店長日記

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南アフリカワインの新入荷です。
今回の入荷アイテムは南アフリカの古い土地で若い生産者が造る新しいタイプのワインです。
筆者の試飲したイメージでは南アフリカのこれまでの味わいのイメージもやや残しながらも世界のマーケットが求める味わい、若年層の求める味わいのイメージ、壮年層の求めるなつかしい旧世界の思いである味わいを新しい大地で実現したハイブリッドなワインだと思いました。
価格もお求めやすい価格帯のアイテムを選びました。体に自然に入ってくるナチュラルスタイルと後に感じる余韻がモダンスタイルの食事にも合わせやすい。
おすすめのシリーズです。

sa-str-0004 クライン ザルゼ セラーセレクション ピノタージュ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/381

sa-str-0005 クライン ザルゼ セラーセレクション カベルネソーヴィニョン 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/382

sa-str-0006 ル リッシュ シャルドネ 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/383

sa-sw-0001-bio A.A.バーデンホースト セカトゥール シュナンブラン 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/385

sa-sw-0002-bio A.A.バーデンホースト セカトゥール レッドブレンド 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/386


よろしくお願いいたします。
2月に入り、バレンタインデー商戦にワインを、と考えておりました。
弊社取扱いのスパークリングワイン、
チェッロ プロセッコ (イタリア ヴェネト州)
http://aquavitae.ocnk.net/product/377
がございますが、こちらのラベルはロミオ&ジュリエットの舞台でもあるイタリアのヴェローナ郊外で造られるプロセッコになぞらえて愛をモチーフとしたラブリーなラベルです。
ハートマークのラベルのワインは世の中に多々ありますが、このスパークリングワインに注目した理由はほかにもあります。
この生産会社、チェッロ エ ティエラ社、(英 スカイ&アース社)Cielo e Terra Gruppo Cantine Colli Berici の取り組みに注目したからです。
この会社は様々な「プロジェクトブルー」と呼ばれる社会貢献活動に取り組んでいます。
アフリカの井戸掘削、CO2削減を目的としたエコノミックボトルの使用、貧困地域への労働機会の創生とシェアなどを行っています。
実際に行われてきた活動として、
西アフリカのシエラレオネで31本の井戸を掘削し、20年間で2万人にきれいな水を提供する。
オーガニックワイン会社EKUOの設立で雇用機会を創出する。
コロンビアのメデジン市で200人の恵まれない子供たちに食事、勉強、遊びの機会を与える。
EKUO社の有機ワインの売り上げ5%を上記のプロジェクトに割り当てる。
ことを行っています。

バレンタインデーでの男女の愛もメディア、商業として大々的に取り上げることも多いに結構なことですが、こういった形の愛の活動もみなさんに知ってほしいと思います。
このプロセッコを一本飲むことでアフリカや南米の子供たちに笑顔が生まれるかもしれません。

原文:http://www.cieloeterravini.com/it/progetto-blu.php
よろしくお願いいたします。

Wine Shop Aqua Vitae
店長
河合
相変わらず寒い日が続いております。
寒い日に飲み物を飲みたくなる気分ということについて考えてみました。
まず、熱いお茶やお味噌汁などですが、ここではワインに限定すると前回ご紹介したホットワインがあります。今回はそれを外して考えてみます。
熱くないワインではどうでしょうか。カカオや凝縮した果実味を感じる味わいではないかと思います。
こういう味のワインを挙げてみると

arg-mdz-0002 ドニャパウラ エステート カベルネソーヴィニョン 2015
http://aquavitae.ocnk.net/product/365
arg-mdz-0003 ドニャパウラ エステート マルベック 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/366
sp-arg-0001 サン アレハンドロ レイシス デ ガルナッチャ 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/241
sp-arg-0002 サン アレハンドロ レイシス デ テンプラニーリョ 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/242
it-tsc-0011-ntr カサーレ ダヴィッディ カイノーザ キャンティ コッリ セネージ 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/378
it-pgl-0006-org フェウディ ディ グアニャノ サリーチェ サレンティーノ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/379
it-pgl-0007-orgフェウディ ディ グアニャノ テラマーレ ネグロアマーロ サレント 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/380
it-tsc-0005-bio カンピ ヌォーヴィ モンテクッコ サンジョベーゼ リゼルヴァ 2010
http://aquavitae.ocnk.net/product/81
it-scl-0014-org サンタテレザ チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア クラシコ オーガニック 2012
http://aquavitae.ocnk.net/product/340
it-scl-0015-org サンタテレザ インシエメ ネロダヴォラ オーガニック 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/341
it-scl-0003-org サンタ テレザ フラッパート 2012
http://aquavitae.ocnk.net/product/82
sp-leo-0001-bio ロサーダ エル パハロ ロッホ 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/373

