ワインの味は新しくなくていいかも

落ち度のない、洗練されたインターナショナルな味わいにちょっと飽きたといわれるワインラバーの方が結構いらっしゃいます。

私、筆者もその一人かもしれません。

特にフランス南部のコートデュローヌの変貌ぶりにちょっとショックを受けているのです。

AOC(原産地統制呼称)エリアの拡大により、以前は厳しく守られていた味わいと頑固に飲み頃を待つ楽しみがなくなりかけている今のローヌ(特に北部ローヌ)のスタイルに寂しさを感じています。

ということで弊社のワインリストのコートデュローヌ地方も少ないのはそのせいだけではないのですが、そんな時代の流れにも負けず、日々、ワイン探しを続けています。

そんな中で北ローヌで比較的、お買い求めやすく、テロワール(地味)を感じやすい生産者が多いと感じるのはやはりクローズエルミタージュとサンジョセフあたりかと思います。

近年のサンジョセフは果実味中心のスタイルが進行しているように感じられるのでクローズエルミタージュに絞ってみました。

fr-cdr-0004-ltr カーヴ ド タン クローズ エルミタージュ ルージュ グラン クラシック 2012 (赤) 

このワインはここの地域の協同組合が造っているのですが、味わい、生産システムがフランスで最も高い評価を受けています。

最も惹かれるポイントは会社ではなく、協同組合で農家さんがそれぞれに造ったぶどうを持ち寄り、その土地のスタイルをちゃんと残しているところにあります。

なんとなく、なつかしい、派手ではない味わいに行きつくならここ、という感じがするのですが。