店長日記

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きっとこれは夕日だ
プーリア、カステルデルモンテのワインでひさびさにいいのを見つけました。
プーリアというと古代ギリシャ、ローマ帝国と栄華を極めた時代が夢の後のような荒涼とした大地が続きます。
ここは月面かメキシコか、と思わせるほど岩と山とサボテンしかない光景が広がります。
そんな何もない土地で若い人たちが何かを創造していきます。
この近くには世界遺産でもある洞窟住居マテーラがあります。ここもツーリズムで町を盛り上げようと若い人たちがたくさん働いているのを見ました。
その土地に伝わる伝統の製法を踏襲しながらも、新しいアイデアを盛り込んでいく。古いものと新しいものの融合、そんな表現が味にも現れています。
以前のプーリアワインといえば凝縮した濃い味わいのイメージでしたが、このワインには繊細さと生命力を兼ね備えています。
このワインはネロ ディ トロイアという品種から造られていますが、古代ギリシャから伝わる歴史を受け継ぎながら次の世代に何かを残そうとする力を感じます。
それはこのワインのラベルにも表現されているようです。世界遺産カステルデルモンテに沈む夕日にヒメチョウゲンボウが飛んでいく。昔から変わらないこの風景がこのワインにはぴったりです。
夏の夕日を見ながら夕食に合わせて頂きたいお勧めの一本です。
http://aquavitae.ocnk.net/product/434
よろしくお願いいたします。
新着ワイン オーストラリア 孤立した場所にこそ、原点がある。
2016年6月13日 第百九十八回配信
新着ワインのご紹介です。今日はオーストラリアからのワインです。
よく海外に行くと美術館に日本ではなかなか見られない美術品を目にしたり、日本人以上に日本の文化に以上に詳しい人にあったり、アニメなどのサブカルチャーを研究している人に会うことがあります。
それと同じとは言いませんが、ヨーロッパから遠く離れた場所にヨーロッパの文化の原点が残っていることを目にすることがありました。
今回選んだオーストラリアワインはそんなイメージで選んでみました。
価格の高騰、天候不順による収穫量の減少で私たちの普段の食卓からは遠ざかりつつあるフランスワインですが、味わいとポリシーが再現されていて、入手しやすい形でリリースしている生産者がいます。

ドミニク ポルテ フォンテーヌ シラーズ・カベルネ・メルロ
http://aquavitae.ocnk.net/product/441
ボルドーで9代にわたってワインメーカーの家系、父親のアンドレ氏は特一級の五大シャトーのひとつ、シャトーラフィットロートシルトの醸造責任者として20年間働きました。そんな環境で育ったドミニク氏にはシャトーラフィットのスタイルを体で覚えていき、それを実現させる理想の土地としてオーストラリアを選びました。
そんな彼が造るブレンドワインは冷涼地域のヒースコートのシラーズ、ヤラヴァレーのカベルネ、メルロを巧みにブレンドして洗練した味わいのワインを作ります。このワインの良さは何といってもそのブレンド感覚とそのテクニックによるところにあると思います。
20年前ファーストヴィンテージを出した頃に出会いましたが、彼はとても物静かで変なオーラは全く感じません。人間も達観するとこうなるものかと感心したことを覚えています。

パイクスワインズ トラディショナル リースリング
http://aquavitae.ocnk.net/product/442
ここのワイナリーも伝統ある生産地から造られたワインです。クリアヴァレーのリースリングの評価は世界的にも証明されており、オーストラリアリースリングを引っ張る存在であります。
この地区のリースリングの特徴はフレッシュなレモン、ライムにぺトロール香を感じるところですが、若さを楽しむだけではなく熟成の可能性も楽しめる一本です。

パイクス&ジョイス アデレードヒルズ シロッコ シャルドネ
http://aquavitae.ocnk.net/product/443
パイクス&ジョイス アデレードヒルズ ピノノワール
http://aquavitae.ocnk.net/product/444
いま世界の注目の産地となっているアデレードヒルズ。この生産者の名前も様々な評価本で目にすることになりました。園芸農家として丁寧な仕事ぶりがその味わいにも表現されています。
品種の個性をこの冷涼な地域でそのまま見せてくれる味わいはスタイリッシュで現代的な洗練された味わいです。

昔のヨーロッパの個性がそのまま残っているワイナリーを世界中から丁寧に探していきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。

新着ワインのご紹介です。この季節は自然と体に染みわたる味わいがおすすめです。ほっとするワインです。

スペインから、
イルスタ ゲタリアコチャコリーナ ベレシア(白) ¥2,890-
選果されたぶどうの味わいをそのまま感じることができます。
http://aquavitae.ocnk.net/product/440

オベルゴ フィンカ ラ マタ(赤)¥2,300-
夏に肉料理と合わせたいタンニンの引っかかりがなくなめらかな味わい
http://aquavitae.ocnk.net/product/439

デ アルベルト ヴェルデホ(白)¥1.790-
夏野菜、魚介料理、鶏など繊細な味わいと。
http://aquavitae.ocnk.net/product/438

デ アルベルト ドラド(酒精強化)¥1,530-
アペリティフや食後に優しいナッツの香りをお楽しみ下さい。
http://aquavitae.ocnk.net/product/437

イタリアから
コルヴェッツォ プロセッコ フッリザンテ テッレ ディ マルカ 2014(白・泡)¥2,210-
暑い夏を迎えちょっと濁りのあるぶどうのエキスを感じるスパークリングをどうぞ。
http://aquavitae.ocnk.net/product/432