まだまだいろいろありますが、これらのワイン産地の共通点は暑い土地ではありますが、昼夜の温度差が大きく、果実味だけではなく酸やミネラルとのバランスが良いということです。つまり、一口だけではなく飲み飽きしない味わいです。
是非お試しください。よろしくお願いいたします。
昨今のニュースでチリワインの輸入量がフランスワインを抜いて1位になったというニュースを目にします。
チリワインが巷に広がっていることなのでしょうか?
消費者側の立場に立って考えてみると、フランスワイン愛好家がすぐにチリワインに乗り換えるかという考えも早計ではあると思います
チリワインはもともと、低価格、ブラインドテイスティングの問題になりそうなわかりやすいヴァラエタル(品種)の味わい、買い求めやすいなど身近な存在でスタートした記憶があります。
そしてその後、それを提供してきたチリ10大大手生産者の戦略として低価格帯のブランドイメージから脱却し、高級ラインへの切り替え、定温化した輸出コンテナの増大、その他、小規模生産者の輸出ラインへの積極的な進出があったせいかと思われます。
もう一つの大きなテーマとして、受け入れる側の日本人消費者の嗜好の問題があります。
チリ人の嗜好やサンチャゴのレストランはアサード(焼肉)や香草、ハーブの味を聞かせた料理を提供することが多く、日本人とのそれは違うように感じます。
ニューワールドのいわゆる「しっかりした味」を低価格で購入できることがコスパの良さを感じせてくれているのかもしれません。しかし食事の時に自分の食べたい食事にどんなワインを併せるかを考えると味わいの相性は正しく選択できているのかどうかをしっかり考える必要があります。その基準として、価格やその商品のバックボーン、生産過程などを知ることがその問題解決のカギになります。

また、経済的な傾向で高騰するフランスワインに対して、比較的買い求めやすいニューワールドのワインに流れていることも後押ししているのではないでしょうか。
そして近年のチリ側の味わいのブレンドについてはチリ国内の嗜好より、ヨーロピアンスタイルに変えてきている傾向があるように感じました。
もともと、チリのワインビジネススタイルはアメリカ人のスタイルを踏襲しているのか、と思わせる戦略が多々見られます。
チリの生産者の中でも地元、チリのスタイルを受け継いだ人やヨーロッパから移住してきた人など様々な考え方を持った人々がいますので味わいやスタイルは様々です。
共通していえるのはこれまで日本のマーケットを支配してきたフランスワインの存在が味わい、価格、在庫、天候の面でも絶対と言える時代ではなくなってきたのかもしれません。
そんな、これまで知られてきた生産地から新しい生産地のワインを試したくなってきた方へのガイドのお手伝いを続けていきたいと思っております。

チリワインのページ
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/58

よろしくお願いいたします。
2016年1月25日 第百五十一回配信

ドイツ、オーストリア、チェコ、ポーランドなど北ヨーロッパのドイツ文化圏では冬はちょうど今日の日本のように町中が凍り付いています。
ドイツ、オーストリアではグリューワインですが、ポーランドではグジャネ・ヴィノ、チェコではスヴァジェネ・ヴィノ、リトアニアではカルスタス・ヴィニャスなど呼び方も様々です。
そんなときに街角にはスタンドがあり、そこで大きな寸胴でワインを温めています。それが冬の風物詩になっていて、思わず手に取り飲んでしまう。それが体の芯を温めてくれます。

de-gw-0002-bio ハウザース グリューワイン ビオラベル 1000ml (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/364

これはワインのもつ味わいのみならず、スパイス、オレンジピールなどが入っていて、おいしさだけではなく体自身から体温を挙げてくれる効果もあります。

もっとも、赤ワインのみならず白のホットワインや、ホットビール、コーヒーにブランデーやリキュールを入れた飲み物もありますが、オーガニックで造られた体に優しいぶどうからお試しいただければこの厳しい冬を乗り切れるかもしれません。

よろしくお願いいたします。
ここしばらく日本は寒気に包まれ外に出るのもたいへんなほどですね。
こんな時は暖かい部屋で暖かな土地で造られたふくよかな味わいのワインをお勧めします。

イタリアはトスカーナから
it-tsc-0011-ntr アジェンダ カサーレ ダヴィッディ カイノーザ キャンティ コッリ セネージ 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/378

同じくイタリアは半島のかかと部分のプーリア州、レッチェから
it-pgl-0006-org フェウディ ディ グアニャーノ サリーチェ サレンティーノ 2014 (赤)

it-pgl-0007-org フェウディ ディ グアニャーノ テラマーレ ネグロアマーロ サレント IGT 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/380

トスカーナのカサーレ ダヴィッディは800年代からフィレンツェでワイン造りを続ける名家。レッチェのフェウディ ディ グアニャーノは2002年に5人の起業家が造り、地元品種のネグロアマーロの本来のスタイルの復活を目標にオーガニック農法を開始した生産者。両生産者のスタイルは両極端ですが共通して言えることはその土地が持つ独自の食文化、キャラクタに敬意を持って活動していることだと思います。生産性を上げるための国際品種の導入などをすることもなく、その土地に本来あったものを大切に育てていく精神は変わりありません。伝統的手法と最新の手法、アイデアは違いますがそのバックボーンにある造り手の思いを正しく伝えたいと思っています。人をおもてなしするときには全て自分たちの住んでいる環境のものでまかなう。これこそがイタリア人らしいおもてなしのすたいるではないでしょうか。

よろしくお願いいたします。
最近ようやく冬らしい気候になったと思ったのですが、今度は雪が突然降ってきています。
お出かけにはお足元にご注意してください。

来月2月向けにアイテムを探しています。2月はバレンタインデーがあります。

チェッロ プロセッコ ブリュット 
http://aquavitae.ocnk.net/product/377

ここの畑のある場所はシェイクスピアの戯曲、ロミオとジュリエットの舞台となったヴェローナからほど近いところにあります。
チェッロ・エ・テッラの所有する葡萄畑からは『ロミオとジュリエット』で有名なお城を見下ろすことが出来き、プロセッコのラベルには、印象的なハートマークと「1530年、『ロミオとジュリエット』のラブストーリーの舞台で造られたワイン」の表記がされています。
もちろん見た目だけではなく、味もおすすめです。
近年、プロセッコはシャンパーニュ、カヴァと肩を並べるほどの輸出量に成長しています。
しかもお求めやすい価格設定としてデイリースパークリングとしては使いやすいアイテムです。日本市場でイタリアのスパークリングというとアスティスプマンテやフリッザンテなどが有名でしたがこちらは甘口の味わいですが、プロセッコは辛口です。以前はエクストラドライと記載されていてもけっこうな甘さを感じるアイテムがありましたが近年はDOCの規定が厳しくなり、区画も限定されています。葡萄本来持っている味わいやアロマが忠実に再現されてくるようになったと思います。2013年には世界総本数ではシャンパーニュの出荷を上回り、日本で体感するよりもプロセッコが定着しつつあるようです。
筆者の感覚でも最近のシャンパーニュの高騰ぶりを見ると、ロンドンやニューヨークではプロセッコやカヴァをお手軽に、というスタイルが良くみられるようです。

