冷涼気候のワインを求めて~ハンガリーワイン新着案内~

さらに続いて、ハンガリーのワインのご紹介です。

hg-tky-0001-ltr シャトー デレスラ トカイ フルミント ドライ 2014 (白)

さきほどのカナダワインでも述べましたがカナダといえばアイスワイン、と同じ表現を使うとするならば、ハンガリーのトカイといえばトカイワインというように甘口ワインが代名詞となっている地域です。

このトカイもフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼと並んで世界三大貴腐ワインの生産地の一つとして知られています。

しかし、近年はシェリーやポートもそうですが、世界的に甘口ワインが売れなくなってきており、このハンガリーのトカイでも例にもれず、これまで作ってきたトカイワインの売れ行きが芳しくありません。レベルの低い貴腐ワインのカテゴリをどんどん廃止し、安いトカイアスーワインを市場からなくし、デイリーで飲みやすい、辛口のワインの生産を増やしだしています。

このトカイのエリアもワイン生産地のほぼ北限とされるカルパチア山脈の南に広がる、トカイエリア、隣国のスロヴァキアの一部を含めてトカイワインの生産地として認定されていますが、スロヴァキアワインも含めて、辛口ワインも10年ほど前にはとても評価できるワインではなかった印象でした。
しかしながら、この地域も天候の要素のみならず、17世紀にオスマン帝国の侵略を受けていたころにできたとされる貴腐ワインの文化が変わろうとしています。現在ではどんどん外資のワイン生産会社が投資、最新技術の導入を行い、2002年にはその歴史的、文化的景観が世界遺産に認定されるなど回りも環境も変わってきています。

そんな中で女性醸造家、エデッィト・バーイ氏の理念でもある自然、気候、土壌、それらを伝統と新しい技術を使いワインに写し取ることで、ユニークなワインを造ることの理想を感じ取り、新しいトカイワインとは何かを探してみてはどうでしょうか?