フランスのすみっこで

フランスの端、スペインが見える地域で素晴らしいワインを造っている人がいるので紹介したいと思います。
何回かご紹介していますが、バスクエリアでフランス側にある地域、イルレギです。
この地域はフレンチバスクのビアリッツから山に向かうエリアにあります。
このあたりはのどかな牧畜エリアが広がる場所です。バシェリと呼ばれる農家が点々としています。そんな中にカーヴ イルレギというワインを造る協同組合があります。そこの説明を読んでみました。

1952年にアレクサンドル ベルグイニャンとピエール モニョネの2人が中心となり8軒のぶどう農家がワインの開発と製造を目的とした協同組合を結成しました。
そして創業者たちは1970年には今日のような組織を生み出します。
そしてワインの原産地統制呼称としてのイルレギの知名度を上げるために活躍します。
この地域の60%(140ヘクタール)から65万本のワインを造って販売しています。
カーヴ イルレギに参加しているワイン生産者たちは個人での販売を放棄し、組合全体でのワイン造りに特化しています。
それは消費者にこのエリアの味わいを変化させず、高いレベルを保ったワインを届けることを約束するためです。
このラベルは現在90生産者が集まって活気があり、良い仕事をしているということを表したものです。
このラベルを広めるために15社の協力で国内外の市場にカーヴ イルレギのワインを広めています。

エレガントで力強い赤
フレッシュで食事に向いているロゼ
果実の力強さがある白

赤ぶどう品種が植えられた領域は全体ほぼ90%を占めています。
タナ種、それは「bordelesa Beltza=ブラックボルドー」と呼ばれるフランスの南西部の伝統的なぶどうを表します。それは力強くバランスのとれたタンニンの構造に赤い果実(ブラックカラント、イチゴ)のニュアンスを与えます。

カベルネ・フラン種は、バスク語で「Axeria=キツネ」と言われます。バスク地方に起源があると言われるこの品種は、ワインの芳香フィネスとエレガンスをもたらします。これは、赤い果実、スミレ、スパイスの香りが特徴です。

カベルネ・ソーヴィニヨン種は、バスク語で「Axeria Handia=大きなキツネ」とよばれます。この地域では主要品種とは言えないぶどうですが、ここのワインのキャラクタのひとつを作り出しています。カシス、チョコ、胡椒の香りと、しっかりとした構造と果実味のボリュームを生み出しています。

白ぶどう品種は聖餐エリアの10%を占めています。
グロ・マンサン、バスク語ではIzkiriotaと言われます。フランスの南西部の典型的なぶどう、つまりアペラシオンの白ブドウの表面の大部分を表しています。これは、マルメロとアプリコットとスパイシーなフローラルタッチの香りと新鮮で美しい芳香を特徴としています。
プティ・マンサン、バスク語ではIzkiriota Ttipiaと言われます。このぶどうはワインのエネルギーとボリュームを与えます。シトラスとエキゾチックなフルーツとトリュフのノートと強い芳香。その新鮮さ、複雑さ、芳香の長さに驚くでしょう。
フランスにはあまり植えられていません。このぶどうは、芳香とミネラルのノート、しなやかさ、滑らかさと丸みをもたらします。

こんな感じですがイメージできたでしょうか。
すぐ横の河で採れる魚や農家さんで造っているフレッシュな羊のチーズなどと合わせたくなりますね。ここにはLa route de Fromageと呼ばれる、サン・ジャン・ド・リュッツから始まり、ピレネーの山中まで続く「チーズの道」なるおすすめのチーズ生産者エリアがあります。

ひとつ注意しなければいけないことがありました。このエリアはバスク語とフランス語が混じっているので2言語表記が当たり前のエリアだったのです。
この生産地がある地域の近くにはサン・ジャン・ド・ピエ・ド・ポーというフランス語読みの町がありますが、バスク語の表記でドニバネ・ガラシと言います。こんな感じで全く想像がつかない読み方が標識に書いていますので注意しなければなりません。
さらに目的地の農家さんに到着して、ホストの方の名前を言っても違う名前が返ってきます。そうです。農家さんには屋号があるのでみなさんそちらを使っているのですね。
例題は多すぎてここでは省略しますが、扉の上の看板を見ると名前とは違う屋号が書いてあります。
いろいろややこしいですがたどり着くと得るものがあります。

行けそうにない方は、家飲みで疑似体験をお勧めいたします。
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よろしくお願いいたします。