話を元に戻して、このプロセッコの生産地のお膝元、ロミオとジュリエットをもう一度見直してみると、ジュリエット13歳、ロミオ18歳が出会って、結婚して、お互いがなくなるまでたったの5日間で話が完結しています。すごいですね。元はギリシャ神話のお話をモデルとしたものだったようですが、この手の作品は当時からたくさんあって、ストーリーはシェイクスピアの作風で庶民のいきいきとした生活が描かれていますね。
こんな話をしながらスパークリングのグラスを傾けるのも面白いと思います。
一度お試しください。
よろしくお願いいたします。
最近はブルゴーニュワインのお手頃価格を探しているという声をよく伺います。
ブルゴーニュワインの洗練さと日本人のこまやかな味覚が合うのでしょうか。
しかしながらブルゴーニュの生産者のほとんどが家族経営であり、大型輸出に耐えられる生産量を持っているところは多くありません。
また、畑の区画も細かく分かれているので大量生産をすると細かいテロワール(地味)の味わいが伝わりにくくなると思われます。
そのうえ、近年の天候不順で生産量が下がる年もしばしば見受けられます。
暑い、寒いだけではなく、雹の被害もあるのです。こちらはソフトボール並みの雹が降ってきます。ぶどうの樹にとってそんなものが降ってきたらひとたまりもありません。
ブルゴーニュの銘醸地で造られるワインはほとんどが高価なアイテムであり、少量生産ですから普段使いをするにはなかなか大変です。
しかし、必ずしもそういうアイテムばかりではなく丁寧に探していくと比較的安価でいいアイテムが見つかります。
ブルゴーニュでは比較的、コートドールより南、特にマコンあたりは生産地が比較的広く、味わいもよいアイテムが揃っているのでこのあたりを探してみるのが良いかもしれません。
マコンはブルゴーニュ南部で日照量も多く、完熟したぶどうから造られているので果実味豊かなタイプが多いのですが、マコン北部のあたりになるとややエレガントなスタイルのワインが良く見かけられます。
その中でお勧めなのがヴィレ・クレッセという地域で造られているワインです。
ここはヴィレ村とクレッセ村の二つの村からなる地域です。1999年に単独のアペラシオンに認定され、豊かな果実味に酸やミネラルなどの味わいの構成要素が濃密です。そして全体的な印象は優雅でチャーミングな味わいです。

テヴネ エ フィス ヴィレクレッセ テット 2008 (白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/273

こちらのワインは一部貴腐菌が付いたぶどうを使用しているので蜂蜜のような濃密な果実味とミネラル、酸のバランスが上手く取れているのが特徴です。ブルゴーニュワインでは比較的お買い求めやすいアイテムです。

一度お試しください。
よろしくお願いいたします。

Wine Shop Aqua Vitae
店長
河合
品切れしておりましたスペインワイン、ボデガ パルド トロサの造る、センダ ラス ロカス ボバル http://aquavitae.ocnk.net/product/321
が2013年の新しいヴィンテージで入荷しました。

このワインはスペインの地中海沿いの町、バレンシアから内陸部に入った小さな町、アルバセテを中心としたDO マンチュエラという場所で造られています。カタルーニャ南部、バレンシアを中心とした地域で古代ローマ時代から育てられる品種ボバル種を中心に赤ワインが多く造られています。この地域は内陸部の大陸性気候に属しています。砂漠のようなドライで乾燥した気候ですが、地中海からの湿った風、レバンテや二つの河川に挟まれた地域ということで周りの地域に比べると比較的湿潤な土地です。しかしながら直射日光の厳しい土地なのでここで育つボバルは葉を大きく育て、陽射しを遮る形でぶどうを守ります。
樹齢が古いエリアが多いため化学肥料などの薬品も一切使用しないオーガニックぶどうを使用しています。
そんな地域で育つボバルは黒チェリー、こけもも、チャーミングな果実味が特徴です。すでにリリースしている隣のエリア、ウティエル レケーナで造られたヴィラ デ エステナス プリマムボバル http://aquavitae.ocnk.net/product/305
の煮詰めたブルーベリーのような味わいとは違います。
まさに、DO(原産地呼称制度)違いを感じられるワインですので、ぜひ比較してみてください。
よろしくお願いいたします。
興味深い記事がありました。
「産地非表示ワイン」生産者たちがワインを共有する。
Vins sans indication géographique : des vignerons partagés

2016年1月1日からEU圏内で産地非表示ワインVins sans indication géographique (VSIG)が導入されます。
このワインが市場に出ることによってどういった影響が出るのか。
記事によると導入歓迎派は味の創造性が広がると言っています。フランスワインインタープロフェッショナル協会では2009年これまであったワインのカテゴリを見直していました。これまで、フランス国内では独自の栽培地が厳格に決められていましたので、そこを外れるとラベルにその生産地を表記することはできませんでした。しかし2016年からその規定をはずれ自由化の方向に向かうことになります。これによって輸出の需要を満たすための新品種の開発、新しいタイプのワインを造ることができる機会を与えられたと言えるでしょう。