フォルナーロ ソアヴェ クラッシコ 2013(白)¥2,300-
果実とミネラルで土地の味を見事に表現しています。やさしい味わいがほっとさせます。
http://aquavitae.ocnk.net/product/433

カルペンティエーレ コッレ デイ グリライ カステルデルモンテ ロッソ 2012(赤)¥2,130-
プーリア州土着品種のなめらかな味わい。高い標高で造っているので南のワインとは思えません。
http://aquavitae.ocnk.net/product/434

スロヴァキアから
ストレコフ1075 ヴァヴリネツ 2014(赤)¥4,080-
最近はやりのオレンジワインスタイルの原点、ジョージア、カヘティのスタイルで旨味を出した味わい。
http://aquavitae.ocnk.net/product/435

イベントのお知らせ
6月12日日曜日11-17時 恵比寿マルシェ
こちらもお待ちしております。お問い合わせください。

店長
河合
http://aquavitae.ocnk.net
スペインワイン試飲会記
昨日ですが当店としてオフィシャルには初めての試飲会を開催しました。
きっかけとなったのは輸入業者さんのお誘いだったのですが、その方にはこのお店を立ち上げるにあたり、手を貸していただいた方の一人でした。その方に恩返しというわけではないですがなにかワイン販売の手助けになることをしなければと思い、急きょ開催することになりました。
今回のテーマはスペインワインをテーマとした試飲会だったのですが、共催していただいた輸入業者さんはもともとフランスワイン畑を歩いてきた方でスペインワインは近年力を入れている分野です。

一方私は、筆者は前職から16年ほど前から日本ではマイナー生産地担当といえる畑を歩いてきたので、フランスのシャンパーニュ、ボルドー。ブルゴーニュ、カリフォルニアなど日本市場にいつも華やかな話題を提供するような生産地やセレブレーションな生産者とは違う、商売っ気のない職人のような生産者さんをフォーカスすることが多かったのです。そのため、そのころから日本ではマイナーな生産地について多くの勉強をしてみようと思い立ち、いろいろ学んだのですが、そのあたりからお手伝いすることにしました。

今回のラインアップはバスクエリア、ピレネー山脈のソモンターノ、カスティージャ イ レオンのルエダとそれぞれが歴史のある畑を持ちながらも現代的なスタイルに仕立てる生産者が揃いました。スペインの現代芸術さながらのワインたちが並びました。

バスクエリアではチャコリン(スペイン語はチャコリ、バスク語ではチャコリンといいます)ですが、これまでのチャコリンのスタイルとは違うイメージ。ハモン(生ハム)のような冷たい脂に合う味わいが共通しているイメージです。ここも現代的な味と言いましたが歴史ある生産地。しかしここも17世紀頃ぶどう生産が衰退、フィロキセラ(ブドウネアブラムシの病虫害)などで一度ぶどう生産がなくなった歴史を持ちます。

山麓という意味を持つソモンターノはよくニューワールドと言われますが、私のイメージでは全然そんなことはないとおもいます。8世紀にイスラム勢力がイベリア半島を征服したころでさえフランク王国が今のスペインとの国境、すなわち、緩衝地帯としてピレネー山脈にスペイン辺境領を置き、それがアラゴン王国になったわけです。つまりいちばんスペインらしさを残している地域と言えるのです。表面では外来品種を使ったりしていることでニューワールドのイメージがあるのですが、その中では歴史あるスペインが脈々と受け継がれている流れを読み取ることができるのです。同じアラゴン州の生産地、カリニェナは1930年頃、リオハやへレスと同じ時期に原産地呼称を取得しています。しかしその後のスペイン内戦の不幸な出来事でワイン生産が放置された時期があるなどの流れがあります。

ルエダはかつて、パロミノから造られるシェリー・タイプの酒精強化ワインの産地でしたが、1970年代以降に、醸造技術の転機が訪れ、ヴェルデホから造られるフレッシュな辛口白ワインの産地へと生まれ変わりました。
今回来日された生産者デ アルベルトのヴァネッサさんに丁寧な説明をして頂きましたが、
今回リリースしていただいた酒精強化ワイン、ドラド、サイティナはパロミノ種ではなくヴェルデホ種で造られていてへレスのシェリーに比べて、果実の素性の良さを表現しています。ほんのり果実味に柔らかい口当たりでした。

それぞれの産地で個人的にお勧めなのは
バスクエリアでは、 
イルスタ ゲタリアコチャコリーナ ベレシア(白) ¥2,890-
ぶどうの良さが分かる

イチャスメンディ エクリプセ(赤) ¥4,250-
きれいなピノノワール、ブルゴーニュの価格を見るとお買い得

ベルデュイ アルド アパルデューナ ブリュット ナトゥレ サンティビクトリス エ サンティヤコビ(白・泡)¥3,230-
ドザージュゼロで食事を引き立てる。

ソモンターノは
オベルゴ フィンカ ラ マタ(赤)¥2,300-
メルロ、カベルネソーヴィニョン、ガルナッチャのブレンドでクリアなボルドーワインスタイル。スペインらしく牛肉を使った料理と試したい。

ルエダでは
デ アルベルト ヴェルデホ(白)¥1.790-
デ アルベルト ドラド(酒精強化)¥1,530-
パッションフルーツのようなヴェルデホではなく、きれいな酸が骨組みになった繊細な味わい。
野菜の苦味や魚介料理とよいコンビネーションを発揮しそうです。

