ラングドック 年と共に変わるスタイル。

ラングドック 年と共に変わるスタイル。
2018年11月29日 第四百十四回配信

筆者がこの職業に就いた当時、すごく思い出に残ったワインの一つがこのレオン バラル氏の造るフォジェールでした。
レオンは祖父の名前で父の代までは協同組合にブドウを全量売っていましたが、1993年に現当主のディディエ・バラルと兄のジャン・リューク・バラルが畑を引き継ぐ。と同時に実家に隣接する醸造施設を購入し、醸造、元詰めを始める。1994年にはラングドックを代表する造り手としての名声を得たが、実験精神が旺盛で、高い理想に向かって努力をおしまないディディエのワインは年を追うごとに洗練されたクラスを備えていっている。初期のころと比べ醸造方法も変化しており、現在は醸造過程でSO2を使用していない。
というふれこみでした。
たしかに90年代後半のヴィンテージはもう少しタンニンがしっかりしていてなめらかなボルドーワインのイメージがありましたが、いまのヴィンテージはクリアな酸と細やかなタンニンのバランスが良い、肉料理と合わせたくなる食欲をそそるスタイルの感想を持ちました。
彼らのワインスタイルは、「十分な果実味と、酸に支えられたフレッシュさを備えたワインが私の目指すスタイルだ。」と言っていますが、まさに今そうなっているように思えます。
とても完成度の高いワインがお手頃の価格で楽しめます。
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