冷涼気候のワインを求めて~カナダーワイン新着案内~

続いて、カナダのワインのご紹介です。

cn-ont-0001 ハーンダー エステート ナイヤガラ リースリング 2010 (白)
cn-ont-0002 ピーリー アイランド アルヴァ ピノノワール 2012 (赤)

カナダのワインというと、日本で想像されるのは、アイスワインです。果実の中の水分を減らすため、冬まで収穫を待ち、マイナス8℃になったら手摘みで収穫し、凝縮した果実味が強い甘味と濃厚な香りを持つワインを造りだすイメージでしょうか。

しかしながら、今回ご紹介するワインは通常の辛口ワインです。
これらのワインが造られているオンタリオ州は五大湖のうちのオンタリオ湖とエリー湖の間にある、ナイアガラ半島、エリー湖の南部に浮かぶピーリー島です。
ワイン造りは16世紀から行われていて、歴史はあるのですが、多くが家族経営の小規模生産者ばかりで、19世紀半ばのアメリカ禁酒法の時代にはカナダ産ウイスキーなどに生産を占拠されるなど不遇な時代もあり、国際的には日の目を見ることがなかったのです。しかし、近年は国際的な評価を受ける生産者も出てきて、注目されるエリアになりました。

そしてこのオンタリオ州は、移住者のオリジンも関係あるかもしれませんが、比較的、フランス、イタリア、スペインの旧世界のワインの味わい、スタイルに似通ったものに仕上げる生産者が多く、冬でも凍らないエリー湖やナイアガラ半島の土壌、特に石灰質土壌がぶどうに良い影響を与えているようです。
エリー湖南部のピーリー島周辺は日照量も多く水深が浅いため、温暖な気候になり、赤ぶどうの栽培に向いていると言われています。

カナダは移民が多く住む国ですが、移住先でも伝統的スタイルを残そうとする人々が多く、ともすればオリジンのヨーロッパよりも古き良きスタイルがそのまま残っている地域も多いようです。

そういった、文化の一つといえる食文化を探してみることも面白いかもしれません。