先入観と知と経験が狂わせる感覚

先入観と知と経験が狂わせる感覚
ワインの試飲会に参加してまいりました。
この日のテーマはボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュがメインのラインナップです。
ボルドーというとこれまでのイメージは果実、タンニンがしっかりしたイメージ。
しかし、ヴィンテージも飲み頃をそろえていたせいか、なめらかで穏やかな味わいが多かったように思います。

この業界に入ってから同じワインを何度も試飲していますが、ヴィンテージ、経年の状態、生産者の考え、環境の変化などを踏まえて様々な状態のワインを試しました。そのワインの味わいの変化は自分自身のこれまでの印象を変えてしまいます。試飲後は自分の持っているイメージを変えなければならないアイテムもいくつかありました。

印象に残ったアイテムをつらつら書いていこうと思います。

ブルゴーニュ地方の白ワイン、マコンのdes Gerbeaux はMacon Solutre Le Clos 2013,2014 はソリュトレの土地が持つミネラル感がしっかりと表現されています。土地のキャラクタをしっかり出せるのは銘醸と言える一本でしょう。
生産量としては厳しい年が続いているマコンのワインですが販売量はしっかり確保されているようです。
Saint Veran 2015, Pouilly Fuisse Vieilles Vignes de Solutre 2014, Pouill Fuisse Les Crays 2015 は果実、穏やかな酸、控え目な樽香のバランスが良く、味わいに丸みがあり、鶏、豚、ホルモンなど白い肉と合わせたくなります。
ボルドーの低価格帯アイテムではChateau Cissac 2011。こちらは他のインポーターの同アイテムの試飲ではミネラルと酸がしっかり出ていて、杉やハーブなどの香りを感じる完熟感がありました。
それらの味の要素がうまくまとまり、お買い得な印象。

ボルドー中価格帯ではなんといってもChateau Larrivet Haut Brion 2009。ペサック・レオニャンのワインでありながら、果実の密度がしっかりしていて土地の味わい以上に経年の良さを感じさせる一本。
資料によるとこの年はカベルネソーヴィニョン65%、メルロ35%のブレンドですが、試飲のイメージはメルロのなめらかさが良く出ています。
ちなみに参考データですが、この2009年はパーカーポイント91点、ワインアドヴォケイト誌のコメントではローストハーブ、スパイスボックス、トリュフ、木炭、黒鉛、ブラックカラント、チェリーのニュアンスが贅沢に感じられます。ボディも豊かで寝かせておいて楽しむ価値のあるワイン、と評価しています。

ボルドー高価格帯では飲み頃という意味で、Chateau Rauzan Segla 2004、Chateau Brane Cantenac 2001がおすすめと言えます。

コストパフォーマンスという意味ではこの日のシェリー、マデイラ、ポートが抜群でした。
Emilio Lustau Berrys’ Amontillado、
Barbadillo Berrys’ Dry Oloroso、
Berrys’ Dry Madeira Spy 5 years old Madeira wine company
Berrys’ Full Rich Madeira Meredith 5 years old Madeira wine company
Berrys’ St. James Finest Reserve Port Quinta de la Rosa
Berrys’ William Pichering 20 years old Tawny Port Quinta do Noval
Berrys’ Crusted Port Bottled 2004 Dow’s
2009 Berrys’ Late Bottled Vintage Port
古酒感、飲み頃、体への吸収感、飲み頃ワインとしての価格、ともにお買い得と言えます。

この日は自分の考えをオフにして新しい感覚で試飲に臨まなければいけないと思いました。

ご興味がございましたらお問い合わせお待ちしております。
よろしくお願いいたします。