ファルツのぶどうは酸っぱい

ファルツのぶどうは酸っぱい
ドイツのワインというといまだに少し甘いというイメージを持たれている方々が日本ではまだ多いのかもしれません。
ドイツのワインの一大生産地のファルツはアルザスに隣接していて、地政学上、フランスになったり、ドイツになったりと歴史的にもその運命はかなりの荒波を乗り越えた事実があります。
食文化にしてももともとアルザスやファルツに存在するものに戦争などが影響して呼び名がかわったり味わいが変わったりしています。
今はフランスのようなスタイルの辛口のピノノワール(シュペトブルグンダー)を作っていて、ブラインドで飲むとフランスのピノノワールを思わせる味わいになっています。
今回紹介するフリードリッヒ ベッカーが作るワインのラベルに描かれているイソップ童話のサワーグレープスのモチーフはキツネが甘い葡萄を食べたいが高い位置にあって取れない。
きつねはがっかりして、「きっと、このぶどうはすっぱくて、まずいに違いない」と捨て台詞を残し、行ってしまった、となっているが実はワインをつくるためにはこの酸っぱい葡萄から辛口のワインを作りたいと願っていたのではないかと思わせるラベルです。
実際に試してみると、ブルゴーニュのヴォーヌロマネの様ななめらかさと果実の凝縮感があります。このエリアはドイツの中でも日照量も豊かでエレガントな酸のあるぶどうが造られます。

フリードリッヒ ベッカー

プティ ロゼ 2300円(税抜)
シュペートブルグンダー75%、ポルトギーザー15%、 カベルネソーヴィニョン5%、他 

ポルトギーザー 1000ml 2380円(税抜)

シュペートブルグンダー 2810円(税抜)

シュペートブルグンダー シュヴァイゲナー 2720円(税抜)
村名(シュヴァイゲン)を冠した、文字通り村を代表 する赤ワインです。

裏話です。あるプロの方の試飲コメントにありましたが、まるでロマネコンティを思わせるエレガントさがあるとのことでした。2008年には、洞爺湖サミットでもベッカーのピノノワールが使用されたことがありました。
ポルトギーザーは実はこの生産者が普段飲みワインで最も好きなアイテムだそうです。

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Aqua Vitae
河合吾朗