新しいスタイルのワイン、ぜひお試しください。

小さな試飲会でしたが、ご来場頂いた方々とひとりひとり丁寧にご説明、お話を聞くことができて、個人的には実りある試飲会だったと結論付けました。

よろしくお願いいたします。

イベントのお知らせ
6月12日日曜日11-17時 恵比寿マルシェ
こちらもお待ちしております。お問い合わせください。
2016年6月04日 第百九十五回配信

梅雨の気配もなくからっとした天気が続いています。ヨーロッパでは大雨が続き、ドイツ南部やフランス北部では主要河川の水位が上がってきて氾濫しかかっています。ぶどうの産地、ソミュールなどのお城がたくさんあることで有名なフランス北部のロワール渓谷でも避難が始まっているようです。パリは地下が穴だらけなのでこれから大変だと思います。早く天候が回復して水位が戻ることをお祈りしています。

さて、かねてよりワインリストの側面からお手伝いしておりましたお店が6月1日オープンしました。

秋葉原駅前、御徒町方面に徒歩5分程度のところにある「ビストロTERIYAKI」さんです。
お店の名前はTERIYAKIということですがこの名前は今やインターナショナルな言葉になっているTERIYAKIのイメージで世界のいろんな美味しいものを集めてにぎやかでモザイクなイメージのお店です。ちなみにこのお店のメニューにはてりやきはありません。

では店内に入っていくとどうでしょうか。ひとことでいうとカジュアル。価格も良心的でおいしいものをおなか一杯食べて仲間とわいわい、というイメージでしょうか。
このお店がオープンする前は居酒屋で活躍していた若いメンバーが新たにチャレンジで立ち上げたお店ということで店員さんも元気でパワーをもらえます。

私も彼らのチャレンジと元気な動きを見てよりパワーアップしてお手伝いさせて頂いています。6月、7月は週2回程度、お店に詰めてワインのおすすめサポートを行っています。
よろしければふらっと立ち寄る感覚で遊びに来てください。

詳細はぐるなびサイトでチェックしてみてください。
http://r.gnavi.co.jp/9s18zwhk0000/

よろしくお願いいたします。

イベントのお知らせ
6月7日火曜日14-17時 スペインワイン試飲会
6月12日日曜日11-17時 恵比寿マルシェ
こちらもお待ちしております。お問い合わせください。

そろそろお中元商戦というものが始まる時期です。
そこで当店でもセットを作ってみました。

スペイン、カヴァ、スパークリング(白・ロゼ)セット
セット税抜価格:¥3,410-
暑くなってきたこの季節に冷やしてすっきりと飲みたいセットです。
この地域の小規模生産者が力を合わせて作ったカヴァ。
http://aquavitae.ocnk.net/product/429

スペイン、リオハ、赤白ワインセット
税抜価格:¥1,580-
デイリーワインとして冷やして軽く飲めるセットです。ラベルのイラストが伝えるようにアウトドアに持ち出していきたいアイテムです。
http://aquavitae.ocnk.net/product/430

オーストラリア、マーガレットリヴァー、赤白ワインセット
税抜価格:¥7,020-
リッチな果実と樽香が贅沢な味わいで、豊かな味わいのテーブルを演出するお手伝いをします。ラベルにはぶどうの樹になる音符のアートラベルが印象的です。
http://aquavitae.ocnk.net/product/431

よろしくお願いいたします。
2016年5月27日 第百九十三回配信
スペインのアンダルシア、へレスからイダルゴという生産者の八代目、取締役のフェルミンさんが来日されました。そこで来日セミナーをされるというので勉強会に行ってきました。
シェリーの基本的な概念と地理学、醸造方法などの基本的な部分を丁寧に解説いただきました。
すごく若い当主でしたがプレゼンテーションもフレンドリーで楽しい時間があっという間に過ぎていきました。
ところで自身の経験ですが、自分もへレスでシェリーを飲んで、文化と味わいに感動したのでぜひ機会があれば日本で広めてみたいと思っていたのですが、日本の文化にシェリーをどうやって入れていくか、スペインの味わいに日本の味わいをうまくマッチングさせる方法を考えていました。
試飲したシェリーはマンサニージャ、オロロソ、アモンティリャード、クリーム、ペドロヒメネス、シェリーブランデー、パロ・コルタド、新しくソーヴィニョンブラン、パロミノから造った白ワインでしたが、全体的に他社の同じカテゴリのアイテムと比較してみるとエレガントなイメージです。彼らも日本の生の魚や前菜に合うと言っていました。
マンサニージャはサンルーカルのみで作られるフィノタイプの白ワインですが、海の近くで作られるせいかよく潮の香りがするといわれていますが、個人の試飲感覚ではそれはあまり感じませんでした。サービス温度が少し高かったせいでしょうか。
それに対してオロロソ、アモンティリャードは比較的キレのある印象でした。
醸造過程の中で宣言されるパロ・コルタドもコクというよりキレを感じるタイプ。
フェルミンさんの説明ではへレスの中でも標高が一番高い畑で作られ、涼しいカテドラルのようなボデガで醸造されるのでボデガの中は水を撒く必要もないほど気温と湿度が安定しているとのこと。そんな中で造られたパロ・コルタドはオロロソでもなく、アモンティリャードでもない中間の存在にあるけど、感覚的に言うとアモンティリャードに近いかなと思いますとのコメントでした。
いずれのカテゴリでも熟成させた白ワインを良い状態で安価に試すことができるアイテムとしては今の日本の市場にはおすすめです。味わいについても巷でよく言われるアルコール感、揮発感がハードリカーのようで強いお酒のイメージがあるといわれる印象ではなくなじみやすいアイテムですので普段、それほどワインを飲まない方にでもお勧めのアイテムと言えます。
地元では小エビや魚の揚げ物と一緒に頂く機会が多いですが、普段の食卓でも軽く一杯飲むことで食事がすすみます。
ソーヴィニョンブラン、パロミノの白ワインも果実の味がフレッシュで気軽に飲めて、印象深いアイテムでした。
近々、入荷予定とのことですのでご興味がありましたらお問い合わせお待ちしております。

