入り口だけではなく中へどうぞ~クリュボジョレー、アデレードヒルズ試飲

入り口だけではなく中へどうぞ~クリュボジョレー、アデレードヒルズ試飲
2016年9月12日 第二百三十一回配信
今日は銘醸地の陰に隠れた産地をテーマにワインの試飲をやってみました。
日本のマーケットでは人気があるピノノワール。味わいは飲めばわかりやすくチャーミングで受け入れられやすい果実とシルキーなのどごしで飲みやすい。
その名産地と言われるブルゴーニュの南側、リヨンの近くにあるボジョレーで多く栽培されているガメ。こちらはピノノワールとは対照的な大粒のぶどうでブルゴーニュ南部の豊かな太陽にしっかり当たって完熟します。色調は黒に近く、タンニンは乏しいが、豊かな酸味が特徴、フレッシュで爽やかな味わい。
日本ではボジョレーヌーヴォー(新酒)が有名です。こちらは若飲みでぶどうの収穫の出来を試すワインですが、熟成させたクリュ・ボジョレーと言われる、長期熟成で楽しむスタイルがこの産地の真価と言えます。

ガメは以前のイメージでは酸味が強く、ざらつきが感じられたものが多かったのですが、近年は生産者のポリシーもありますが丁寧に作られたアイテムが増えてきたイメージがあります。価格もブルゴーニュのピノノワールに比べて安価で試しやすい。

今日はそのクリュ・ボジョレーの産地のひとつ、レニエを試します。ジュリアン・スニエ レニエ サンスフル 2014。色調は黒に近い、抜栓直後は軽い還元香があるが、すぐになくなりチャーミングなストロベリーのような香りが続いて立ち上がります。
口に含むと果実味と同時に酸のストラクチャを感じますが梅しそのような口当たりの良さを感じます。平均樹齢60歳の樹の力も感じられます。
このアイテムの味わいの構造は12℃程度のやや低温のサービスが心地よい。肉や魚など多くの主菜に寄り添うような味わいでうまくソースの味を引き立てます。

ついでにピノノワールとも比較してみたくなったので、同価格のピノノワール、オーストラリア、アデレードヒルズのパイク&ジョイスのピノノワール。こちらも産地の特徴が良く表れています。南半球のイメージとは違って冷涼な地域で造られていることを感じさせるエレガントな味わいだがこちらも太陽がしっかり当たっていると思わせる色調と果実の完熟感があります。ヴィクトリアのマセドンやギプスランドに比べると軽やかな印象ですが口蓋に広がる風味の力強さが印象に残ります。ジャーマン系の多い文化エリアでですが食文化もその影響を受けていると感じさせます。

このガメとピノノワールは日常楽しむアイテムとしてはお買い求めやすい価格とアイテムです。ヌーヴォーの軽い味わいのイメージが付いているボジョレーですが、本当のボジョレーの価値に触れてみて、新しい味わいや感覚を発見するには良いアイテムです。
一方、アデレードヒルズのピノノワールも他のエリアに比べるとカジュアルに試せるピノノワールですので、イメージよりもフレンドリーなアイテムと言えます。

ジュリアン・スニエ レニエ http://aquavitae.ocnk.net/product/455
パイク&ジョイス ピノノワール http://aquavitae.ocnk.net/product/444
よろしくお願いいたします。