そしてこの新しいマーケットはどこにあるでしょうか?世界の多くの地域でまだワインマーケットが未開発の場所が多く存在します。今注目されているのは中国です。
例えば、フランスの品種を持ってきて新しい味わいを作る、フランス国内でも同じ品種ながらもガスコーニュとラングドックなど違う生産地のワインのブレンドも可能になります。造る側は新しい市場の嗜好を見て様々なタイプのワインをリリースできるということです。
ヨーロッパのワイン輸入大国でもあるフランス、ドイツがその需要を満たすためにヨーロッパで最大の作付面積をもつスペインから輸入していますが、この競争力を再構築するための選択幅を増やしたと言えるでしょう。例えば、近年、葡萄畑が増えているイングランドからも輸入し需要を満たす選択肢が与えられることにもなります。

一方、反対派の意見はこうです。
「AOC (原産地統制呼称)制度の終焉だ!」
シャンパーニュ地方のマルヌ、ヴェルテュの首長でもあり、生産者でもあるパスカル・ペロー氏は「1927年から守られているAOCの死だ。テロワール(地味)というのは複数の土壌の条件、天候条件に基づいてできた制度。それに反して私たちの土地やよその土地で疑似シャンパーニュが造られることになります。そしてこの地方の良くないとされていた土壌でもぶどうが植えられることになります。それは品質の概念がなくなり、商品の味わいの低下を意味します。これは私だけではなくすべてのシャンパンメーカーが心配していることでもあります。ブリュッセル(EU本部がある)では当たり前のことのように決められてしまったが、ここヴェルテュではみんなが仰天しました。葡萄畑の面積の増加によって、味わいのレベルを維持することは不可能です。例えば大手メーカー、グランメゾンがイギリスに畑を買ってイギリス製シャンパン造ったらみなさんはそれを試したいと思いますか?」
とこの決定に怒りをあらわにしていました。

記事はここまでなのですが、ここからでは消費者側はどうするか。
この自由競争を歓迎するべきか、伝統あるラベル表記をまもるか。とてもデリケートな問題だとおもいます。

昨今報じられているTPP導入でもそうでしたが農家さんのご意見では日本の農家さんを保護する制度を作れという声もかなり聞かれます。ところが一方ではこの自由競争を利用して、日本の農作物を輸出するという新しい試みを行う農家さんも出てきました。
フランスでもそうですが保守派と急進派の意見は分かれるところでもあります。
時代の流れとともに変わる環境を捉え、どう対応していくか。
新しいシステムを導入して想像すること、長年守られてきた良き制度を守り続けることも大事だと思います。古きを温めて新しきを知る。

あの時飲んだ美味しかったワインがまた飲みたい、そんな気持ちにもなることもあります。
実際、ワインは毎年天候が変わるし、代替わりすればスタイルも変わります。ワイン生産者は性善説ではなく、性悪説でも考えなければなりません。ワインに混ざってはならないものが混ぜられていて事件になったこともあります。

筆者もあの時のワインを飲みたいと探したこともありますが、ワインは生産者さんお熱い思いで造る葡萄の出来、その年の転向で左右される収穫の状況、醸造、熟成の時の人の意志、そのあとの保存状態、輸入業者さんの意思決定、販売業者さんのお客様への思いやり、消費する人のワインへの思いがつながって初めてグラスに注がれるものなのであります。同じ飲み手でもその時のお店、供されるお料理、同席する人によって、同じヴィンテージ、同じラベルのワインでもその時々によって味は違うものなのです。

筆者はワインは人、一期一会ではないかと思っています。
ワインだけではないですが消費者側の商品への感心、興味、知識欲が高まっていければこの問題が投じた一石はうまく波紋が伝わっていくでしょうし、意味のあるものになるのではないでしょうか。

筆者はそんな小さな生産者さん、小さな輸入業者さんの思いを知り、そしてお客様に伝えていく努力を改めて継続していかなければならない使命があると再認識しました。


元記事:
http://www.leparisien.fr/espace-premium/actu/il-faut-devenir-des-createurs-de-gout-29-12-2015-5406445.php#xtref=http%3A%2F%2Fwww.bing.com%2Fsearch%3Fq%3DVins%25E3%2580%2580Sans%25E3%2580%2580Indication%25E3%2580%2580Geographique%24src%3DIE-SearchBox%24FORM%3DIESR02
ワインを飲むときに選ぶ基準の一つとしてぶどう品種があると思います。
その中で代表的な品種名を聞くと、なんとなくイメージがつかめてなるほど、と安心してオーダーができたこともあったかと思います。
しかし、ここ数年の気候、環境の変化でそうとばかりも言えなくなって来ました。
今年の日本の一月のように、世界各地も環境が変化しています。ワインベルト地帯も多分にもれず、その弊害、または恩恵を被っています。
つまり、自然環境、人的要素でワインの味はここ数年で目まぐるしく変化しているのです。
先日、あるお客様に言われたことですが、ピノノワール種という品種をつかったエレガントなワインが大好きでデイリーワインとなるものを探しているとお問い合わせがありました。
ピノノワール種はブルゴーニュワインの代表的な品種のひとつですが、多くの生産者が家族経営でボルドーとは違い、安定した生産量を期待するのは難しい、それ故に価格が高騰しています。コトーブルギニョンなど生産者を保護したAOCが制定されたりして比較的低価格帯のワインが出てきましたが、デイリーワインとなると価格的には難しい。もっと安いワインを探すとあるにはあるがボジョレーのガメ種などのブレンドでピノノワールのイメージとは違う、と感じることもあるようです。一方北部に向かうとオーセールなどディジョン以北のワインはまだまだ果実の厚みが足りないものも多く、なかなかこれはというアイテムが見当たりません。
ほかの地方もあたってみました。
そのワインはロワールにありました。地域はロワールの中心都市、ナントの上流、ミュスカデエリアの上流、ミュスカデ コトー ド ラ ロワールというAOC(原産地統制呼称)の生産者が造るワインでした。
ミュスカデというとムロン ド ブルゴーニュという寒冷地に強いぶどう品種が有名ですが、この上流の地域は比較的温暖で、ソーヴィニョンブラン、シャルドネ、ピノノワールが造られています。
今回ご紹介するアイテムは、レトレ ダヴィという生産者が50年前から手掛けている畑でテラヴィティス認証の自然派生産者です。
このワインを試飲した時に感じたのは純粋に果実の味わいでした。
本当に品種の特性が良くあらわされた自然な味わいです。畑もアルドワーズという鉱物を含んだ土壌でミネラルやテロワールも十分に感じることができ、寒冷地とは思えないぶどうの成熟ぶりを感じました。これも地球温暖化の影響でしょうか。