面白い話を聞かせて頂きました。
イダルゴの登録商標であるラ ヒターナ(ジプシー)についてのトークです。
マークに記載されている女性はイダルゴのワインのサービスを行っている女性でしたが、彼女のサービスするワインが評判になってそのうち、彼女と当主が恋に落ちたとのこと。その彼女がマークになっているのですが、いま社長執務室ではそのヒターナの登録商標と当主の写真を監視する(にらみつける?!)ように夫人の写真が立てかけてあるとのことです。

よろしくお願いいたします。

イベントのお知らせ
6月7日火曜日14-17時 スペインワイン試飲会
6月12日日曜日11-17時 恵比寿マルシェ
こちらもお待ちしております。お問い合わせください。

Wine Shop Aqua Vitae
店長
河合
http://aquavitae.ocnk.net

オーストラリアからの新入荷です。
オーストラリアは近年天候不順などで農家の方々のご苦労もよく耳にします。
そういうときこそ歴史ある土地に戻ってワインを探しました。
今日のご紹介アイテムは南オーストラリアから赤のバロッサワイン、西オーストラリアから白のマーガレットリヴァーのワインです。
バロッサはオーストラリアの中でも最古の産地の一つと言われています。そのためフランスにとってかわるイギリス向けのワインが古くから造られていましたが、やがてそれがバロッサのスタイルになったと言われます。
この赤のエルダトンは1904年植樹された畑をアシュミード夫妻が購入し、1982年に初リリース。高品質のバロッサワインにこだわり、樹齢65~105年の古木から濃密な香りと複雑な味わいのシラーズを造ります。
味わいは伝統のスタイルを守り抜き、森の黒い果実、チョコ、ヴァニラの香り立ちに、スパイスに縁どられたプラムとベリーの果実味がリッチな口当たりですが、そのなめらかさがやみつきになります。
エルダトン バロッサ シラーズ
http://aquavitae.ocnk.net/product/425

一方、白ワインの生産地マーガレットリヴァーは世界で最も孤立した都市、西オーストラリアのパースから南に270kmの場所にあります。オーストラリア人なら車で簡単に飛ばしていってしまうくらいですね。
ここは白ワインの生産地としては昔からその可能性の高さに言及されていましたが食、サーフスポット、森林浴などリゾート地としても高い評価を受けていました。このルーウィンエステートはその地に世界のエンターティナーを招いてのコンサートやリゾート施設を作り、そこにワインを一つのピースとしてなくてはならない要素としています。
その中でもフラッグシップとしての位置づけのシャルドネはレモン、ライム、洋ナシのアロマで、鮮やかに芳香で、エレガントな印象。桃の花、ジャスミンにカルダモン、アーモンド、燻したカシューナッツの香ばしさが広がり、純粋な口当たりで、力強さと持続性がある。毎年安定したクオリティで世界的評価も高いアイテムです。
ルーウィンエステート プレリュード シャルドネ
http://aquavitae.ocnk.net/product/424

よろしくお願いいたします。
スペインワイン新入荷です。
スペインのバルセロナなどのカタルーニャ、ビルバオなどバスクで色使いの鮮やかさの印象が残る現代アートが多い土地ですが、ワインにおいてもそういう作品が入荷しました。
今回入荷したアスル イ ガランサは若者三人が2000年に設立した新しいワイナリー。
ワイン造りを担当するダニエル・サンチェス・ノゲ、マリア・バレナ・ペルスネギ、ラベルなどのイメージを作るマリアの兄、フェルナンド。
彼らが理想とするワイン造りを行うために技術に偏るのではなく自然の表現を手助けすること、を共有してこだわりました。そして理想の地をヨーロッパ唯一の砂漠地帯、ラス バルデナス レアレス国立公園にほど近い位置にあるカルカスティーリョ村に廃墟となった協同組合。そこで有機栽培に新しい技術を持ち込み育てたぶどうはまさにアートといえる出来栄えです。
柔らかいタンニンと果実が飲み飽きないデイリーワインとしてお勧めのシリーズの入荷です
アスル イ ガランサはまさにスペインの空の青、アスルと太陽の深紅色の意味、ガランサで、彼らのエネルギーを感じます。
アスル イ ガランサ ヴィティス デ アスル イ ガランサ 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/421
アスル イ ガランサ フィエスタ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/426
アスル イ ガランサ アブリル デ アスル イ ガランサ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/419

