オーメドックらしさとは

オーメドックらしさとは
ボルドーの格付けの一つ、クリュブルジョワという厳格な認証が付いたワインはいくつかありますが、これが購入の決定になることはいままでありませんでした。今回紹介するシャトーシサックも同様でした。これまでのスタイルはタンニンとミネラル、特に鉄分の感覚が強く固いワインで会った印象が強く、あまり気にも留めなかったのですが近年の新しいスタイルはその変化を感じさせるものでした。その味わいは新しいとはいえ、伝統のメドックスタイルに回帰したような印象を与えました。

シャトーシサックはメドックの中心部にあるシャトーです。ローマ時代の遺跡の上に立てられたシャトーですが、何世紀も前からぶどう造りが続いていた土地を表現しています。サンテステフやポーイヤックに隣接し、森に囲まれた畑は粘土と石灰岩を含む砂地で構成されています。このメドックの伝統を忠実に継承しようとカベルネソーヴィニョンを主体にその味を表現しています。そこにメルロの豊かな果実、プティヴェルドのスパイスがより複雑に豊かな表現力を持つ味わいになっています。これがメドックの伝統と言えます。
この生産者、ヴィアラール家も天候や環境に敬意を払い、ぶどうのブレンド、樽や伝統的な醸造スタイルを守りつつ、その品質改善に努めています。
そしてその伝統の味であるエレガントな芳香、チェリー、プラム、甘草、スモーキーな香りのバランスが上手く取れて、これぞボルドーというワインに仕上がっています。

お手頃価格のボルドーワインが少なくなってきた今、この位置づけのワインをもう一度見直す価値があると思えるワインです。
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