ハンガリーの料理

古い歴史を持つ食文化に興味があり、いろいろ探求していますが、メディアの露出度はどうも、ヨーロッパの西側にフォーカスされることが多いようです。

ところが私は東側にも興味があります。

今、興味を持っているのはハンガリー料理です。ハンガリーの料理は数世紀の歴史を持つ調味法や調理法に基づいているといわれます。

もちろん、その間にハンガリー王国の領土拡大、縮小、ハプスブルク家による支配、オスマン帝国、ドイツ、ロシアによる支配などなど様々な外来文化が入ってきたためにいろいろな影響を受けています。

それらの影響を受けて、今ある形はなんといってもパプリカの使い方であると思います。

内陸国であるために塩味や香辛料などの使い方で食材を保存するということが第一義として考えられたのでしょうけれども、塩辛い料理のイメージが多いのではないでしょうか。

しかし、実際現地ではパプリカは100種類以上もあり、甘口のパプリカも存在し、見た目辛そうな真っ赤な煮込み料理でも辛くないものも多いです。


また、ドナウ川西岸で育てられるガチョウのフォアグラや「食べる世界遺産」マンガリッツァ豚なども有名です。

もともと遊牧民であったマジャル人の釜や鍋の煮込みがベースになった料理もよく見られます。

これらの料理には通常考えるとハンガリーワインが良いのではと思われがちですが、お勧めするのはクロアチアワインなのです。

cr-slv-0001 イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ セレクテッド (白)
cr-slv-0002 イロチュキ ポドゥルミ カピストラン ツルニ セレクテッド (赤)

クロアチアのこれらのワインはスラヴォニア地方という内陸部で造られるワインです。

こちらの地方はもともとハンガリー王国の一部であり、海の影響より、ドナウ河の影響を受けている土地といえます。

ハンガリー王国が縮小した時、周辺国に多くのマジャル人を残したため、彼らのコミュニティーもたくさん存在しています。

こちらのワイナリーも創業が1450年からと伝統ある生産者なので当然、マジャル人の嗜好を反映した造りになっていると思わせる味わいなのです。

自身の感想では、パプリカ、野菜、肉の煮込みなどのなめらかな味わいにみずみずしい柑橘やクエン酸のきれいな酸を持つ白や、細やかなタンニンを持つ赤との相性が良いように感じました。

テイスティングしながらその土地の歴史を考えてみるとなぜこんな味わいになったかが想像できます。

お試しください。よろしくお願いいたします。

Aqua Vitae
店長
河合