よろしくお願いいたします。
ギリシャワイン新入荷いたします。今回のワインのポイントは1997年にできた新しいワイナリーの作ったワインですがそのバックボーンにとても歴史を感じるものがあります。
この生産者、キリ・ヤーニはもともと1879年からワイン造りを行ってきた、ブタリ・ワインを運営する名門ブタリス家の四代目当主。
そしてこのワインが作られている土地はギリシャ北部のマケドニア地方。
アレキサンダー大王の出生地を含む古代マケドニア王国の領域であり、EUの規制を受けていない女人禁制の男子修道院による自治区であるアトス自治修道士共和国(通称:アトス山)も存在しています。
気候の側面からみても標高の低い部分は地中海性気候ですが北部のオリンポス山がある産地は高山気候のため山頂では氷点下27度を記録するなどとても冷涼な気候です。
基本的には起伏に富んだ地形ではありますが、マケドニア地方は豊かな農業地帯といえます。ハルディキ半島、タソス島、オリンポス山は農業が重要な産業です。
そこで育った赤のクシノマヴロはギリシャ語で「酸と黒」を意味し、ピノノワールやネッビオーロに並び称される味わいがあり、骨格の強さ、複雑なアロマが注目される品種。白のロディティス、マルグチアは果実味とアロマの個性があるワイン。バルカン半島の名物と言えるムサカ、ケパプ、ブレク、タラトゥル、など、スパイスの効いた肉料理。白には川魚とよいペアリングが期待できます。

キリ ヤーニ カリ リーザ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/422
キリ ヤーニ パランガ ホワイト 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/423
よろしくお願いいたします。

イベントのお知らせ
6月7日火曜日14-17時 スペインワイン試飲会
6月12日日曜日11-17時 恵比寿マルシェ
こちらもお待ちしております。お問い合わせください。
続いて泡を楽しむ季節にカヴァのオファーです。
スペインでシャンパーニュと同じ製法でスパークリングワインを作っている地域、D.O.カヴァがあります。
その中で 「ピメカヴァ (PIME CAVA = 中小カバワイナリー協会)」という団体を紹介します。中小規模のカヴァ生産家の発展を目的として2006年に発足。現在スペインにある268社のカヴァ生産者のうち、90%が中小規模の生産者でありながら、全体の10%に満たない大手生産者が生産ボトル数の9割近くを占め、大きな影響力を持っています。そのような状況の中、家族経営のボデガの造る個性的なボトルを多くの市場に届けるため、互いに協力しあい市場研究・開拓をすることを目的としてピメカヴァはスタートしました。
その団体の会長を務めるシャビエル・ナダル氏のファミリーが経営するワイナリー。ペネデス・セントラルのほぼ中央エル・ブラ・デル・ペネデス村にあり、ボデガの前に43の区画に分けられた100haの自社畑を所有。ナダル家は1510年から続く古い家系で、19~20世紀にかけて葡萄栽培を行い、フランスで醸造学を学んだシャビエル氏の祖父が、自ら栽培、醸造、瓶詰めまでを行うようになりました。ナダルのカヴァは全て自社畑産葡萄を使用。伝統3品種、チャレッロ、マカベオ、パレリャーダの栽培にこだわっており、農薬を極力使わないリュット・レゾネ(減薬農法)を採用しています。

小規模生産者がみんなで手を取り合って助け合っていく、自身の体験からも共感ができる人たちです。
週末の午後の昼下がり、ゆっくりグラスを傾けるにはおすすめのカジュアルスパークリングです。

ナダル カヴァ ブリュット
http://aquavitae.ocnk.net/product/417
ナダル カヴァ ロゼ
http://aquavitae.ocnk.net/product/418
よろしくお願いいたします。
外でワインを楽しむ季節になりました。
シャンパーニュからアラン・ティエノ ブリュットが入荷しました。
このアラン・ティエノ氏は1985年にメゾンを設立しましたがもともとシャンパーニュで働いていた家系で、銀行員を経て、1976年にシャンパーニュのアイ村とメニル・シュール・オジェ村で畑を購入し、メゾン経営の夢をスタートさせます。シャンパーニュ地方においての20年近く仲買人として活躍してきたアラン・ティエノは、シャンパーニュの丘陵をくまなく歩きながら蓄えたその豊富な知識と、栽培農家との密接な人脈を礎に、量より質を、保守主義よりも創造性を重んじながら偉大なメゾンの中でその地位を築き上げてきました。
ここにも経営者精神が反映されています。
筆者もテイスティングしてみましたが泡が細やかできれいな印象です。さらにしっかりしりんごや洋ナシ、チャーミングな赤果実を感じる白ワインの味わいを感じます。これは良い葡萄が収穫された年に造られた優れたブレンド用のワイン、リザーブワイン(ヴァン・ド・レゼルヴ)その配合が品質に強い影響をあたえる為、良いリザーブワインの確保が作り手にとって重要であると言われていますが、これをふんだんに使用しているところが彼の手腕の見せ所と言われています。
このワインをおすすめする理由はまさにここにあります。
シャンパーニュは白ワインです。ある生産者いわく、泡はアクセサリーのようなもの、評価は白ワインにあるとおっしゃっていましたが、その言葉の通り、白ワインの評価としては卓越したものを感じました。
そしてその評価のひとつとして2013年~14年アカデミー賞授賞式公式シャンパーニュに採用されました。
セレブレーションとして供するシャンパーニュとしてはラベル、味わいともに華やかなイメージがありますが、味わいもしっかりと楽しめるこの季節のおすすめアイテムです。

