イタリアワイン 地中海で白ワインを作ること

イタリアワイン 地中海で白ワインを作ること
イタリア、トスカーナのアレッツォはフィレンツェとペルージャの中間にあり、シエナに程近い。歴史は古く旧石器時代の骨が発見されたり、古代ローマの歴史家ティトゥス・リウィウスはエトルリアの首都でもあった記述しています。その後古代ローマにも吸収された経緯がありますが、もちろんワイン製造の歴史も古くから残っています。古代ローマのワインは今の製法とは全く違ったスタイルでアンフォラを使って醸造されているのはジョージアなどで造られるアンバー(オレンジ)ワインに近い製法で香辛料や蜂蜜が加えられたり、松脂のような状態で加水して飲んだりされていたようです。いまの果実味や酸のきれいなスタイルとはまったくことなっていたことはたしかでしょう。つまりローマ帝国全盛の頃地中海沿岸で造られ、楽しまれているワインは酒精強化ワインやアンバーワインのようなスタイルであり、そのスタイルのワインを造るのに適したぶどうの栽培が行われていた傾向が想像できます。
今回紹介するトスカーナのカルロ タンガネッリはその伝統や古代のワインを意識していたのかどうかはわかりませんが、5代目のマルコ・タンガネッリは言います。「古代ローマ時代からトレッビアーノを造っていることには理由があります。ガレストロと呼ばれる石灰岩と泥灰岩の混じった土壌はトレッビアーノに最高の土壌なのです。」と言っているように現代のぶどう栽培においても最適な環境であると感じられます。
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はトレッビアーノの美味しさを最大限抽出するために、収穫は10月中旬以降に皮が強く厚くなった完熟の状態で行い、マセラシオンすることで皮のタンニンと旨味、深い味わいが楽しめるトレッビアーノになります。マセラシオンすることは、昔から行われている伝統的な造り方なのです。
ワインは飲み手の嗜好やマーケットによって味わいのスタイルを造られるものですが、本来ある環境にそって作られる、ぶどうにとってのベストスタイルを楽しむという違うアプローチを試してみることは新しい発見をもたらせてくれるでしょう。