fr-lor-0008-lrs レトレ ダヴィ ロワール ソーヴィニョンブラン パーセル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/375
fr-lor-0013-lrs レトレ ダヴィ ロワール ピノノワール シャピトル 2014
http://aquavitae.ocnk.net/product/376

是非お試しください。よろしくお願いいたします。
今年最初のコラムです。今年もよろしくお願いいたします。
今週から仕事始めの方も多いこととおもいます。まだ体内時計や生活のペースが戻っていない方はゆっくりと戻してください。
今年最初のテーマは中世時代、サンチアゴ・デ・コンポステラに向かうヨーロッパの巡礼者たちによってイベリア半島にもたらされたワインを紹介したいと思います。
そのぶどう、メンシア種はガリシア州などスペイン北西部で栽培されますが特に評価が高いのはカステージャ イ レオン州のビエルソで造られるメンシアです。
この地域を訪れるとそれまで蒸し暑いスペインの町を歩いてきた筆者にとって、別世界にきたような涼しさとさわやかさを感じさせてくれる土地でした。
しかし、何もないこの荒涼とした土地は巡礼路、エル・カミーノではピレネー山脈越えに続いて過酷で終着点のサンチアゴ・デ・コンポステラへの最後の難関、レオン県のセブレイロ峠越えは巡礼者にとって、雨の多いこの土地が最後の過酷な試練であったことが伝わってきます。しかしケルト人が住んでいたころからの石造りの家がそのまま宿になっているところもあり、情緒あふれる土地でもありました。
そんな粘土質、石灰質で構成されたスレート土壌の荒涼とした土地との相性が良く、味わいにも良い結果をのこすこのメンシアというぶどうはスペインワインの中ではタンニンや酸味をあまり感じないフレッシュでなめらかな味わいになっており、その成熟ぶりはスペインの太陽をそのまま表した力強さを感じさせてくれます。
1990年代のプリオラートがスーパースパニッシュと呼ばれていた時代の次世代のワインとして注目されるこの地域には若手の生産者がどんどん入ってきていて可能性を感じさせます。
そんな地域のでお手頃な価格のアイテムがあります。

ロサーダ ヴィノス デ フィンカ
1960年にフランス、ボルドー大学のエミール・ペイノー博士は「いつの日かヨーロッパで最も優れた赤ワイン産地の一つになるだろう」というコメントを残しています。ビエルソではこの土地固有の葡萄である古いメンシアの樹から高品質な赤ワインを生産しています。メンシアの特長はその酸度の低さと糖度の高さ。これによりワインに良いボディが与えられ、柔らかく滑らかな口当たりのワインとなります。新鮮なブラックベリー、ラスベリー、レッドカラント、熟したプラム、リコリス、ハーブ、ミネラルなどの香りを感じることが出来ます。
古くから伝統的に行なわれてきたやり方に従い、土壌を鋤で耕し、土壌を覆う草を植えて土地の侵食を防いでいます。また、この地域の専門調査機関に土壌の分析を依頼しており、これにより葡萄の成長の為の技術が継続的に見直され、強化されています。ビオディナミに興味を持った時期もありましたが、科学的根拠がないことと、スペインにはビオディナミに認証を与える団体が存在しなかったことから、国際的な基準に順応する栽培基準を設定し、それに沿って葡萄を栽培しています。

そんなワイナリーが造ったワインがこちらです。
ロサーダ エル パハロ (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/373
「エル パハロ」はラベルにも描いてある小鳥の意味です。スペインの人たちはよく写真を撮る時に「パハロ」という言葉を使いますが、レンズから小鳥が出てくるからよく見てねという意味でこの言葉を使います。このワインはメンシア種をそのまま体現した味わいで若くフレッシュで濃厚です。この地域の料理にもありますが肉料理との相性は抜群です。

ロサーダ シンコ ロサス (ロゼ)
http://aquavitae.ocnk.net/product/374
エレガントな色と味わいがまるでグラスから出てくるブーケのようです。まさにラベルにある5本のバラ、シンコ ロサスの名前の通りの味わいです。