ティエノ ブリュット NV
http://aquavitae.ocnk.net/product/416

ただいま、初回販売キャンペーン中です。6本でさらに特価オファーもご用意しております。
よろしくお願いいたします。
春の穏やかな季節にトスカーナからのワインが入荷します。
キャンティとモンテプルチャーノの中間地点、アレッツォのカスティリオン・ふぃおれんティーノでワイン造りを続けるカルロ・タンガネッリさん。
トスカーナといえばサンジョベーゼ、赤ワインのイメージですが、彼はこの地が古代ローマ時代から白ワイン用のぶどうを造るのに向いている土地だと言います。
「古代ローマ時代からトレッビアーノを造っていることには理由があります。海風と山風による寒暖激しいミクロクリマが、香り高く酸のしっかりした素晴らしいトレッビアーノを産むのです。ガレストロと呼ばれる石灰岩と泥灰岩の混じった土壌はトレッビアーノに最高の土壌なのです。」
ワインもとても自然な造りですが、そのスタイルを象徴するかのように畑にたくさんの鳥の巣を設置しています。害虫から畑を守るあひる、くじゃくなど多くの鳥が畑にいます。
「この地で生まれ、この地で育った私にとって、この地でワインを造ることは幸せなことです。剪定はすべて私一人で行っています。毎朝起きて農作業することが楽しくてしょうがないのです。」
カルロさんワインの完成度を追求するだけではなく、取り巻く環境の全てに配慮し、その空間で共生することを考えています。
カルロ タンガネッリ アナトリーノ 2014 (白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/44

7月にはあひるだけではなくクジャクラベルのワインも入荷予定です。

シチリアからはオンリストしているウーヴァタントゥムのアレッサンドロが新しいブランドを立ち上げました。
アレッサンドロ ヴィオラ シンフォニア 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/414
アレッサンドロ ヴィオラ ノート ディ ロッソ
http://aquavitae.ocnk.net/product/227
ぶどうをかじったような自然な味わいとアルコールが体の中で自然に分解される感覚、翌日の朝のすっきり感がウーヴァタントゥムと同じように楽しめます。

よろしくお願いいたします。
今日、5月3日は日本ではゴールデンウィークの真っ最中で多くの人が休暇を過ごしている時期だとおもいます。またそうでもなく勤務にいそしむ方も多くおられると思います。
今日5月3日はイタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官であった、ニッコロ マキャヴェッリの誕生日だったんですね。
フィレンツェのウフィツィ美術館にも彼の像があります。

彼の思想については日本語でも図書になるほどですが、いくつか印象に残る言葉があります。

「仮に運命が思いのままに人間活動の半分を裁定しえたとしても、 少なくともあとの半分か半分近くは、運命が我々の支配に任せてくれていると見るのが本当だ。」

「君主足らんとするものは、種々の良き性質をすべて持ち合わせる必要はない。しかし、持ち合わせていると、人々に思わせることは必要である。」

「君主は、悪しきものであることを学ぶべきであり、しかもそれを必要に応じて使ったり使わなかったりする技術も、会得すべきなのである。」

「われわれの経験では、信義を守ることなど気にしなかった君主のほうが、偉大な事業を成し遂げていることを教えてくれる。」

「恩恵は、人々に長くそれを味わわせるためにも、小出しに施すべきである。」

「君主たる者、けちだという評判を恐れてはならない。」

「君主にとっての敵は、内と外の双方にある。これらの敵から身を守るのは、準備怠りない防衛力と友好関係である。」

「変革というものは、ひとつ起こると、 必ずや次の変革を呼ぶようにできているものである」。

「運命の女神は、積極果敢な行動をとる人間に、味方する。」

「天国へ行くのにもっとも有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。」

「良い面を残そうとすれば、どうしたって悪い面も、 同時に残さざるを得ないのである。」

などなどばらばらと挙げてしまいました。
この人が印象に残るとおもったのは歴史上の人物は肖像画でも言葉でもそうですがすごく美化された部分だけが後世に伝わってしまって人間らしい部分というのがなかなか表にでてこないことが多いものですが、彼の言葉には人間らしさを感じて親近感を覚えるのです。
そんな彼は若き頃にワインやオリーブを作っているのです。しかし、16世紀のキャンティクラッシコですからまだまだ世界的に評価を得ているものでもなく、その事業がうまくいったというものでもなかったようですが。

近年のトスカーナワインはモダンスタイルのきれいなタイプのみならず原点回帰的に伝統的な味わいも人気が復活しているようです。それにしてもキャンティクラシッコエリアはいろんな場所が一緒くたにくくられていますから同じラベル表記でも味わいはピンキリです。そんな中で自分に合った正しいワインを選ばないと、キャンティ クラッシコのイメージは良くないイメージが残ってしまいます。

お手頃の価格でおすすめのワインは

パクラヴァン パビ マルヴァジア ディ トスカーナ(白)

カイノーザ キャンティ コッリ セネージ
テヌータ ディ ノッツォーレ キャンティ クラッシコ
ペトローロ トリオーネ
です。お休みの中でお楽しみいただけます。

よろしくお願いいたします。
2016年4月27日 第百八十四回配信
春になって旬の食材が出てきました。日本ですと春は野菜の季節でしょうか。
春野菜とワインのマリアージュを考える機会も多くなってきました。
選択するワインを考えるときにワイン自体の味は参考にするのはもちろん香と色も重要な要素になります。
野菜に合わせるワインはおそらく白ワインが多くなる可能性が多くなるかと思いますが、(白ばかりではない赤もありますが)その白ワインでも色調をよく見てみると緑がかっているワインや黄色やゴールドに近いワインがあります。この色調を野菜の色調とあわせてみることが選択の目安になります。
シャンパーニュなどのスパークリングにも合わせる選択肢がありますが、スパークリングは熟成した味わいですので比較的どんなものにでも合わせられます。
香りは柑橘系、ハーブ系など様々な香がありますがソースのイメージで合わせてみるのが良いと思います。
味わいの判断はミネラル、酸との相性になりますね。調理方法や火の入れ具合によって味も変わりますのでここはいろいろな選択肢ができますが、私の考えではこんな時はワインの生産地ではどんなものと食べられているかをイメージします。
こんな情報も当店ではアドバイスしております。
こんなことを考えていると今夜のおかずを考えるときにも悩まなくてすむかもしれません。
コンシェルジュのイメージでお問い合わせお待ちしております。
よろしくお願いいたします。
世界のワインというのは天候、マーケットの嗜好、生産者の意図など様々な要因で同じ場所、同じ葡萄で同じワインを造っているにも関わらず、その味わいは毎年変化しています。
同じワインを試飲していても毎年その味わいは違います。
そんなときにいろいろ考えます。収穫年の一年を通じての天候はどうだったのか?生産者ファミリーの人たちには何かあったのか?ここまで届くまでの過程でなにかあったのか?
などなど、でも普通に飲むことを楽しむ方々にとってはグラスを近づけたときの五感を楽しむだけなのです。いわば一期一会と言えるものなのですが、こちら側としてはなるべくストライクを投げてあげたい、というのが届ける側の人情というものです。

