ブルネッロスキャンダルからの

ようやく、今頃、ブルネッロ ディ モンタルチーノを入荷したのには個人的な感情と理由があります。

多くの日本の方々は知らないか、お忘れになったころだと思いますが、2008年4月に発覚した、ブルネロ・ディ・モンタルチーノスキャンダルといわれる偽装問題があったことを。

ブルネロ ディ モンタルチーノにサンジョヴェーゼ種以外のぶどうがブレンドされているという疑惑が持ち上がり、ワイン醸造の基準を偽装しているとして、警察の調査が進められることとなりました。

政府もアメリカをはじめ、輸出を差し止め、調査を進めた結果、144,000ケースのブルネッロと75,000ケースのロッソ ディ モンタルチーノ、キャンティ クラシコとその他の赤ワインがIGT(地域特性表示ワイン。フランスの「ヴァン・ド・ペイ=地方のワイン」に相当する。)に格下げされ、11,000ケースのワインが蒸留に回されたと発表された。なお、差し押さえにあって、その後格下げされたワインは、そのカテゴリーのワインとして販売できるとした。

警察の公式発表では17人が関与し、その中にはかなりの有名なカンティーナも含まれていたようです。

個人的にいまでも疑惑が残るのは、差し押さえたワインの真偽をどうやって確定したのか?

実は確定でききらずに、出荷を待つより、格下げして出荷したことに不満があります。

もともと一本一本、チェックするのは数量的にも、テイスティング的にも不可能であったのは最初から明らかだったと思います。

結局、調査に乗り出した警察も捜査レポート作成に終始するしかなかったのです。

消費者側から納得するにはスキャンダルにさらされた生産者の自助努力で立ち直るしかなかったわけです。

噂のあった生産者は別として、自分の中で消化するためには昔から飲み慣れたブルネッロの記憶を信じるしかありませんでした。

そういう意味では、今回入荷した、

it-tsc-0007 カパンナ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2009

は自分の中で納得できたヴィンテージであると確信したワインのうちの一本と言えるワインです。