是非お試しください。今年もよろしくお願いいたします。
年末も押し迫ってきてみなさまのお仕事も一段落し、しばし落ち着いた時間をお過ごしの頃でしょうか。
ワインビジネス業界に入った頃は、ワインを造る土地の地味(テロワール)というものがあり、それはその土地でしか生み出せないと教わったことがありました。
たしかに、2007年あたりまではフランスのボルドーやブルゴーニュのワインなどはブラインドテイスティングをしても、なんとなくこのAOC(原産地統制呼称)ならこういうイメージだと大まかにつかんでいましたが、だんだんとそのイメージがぼけてきました。
固定観念でそうだと思っていても間違えてしまったり、周りは違うといっても自分はそうだと思っていたら正解したり・・・マーケティングのグローバル化が進むとともに個性も失われつつあると思いました。
もともとフランス、スペイン、オーストラリアワインはイギリスのマーケット向けに造られていたもので当然そのマーケットの中でウェルカムな味わいにされるべく造られていたものがだんだんとインターナショナルなマーケットに合う味わいに変化してきたことがテイスティングを経てわかるようになってきます。
その中でフランスワインは高額化する傾向にあり、中産階級層ではついていけない強気の価格設定を行う生産者も増えてきました。
そこで生産者たちはワイン旧世界生産国を飛び出して、新世界生産国で旧世界の味わいを実現するための試みを始めています。

私のビジネスでの役割は日本国内で知られていない、旧世界のワインの実現を達成しようとする生産者を紹介、導入することだと思っています。
具体的に例を挙げると、
南アフリカのワインをテイスティングする機会を今年は多く設定しました。
南アフリカのこれまでのイメージは過熟、凝縮しすぎた、青っぽい、ピーマンのような香りのする安価なワインというイメージでした。
ところが、ここ数年でこのイメージを一新するワインに次々と出会っていきます。
そして、その理由をいろいろと聞いてみると、もともと南アフリカのフランス人居住区できれいなピノノワールを造ったり、高騰するフランスワインに見切りをつけて、それに限りなく近いイメージの味わいを造る人が現れたりという土壌がすでにあったことを知りました。
南アフリカでのワイン愛好家はドイツ、オランダ、イギリスのオリジンが多数派を占めていると思われますが、これを見てもコストをかけずに理想とするワインの味わいを実現しようとする国民性のようなものを感じます。

例えば、
sa-cdb-0002 セダーバーグ デリウク ピノノワール 2012 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product/370

を昨日試飲しました。
もともとこの地域はケープタウンから内陸に300km入った、標高1000mの地域で造られているぶどうから造られたワインですから冷涼なエレガントな味わいのイメージがありました。しかしながら日照量が豊富なため、色調がしっかりしたピノノワールになっています。
試飲をすると、まるでブルゴーニュ中部地域のワイン、ヴォーヌ・ロマネからニュイサンジョルジュをイメージさせます。まだ若いワインでしたので、もうしばらく寝かせるとすばらしく化ける可能性があると感じさせてくれました。
それをみると価格はブルゴーニュと比べると破格の安さです。しかしそのワインは私に感動を与えてくれました。
世界中でこんな努力を続けている人はたくさんいます。
ワインは日常にあるべきアイテムだと思っていますので、いつでも手が届く価格であり、味も妥協しないそんなワインをこれからも探し続けてご紹介していきたいと思っております。
今年一年お世話になりました。そして来年もよろしくお願いいたします。
この場でお礼に代えさせていただきます。ありがとうございました。
南アフリカの可能性を求めています。フランスやイタリアワインもいいですが価格が高騰していますね。ワイングラスは日常にあり、というコンセプトに販売を続ける筆者は新天地を探しています。
今回は南アフリカ、エルギンバレーのワインです。
エルギンバレーはケープタウンやステレンボッシュから東へ車で一時間程度のところにありますが、谷というよりは山に囲まれた巨大な盆地になっています。湖もたくさんあります。ワイン造りの歴史は古くはありませんが、海からの風で冷涼気候になっています。元々果樹園だった場所にぶどうを造り始めたので、品種もリースリングやピノなどの寒い地方で造られるぶどうが多いですが、晴天日もかなり多いのでぶどうが良く熟す土地です。
このシャノンヴィンヤーズは谷の端にあるのですが2000年からハイレベルなワインを造るために準備をすすめ2008年からリリースしました。
自身もファーストヴィンテージから時々試飲してきましたが、とくにメルロ種のレベルアップがすごく、ファーストヴィンテージのイメージからすると現行ヴィンテージのレベルアップにただ驚くばかりでした。
この味のなめらかさはフランスやイタリアだといくらのワインになるだろうと、ちょっと下世話なことをかんがえてしまうほどコストパフォーマンスの良さが評価できるアイテムです。
そういえば、南アフリカのレストランもかなり様変わりしているようで、アフリカンブラックのソムリエさんもかなり増えてきているみたいです。

sa-elg-0001 シャノン マウント バレット メルロ 2011(赤) 
http://aquavitae.ocnk.net/product/371

sa-elg-0002 シャノン サンクチュアリピーク ソーヴィニョンブラン 2013(白)
http://aquavitae.ocnk.net/product/368

