽しむ方々にとってはグラスを近づけたときの五感を楽しむだけなのです。いわば一期一会と言えるものなのですが、こちら側としてはなるべくストライクを投げてあげたい、というのが届ける側の人情というものです。

今回はスペイン南部、アンダルシアの手前にあるムルシア、フミーリャのワインを試飲してみました。
これまでのフミーリャのワインというのは当地の焼き付くような太陽のもと、しっかりと熟したぶどう、主にモナストレルという地ぶどうで作られたワインは以前のヴィンテージのイメージ、当地の嗜好から色調、果実の凝縮感のあるワイン、日本人にとってたくさんは飲めないかも、というイメージを与えていました。

今回お勧めのフミーリャワイン、は

ボデガス ペドロ ルイス マルティネス カルミネ
http://aquavitae.ocnk.net/product/339

ですが、これまでのフミーリャのモナストレルワインのイメージを変えるものになっていました。
ここの畑は夏の暑さは40℃以上、ぶどう生育期間の日照量が3000時間以上あるフミーリャの中でも標高700mと高い場所で作られていて、昼夜の寒暖差があり、石灰質の土壌、樹齢は50年程度と味の要素がしっかりとできる環境にあります。
これは当地のイメージですが、カルタゴ人がカルタヘナの港を作って以来、ローマ人、イスラム支配下でも生き残ったワイン造りの歴史もこの味の要素に影響を与えるのかと思わせます。
色調は名前の「カルミネ」のとおり、深い赤色ですが、味わいは意外にエレガント。デイリーとしては飲みやすく、味も単調ではないのでごはんと一緒に楽しんでいるとあっというまになくなってしまうほどでした。
ムルシアというとスペインの・・・というイメージよりも地中海の文化という感じです。
バレンシアのパエージャもありますが、普段はレンズマメ、ヒヨコマメ、インゲン、オリーブが飽きずに毎日食べられる料理が多かったイメージでした。オリーブオイルを使うので肉や魚のようなタンパク質の食材ばかりではなく、こんな野菜の料理とも合わせてみると面白いと思います。是非お試しください。
よろしくお願いいたします。