山バスクの閉ざされた谷で

山バスクの閉ざされた谷で
フランスの南西部、スペインの北東部にあるバスクエリアは食べることに関しての情熱がすごい地域で料理文化も世界的に注目されています。その料理の傍らにあるワインもまた1970年に山バスクのイルレギが原産地呼称に認定されましたが世界から注目される場所ではありませんでした。葡萄栽培者の大半は協同組合に所属しており、ワインも地元で消費されることがほとんどで日本でも2000年初頭まではあまり見ることがありませんでした。しかし、バスクの豊かな海と山の食材が優秀な料理人によって紹介されるにつれてそこで作られるワインもまた注目され、その入手方法に注目が集まることになります。
そのエリアの葡萄はフランスのカオールなどでも知られるカベルネフラン種やタナ種でしたがその頃作られるワインは色調が黒に近く、タンニンもぎっしりつまったワインで日本人にとってはタフな味わいで長期間寝かせてから楽しむアイテムだったと言えます。
白葡萄も多くは作られておらずグロマンサン、プティマンサンはさらに北部にあるジュランソンがより注目されていました。
しかし、近年はその南西部エリアのワインもマーケットの国際化、変化を見て様変わりしていき、柔らかい味わいになっていく時代を迎えました。そんな変化のさなかでも、イルレギにはまだ個人生産者は10軒ほどしかありません。その中のエチェガラヤという1850年から連綿と伝わる伝統のスタイルをマリアンヌとカロリーナ・イラウの女性醸造家姉妹が守り抜いていて、いまなお骨太なタンニンと果実、エレガントなミネラルのイルレギスタイルを生産し続けています。その伝統のスタイルは周りからの影響を遮断するかのように畑は山あいのバスク地方の中でも特に奥まった急斜面にあり、そのため機械は入れられず畑仕事は全て手作業。しかしその孤立した立地のおかげで、フィロキセラを免れた樹齢150年の自根のタナ種が見られます。

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