今回はスペイン南部、アンダルシアの手前にあるムルシア、フミーリャのワインを試飲してみました。
これまでのフミーリャのワインというのは当地の焼き付くような太陽のもと、しっかりと熟したぶどう、主にモナストレルという地ぶどうで作られたワインは以前のヴィンテージのイメージ、当地の嗜好から色調、果実の凝縮感のあるワイン、日本人にとってたくさんは飲めないかも、というイメージを与えていました。

今回お勧めのフミーリャワイン、は

ボデガス ペドロ ルイス マルティネス カルミネ
http://aquavitae.ocnk.net/product/339

ですが、これまでのフミーリャのモナストレルワインのイメージを変えるものになっていました。
ここの畑は夏の暑さは40℃以上、ぶどう生育期間の日照量が3000時間以上あるフミーリャの中でも標高700mと高い場所で作られていて、昼夜の寒暖差があり、石灰質の土壌、樹齢は50年程度と味の要素がしっかりとできる環境にあります。
これは当地のイメージですが、カルタゴ人がカルタヘナの港を作って以来、ローマ人、イスラム支配下でも生き残ったワイン造りの歴史もこの味の要素に影響を与えるのかと思わせます。
色調は名前の「カルミネ」のとおり、深い赤色ですが、味わいは意外にエレガント。デイリーとしては飲みやすく、味も単調ではないのでごはんと一緒に楽しんでいるとあっというまになくなってしまうほどでした。
ムルシアというとスペインの・・・というイメージよりも地中海の文化という感じです。
バレンシアのパエージャもありますが、普段はレンズマメ、ヒヨコマメ、インゲン、オリーブが飽きずに毎日食べられる料理が多かったイメージでした。オリーブオイルを使うので肉や魚のようなタンパク質の食材ばかりではなく、こんな野菜の料理とも合わせてみると面白いと思います。是非お試しください。
よろしくお願いいたします。
2016年4月21日 第百八十二回配信
表題のコンクールがアルゼンチンのブエノスアイレスで行われていました。日本からもお二方、ソムリエが出場されておりました。健闘されましたがセミファイナリストということでした。
大会終了後、元世界チャンピオンの田崎真也会長のコメントが発表されています。
https://www.youtube.com/watch?v=gkqsMoQ0yj4&feature=youtu.be
これを聞いてみました。

世界との差、サービス技術はほとんど差がない。チャンピオンは若い世代でもいるので経験の長さというより深さが必要でしょうか。
語学力の差、表現の方法が世界トップ3との差がある。これは日本人の英語能力というよりも、どの国の人にとっても外国語を話すということに壁があるということ。
ホストがゲストを招待して、意思疎通がうまくいかないとせっかくの会も台無しになってしまうということでしょうか。
試験の範囲が広がっています。ワインのみならずあらゆる飲み物、食材について知識が求められる。日本酒の問題についても日本人がほとんど知らないようなレベル。
これらを網羅して来店されるお客様へのホスピタリティ、満足してもらえるサービスを与える。
勉強しなければならないことがたくさんありすぎて、最後は運というかタイミングなのか、大会での振る舞いに慣れているのかな、と思わせます。

こんなたいへんなことを経て技術力を競うことは決して、筆者にとっても関係のない話ではないと思います。お客様に対してソムリエだけではなく流通に携わる全ての人間が問題解決のためにある程度は浅く広い知識が必要だと感じさせられます。
当店も小さいながら、お客様と向き合って、何を選ぶかという問題解決を行わなければなりません。
しかも、それほどメジャーでもない土地で知らない国の人が造ったものを口に運ぶまで持ってくるにはその人に確信と納得を持ってもらわなければなりません。
有名人が選んだワインだからその購入者にとってうまいというわけではありません。
その人なりの食歴や経験に裏打ちされた嗜好を読み解く必要があります。
そういう商売をしていくにはどうしすればいいかいつも考えさせられます。
それには作っている人の思い、運んでくる人の思い、そういった思いの連鎖をお客様に伝えられればいいなと思います。
よろしくお願いいたします。
今回ご紹介するワインはイタリア、シチリアで作られているワインなのですが、シチリアってイタリアなのでしょうかと来るたびに思わせてくれます。
地政学から見ると地中海の真ん中にあって、東西の交流地点でもありますし、歴史的にみてもギリシャ、カルタゴ、ゴート、スペイン、フランスなど様々な支配もありました。
近年ではアフリカや中東から避難される方々も多くいて、人種のるつぼとなっていますね。
今回のワインの名前はUva tantum Aurum (ウーヴァタントゥム アウルム)。
http://aquavitae.ocnk.net/product/228

