イワシとワタシ

この頃、イワシとワインの相性について考えることがありました。
近年はイワシの価格も上昇し、漁獲高も減少傾向にあるこの魚はワインとうまくマッチさせるのに難しいと感じました。
以前は、日本の食卓の代表的な焼き魚のイメージがあったものの、沿岸部や流通の迅速化により刺身、なめろう、カルパッチョで楽しむこともおおくなり、フライなど他国の料理法を取り入れるなど多様化しております。

青魚の味わいといえば独特の香りや鉄分を感じるイメージでしたが、新鮮な状態を維持して入荷するためか、そういう個性のようなものも和らいでいるように思えます。

普通に、魚とワインを料理で合わせるときに、魚の味わいや個性には白ワインが良いと一般的に言われます。

しかし、そんな状況から調理方法によっては白ワインのみならず赤ワインでもうまくいただけるものもありそうです。

ヨーロッパの調理方法を見てみると、パン粉につけて揚げたり、オリーブオイルで焼いてみたりして、焼けた皮や脂肪分は赤のほうがよく合うと思います。白身や内臓のほろにがい味わいは白が良いでしょう。

イワシは「鰯」、よわしのなまり、昔は肥料にも使われていたこともあるくらいですが、いまはその栄養価が見直され、ビタミンB、D、E、鉄分、カルシウムが豊富で、DHAが動脈硬化を防ぎ、中性脂肪を減少させる効果があると言われています。
港からサビキ(疑似餌)などで簡単にたくさん取れる魚を食べ方も含めて見つめなおしてみるのが面白いと感じました。