オーストリア・ハンガリー新着 歴史、文化の交差点

オーストリア・ハンガリー新着 歴史、文化の交差点
2016年11月17日 第二百五十二回配信
ハンガリーという国は現在は共和国制の国ですが西暦1000年のイシュトバーン1世が戴冠式以来、1946年に王制が廃止されるまで王国が存在していました。当時はもっと国の面積が広かったのですが第一次世界大戦の敗北のせいで領土を失います。そのせいでハンガリーの周囲の国までその文化が残り、マジャル人たちが住んでいたのです。
今回紹介するワインもオーストリアの生産者ですが、造っている場所はハンガリーという面白いエピソードを持ったワインです。
作っている場所はショプロンというオーストリアとハンガリーの国境にある町です。
この街も時代によって様々な国に支配された町ですので現在はハンガリー北西部にあり、オーストリアのブルゲンラント州に接しています。
1989年の社会主義体制崩壊直前には当時の東ドイツから「ピクニック」という大量越境があった場所でもあります。
町の歴史もローマ帝国時代からあるので名前が3つあります。ハンガリーではショプロンですが、(マジャル語:Sopron, ドイツ語:Ödenburg, ラテン語:Scarbantia)と各国の地図を見るとその呼び名は様々です。ドイツや東ヨーロッパの国の地図や標識を見ると呼び名が様々で観光で行く程度の人にとっては混乱すること必至ですね。
実際に町に行くと町は歴史が進んできた通りゴシックからバロックまで様々な建築様式のある町ですが、ドイツっぽいですね。
しかし、ワインは何といっても赤ワインの、「ケークフランコシュ」というハンガリーを代表する赤です。エゲルの代表的なワイン、エグリ・ヴィカヴェール(牡牛の血)のぶどう品種としても有名です。ドイツではブラウフレンキッシュと言われています。地元の居酒屋ホイリゲではマンガリッツァという国宝の豚料理もありますがハム、チーズなどの冷製の料理と合わせることが多いので冷製の脂に良く合う酸味が特徴の味わいです。
その品種にメルロ、カベルネフランをブレンドすることによって味わいに厚みがあります。
ローマ帝国、オスマン、オーストリア、スラヴの文化が合わさったインターナショナルでハイブリッドなブレンドをお楽しみください。

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