ラテン語表記で、意味は“only grapes” と”gold”です。つまりぶどう以外なにもはいってないよ、ということなのですが、様々な文化が入り混じった土地で無農薬栽培のピュアなネロダーヴォラとシラーというぶどうを使っているというのはおもしろいですね。もちろんSo2も入っていません。
これを作った人はアレッサンドロとガエタノという若者ですがもともと、パレルモの海岸沿いに住んでいたサーファー仲間でした。ワイン醸造もしっかり勉強されているようでアレッサンドロはピエモンテやグルジアで添加物を排除した自然農法を学びます。ガエタノはおじいさんの影響でぶどう造りを手伝っていたとのこと。

そんな彼らが造るワインはイメージだけ見るとアフリカのような太陽が当たってぶどうが完熟して凝縮した味わいになっているのでは、とイメージされると思いますが、飲んだ印象は全く違います。
本当に自然のものしか入っていなくて体の中に自然に吸収されていく感覚を覚えるくらい、なめらかな味わいです。
そしてシチリア料理とも良く合います。
場所柄、クスクスなどアフリカ料理やケバブなど中東料理も多い場所で、海が近くなので魚介類もありますが、シチリア料理の神髄は野菜にあると思います。
肉もマルサラソースなどしっかりしたソースを使っていることが多いですが、意外にエレガントな味わいを演出してくれるレストランが多かった印象があります。
共通して言えることは素材の味を活かしたシンプルな料理方法で楽しませてくれるのです。
そんな、自然の恵みの味わいに自然の味わいのワインがとても良く合います。
アレッサンドロとガエタノがラテン語で名付けたワインはその地が与える歴史の深みを感じさせてくれたからではないでしょうか。
何も言わずに試してみる価値のあるワインです。
よろしくお願いいたします。
筆者は最近、嗜好が変わったのかヘビーなボディのワインを飲まなくなりました。たまに試飲すると昔はこんなのがぶがぶ飲んでいたのだなあと感心しております。
私の嗜好の中でヘビーなワインの中でもフランスのコート デュ ローヌ地方のワインはちょっと違う位置づけにあります。
しっかりした果実味の中に複雑な味わいが絡み合って、スパイシー感もあるし、テロワールを感じます。ローヌ川の狭いエリアの中でこんなに味わいの特色があることに以前は感激を覚えたものでした。
近年はAOCエリアを広げたことと、早くピークを迎えるような造りをするようになったので以前のような、いつ飲み頃を迎えるのかわからないようながんこなワインは今、なかなか見なくなりました。
こんなワインが世界中で感動を与え、共感されていると感じるのは新世界の地域で同じタイプのワイン、いわゆるローヌブレンドが造られているということです。
例を見ると、コート デュ ローヌを中心とした地中海沿岸エリア以外ではアルゼンチン、チリ、ウルグアイ、オーストラリア、USA、南アフリカなどで造られていますが、90年代頃はローヌのテロワールが生み出す味わいにはかなわなかったものでした。
しかし、ローヌワインの価格の高騰によるローヌ離れ、新世界エリアの技術の向上などで中、低価格帯のワインは本家を追い越す勢いが感じられます。
これはやはり料理方法や食材における嗜好が国際化してきたことが原因かなと思われます。
もちろん、ぶどう品種自体の強さもありますね。シラー、グルナッシュ、ムーヴェドルの畑を見てみるとほったらかしでもまずまずの果実をつけるのだなあと感心します。
でも、ぶどうに愛情のある農家さんたちは適正な手入れと情熱を注いでいます。そんなワインを当店でも選んでいます。
そんなローヌブレンドの飲み比べをするのも楽しいかと思います。
バーデンホースト セカトゥール レッドブレンド 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/386
ラスパイユ アイ ジゴンダス 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/163
マリア フィタ フィトー 2008
http://aquavitae.ocnk.net/product/108

よろしくお願いいたします。
オーストリアから新しいはちみつアイテムが入荷しました。

Aulandschaftshonig 水辺の花 (Frühling 春) アウランドシャフツ ホニック
http://aquavitae.ocnk.net/product/400

Lindenblütenhonig 菩提樹 リンデン ブリューテン ホニック
http://aquavitae.ocnk.net/product/401

これまでの当社のアイテムの中でフルーリングス ブリューテン ホニック(菜の花など春の花 在庫残り1個)、アカーツェン ブリューテン ホニック(アカシアの花 在庫残り2個)の入荷が今回はなく(今年の冬あたりに入荷予定です)、その代りに上記のアイテムが入荷しました。
シュタイヤーマルクは首都ウィーンの南、グラーツとの中間地点あたりにある場所ですが、そこを流れるラフニッツ川の水辺に咲くすみれ、アネモネから採取したはちみつです。さわやかな酸味があり、すっきりとした甘さでいろいろな用途に使えます。

リンデン ブリューテン ホニックは菩提樹の花から採取したはちみつでこの樹の持つキャラクタでもあるハーブのようなフレッシュ感とミネラルを感じる味わいです。アロマに特徴があるのでチーズやハーブティに合わせて頂きたいアイテムです。
日本人にとって菩提樹といえばブッダの樹というイメージですが、オーストリア人にとってはシューベルトの歌曲Der Lindenbaumの日本語名。歌曲集『冬の旅』第5曲やお菓子のバウムクーヘンのイメージですね。

これらのアイテムはいずれも花が咲く最盛期に採取されたはちみつを巣の中でみつばちが発熱により17%まで蒸発させたものを非加熱でお届けしております。
是非お試しください。
よろしくお願いいたします。