ぜひお試しください。
今日、明日、みなさまはクリスマスパーティで盛り上がる日で、今頃はその準備に追われていることと思います。
日本の一般的なクリスマスは宗教的な意味はなく、一年の労をねぎらったり、プレゼント交換するパーティですが、本来、イエス・キリストの降誕を祝うミサですから宗教的な儀式ですね。
キリスト教の宗派の中でも正教会などグレゴリオ暦は1月7日にミサを行うところもあるようですね。
その中でもワインに関連するのは聖餐の儀式ですが、起源は良く知られている最後の晩餐を意味します。聖変化と言われるパンとワインがキリストの体や血に変わることからその聖体を皆で分け合うというのが儀式の流れになっています。
これは杯から飲むか、パンに浸して食べるか宗派によっていろいろとやり方があるようです。
話は変わって、先日、浄土真宗のお坊さんの法話を聞いた時、お供え物はどうすればいいのかというくだりのお話がありました。食べ物や飲み物のお供え物はお供えして、手を合わせたらすぐに食べてくださいとのことでした。いつまでも置いておくと食べられなくなり、勿体ないので、ということでした。
ふーん、どこの国でもすぐに食べたり飲んだりするのだなあ、と単純に考えておりました。
気になった筆者は世界三大宗教の一つと言われるイスラム教はどうか、知人に聞いてみました。
もちろん、クリスマスはないですが、年明けから春先にノウルーズという春を迎えるお祭りがあるそうです。もともとはゾロアスター教の新年のお祝いで、イランを始め中央アジアでそれぞれ暦が違うので行われる日が違うようですが、イランはハフト・スィーン、つまり直訳すると「7つのS」と呼ばれるものを集めて祝う儀礼があるそうで、リンゴ(sib)、ニンニク(sir)、酢(serke)、センジェド(senjed ななかまど)、スーマック(somaq、漆の実)、ソンボル(sonbol 小麦の穂)、サマヌー(samanu、麦焦がしプディング)を食べる習慣があるということです。
場所や宗教が変わってもお供えしたものをみんなで分け合って食べ、みんなが幸せを感じることには変わりないのですね。
これからワインで乾杯する機会が増えると思いますが、ぜひみんなでお楽しみ下さい。そして飲み過ぎには注意してください。
興味深い記事を見つけました。

カナダのアルバータ大学医学部&歯学部の記事によると、特定の果物、ナッツ類、赤ワインに含まれるポリフェノールという物質があるのは周知の事実ですが、同様に含まれるレスベラトロールという物質を摂取することによって運動トレーニングに近いパフォーマンスを発揮させるということです。
http://www.med.ualberta.ca/news/2012/june/resveratrolmaybeanaturalexerciseperformanceenhanceruofamedicalresearch

私は医師ではありませんので深くは言及できませんが、この物質が血流を促進させることによって心機能と筋力を向上させ、血管拡張反応を改善し、動脈硬化を防ぎ、脳への血流量も増加させることで認知症の予防にもなるとのことです。
さらにヨーロッパの研究チームは肥満男性にレスベラトロールを投与したところカロリー制限をしたことと同等の効果を得たことも報告されているそうです。
まだ研究段階ですが、筆者もトレーニングを定期的に行っている実感からすると確かに筋力トレーニングはトレーニングの部分、あるいは体全体に血液を送りこむ動作をおこなうことによって筋繊維やその他の機能に刺激を与え、その後の超回復により、機能向上を図る行動です。

この場合は、レスベラトロールを体内に取り込むことで血流促進による効果を期待しているということになるでしょうか。

しかしながら、この記事の下に記載してある読者のコメント欄にも注目しなければなりません。
赤ワインについてはアルコールに対してのセルフコントロールができるかどうか、レスベラトロールの摂取量と効果の相関関係についてのコメントも見逃せません。
たしかにフランスの過大広告、摂取過多による弊害にも十分注意が必要です。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。

筆者は今後、その効果を意識してトレーニング効果と比較しながらワインを試してみたいと思います。

興味があるかたは是非一度お試しください。
よろしくお願いいたします。
寒くなってくると暖かいものを食べたくなります。暖かいものといえば鍋料理でしょうか。
ヨーロッパにも鍋料理がありますが、特徴ある鍋料理で筆者が思いだすのは中央ヨーロッパ、バルカン半島にあるハンガリー、旧ユーゴスラヴィアの料理です。
この地域の文化はオリジナルがないと言われ外から様々な国の文化が流入してきて混ぜ合わさったような文化を形成しています。それがオリジナルと言えるのかもしれません。
例えば、ハンガリーはマジャル人の国と言われウラル山脈から来た遊牧民が祖先です。その祖先が作っていた鍋料理が今のハンガリー料理の原点と言われていますが、過去にオスマン帝国、今のトルコやドイツ・オーストリアにも支配されていた時代を経てきているので当然その影響も受けています。また過去のハンガリー王国は今よりもずっと大きかったので周辺の国にはハンガリーのコミュニティも存在し、その影響を与えています。実際、ルーマニアやセルビアあたりでもルーマニア語やセルビア語よりもマジャル語のほうが良く通じたり、標識がマジャル語で表記してあったりする場合もよく目にしたことがあります。
実際に様々な民族がいて対立などもありますが、それぞれがモザイクのように存在してそのアイデンティティを保っているように思えます。
おとなりのクロアチアも同様ですが、ここは地形自体に特徴があり、ひらがなの「く」の字の地形をしているせいか、アドリア海に面したダルマチア地方とハンガリー、セルビア、ボスニアと面した内陸部とはまるで違った文化を持っています。
アドリア海側のダルマチア地方は対岸のヴェネツィア王国以来、イタリアの影響を受けた文化ですが、内陸側はスラヴの文化を受けています。
実際にダルマチア地方に行くとイタリア料理店、イタリア人観光客が多いのに驚きます。ここはイタリアではないか思うくらいです。ところが内陸部は住んでいる人の顔も多少違うように思え、料理は前述のハンガリーやドイツの料理に似ているものが多いように思えました。
パプリカなどの香辛料を効かせたスパイシーな料理が多く、たしかにオスマンの影響を受けていると実感できます。
そうなるとそこで造られるワインの味はその料理に沿うものになりますのでスパイシーな味、またはそれに合う味、スパイシーをクリアにしてくれる味になります。
実際当社で扱っている
クロアチアワイン、ハンガリーワインをテイスティングしてみると、赤はややスパイスを感じる味わい。白はエレガントでクリアにしてくれる味わいが多いと感じました。
ぶどうは自然が造るもの、ワインは人が造るものと実感させてくれます。
そんな楽しくさせてくれるワインは

イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ プレミアム 2012 (白)
イロチュキ ポドゥルミ トラミナツ セレクテッド 2013 (白)
イロチュキ ポドゥルミ カピストラン ツルニ セレクテッド 2013 (赤)
イロチュキ ポドゥルミ グラシェヴィーナ セレクテッド 2013 (白)
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/21

パンノンハルミ アパーチャーギ ピンツェーセト パンノンハルミ オラズリズリング 2013 (白)
パンノンハルミ アパーチャーギ ピンツェーセト パンノンハルミ トリコシュ レッド 2013 (赤)
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/23

をそろえています。ぜひお試しください。
よろしくお願いいたします。
いよいよ今年も残り3週間余りとなりました。
クリスマスイヴも近づいてきて、子供たちはプレゼントやケーキに期待を膨らませる時期です。
大人にもそういう感覚があってもいいのではと思いました。
そこで今回新入荷したワインをご紹介いたします。

arg-mdz-0002 ドニャパウラ エステート カベルネソーヴィニョン 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/365
arg-mdz-0003 ドニャパウラ エステート マルベック 2013
http://aquavitae.ocnk.net/product/366

なぜ、この生産者を選んだかと言いますと、当社のコンセプトでもある顔の見える生産者が自然に優しい農法でぶどうを育て、そこから造られたナチュラルなワインを人間が体に無理なく入れるというスタイルに合っている生産者です。
ここは1990年かの土壌調査からスタートし、最初のリリースは1999年と若い生産者で特別な認証などはありませんが、アンデスの高地で自然の資源を保護することを第一と考えているのでぶどうにとっての害虫や菌がほとんどなく、殺菌などの農薬も自然に存在する流化銅や硫黄のみの有機農法、サステイナブル(持続可能)な農法を実践しています。

このエリアで造られるぶどうは高地のため、雨が少なく、太陽の日照時間が多い、特に収穫時期を後半にむかえるカベルネソーヴィニョン種やマルベック種にとっては理想的な環境と言えます。
そんなぶどうはぶどうの味の要素が豊富に凝縮されており、ブラックベリーなどのジャム、カカオの風味といったまるでチョコレートケーキの味わいに並び称される表現でたたえられます。
この時期にそういう味わいのワインはまるで、大人のためのクリスマスケーキのようですね。価格もヨーロッパのワインよりもお手頃、コストパフォーマンスも高いこのワインをクリスマスパーティのテーブルに並べてみませんか。
この季節は高額な世界で名だたるドメインのワインが飛ぶように売れます。
筆者もこの業界に入ったころはボルドーの五大シャトーやブルゴーニュのロマネ・コンティなど世界で有名なワインを試すことにあこがれを抱いていました。
ワインと言うのは人間と同じで一期一会。同じ収穫年に同じ生産者が作った同じワインを何回飲んでも、その時のテーブルの雰囲気、ワインのコンディション、サービスの仕方、グラスの形状、ともに頂く食事の味などなどでまるで味が違います。あの時の味をもう一度と思ってチャレンジしても失望を感じたり、感動を覚えたりと悲喜交々だったことを覚えています。

高価なワインをありがたく思って飲んでもそれはその時のその人の優越感やそのワインに対する価値観など目に見えないものに過敏に感情を出すのはどうなのだろうと疑問を持つことになっていきます。

例えば、1990年代から2000年代後半にかけて、幸いなことにボルドー五大シャトーの異なるヴィンテージを試飲する機会に立ち会えました。
毎年、その試飲の時には感動を覚えたものでしたがあるヴィンテージを境にそれは失われます。それまでは抜栓しても決して私たちに媚びることのなかった硬さと閉じこもった味わいがあり、いつ飲み頃になるのか、みなで話し合ったものでしたが、そのヴィンテージ以降は抜栓から赤い花のような香りとフルーツがどんどんとグラスの中から飛び出し、こんなに調子のいい八方美人のようなワインになったのかと驚きました。

その理由はいろいろあるのですが、結局は造る人の意向でどうにでもなるのかとおもったときにそのあこがれは薄れていったのです。

シャトーも会社と同じで経営があってこそのもので、樽に寝かせているワインは会計上、不良在庫と同じ。経営者としてはどんどん出荷したいのだろうと思わせました。そこに海外の新しいマーケットがバンバン売ってくれというと熟成を待たずにバンバン出荷してしまう。飲み頃も当然早まるような造りになります。
生産者によっては原産地統制呼称のルールに反したことをしてしまう。
これも、お金や誘惑などの目に見えないものに動かされてしまうのだろう。
だけれどもワインはそれについてケチをつけることはほぼできない。生産者はこう言うでしょう。「あなたはそのワインの本当の味を知っているのか?いままでにそのヴィンテージを飲んだことがあるのか?」と、突っぱねられてしまうでしょう。

実際に偽物を造るだけでなく、ルールに反したぶどうが入っていたり、生産過程でやってはいけないことをやった有名生産地のトップドメインもいたし、そういう事件もありました。
ぶどうは自然の産物ですがワインは人間の造るものだと思い知らされました。

その時にワインは日常のもの、お店のコンセプトでもある造った人が見えるワインをセレクトし、自分で感じたことを紹介していこうと心に決めたのです。
あるとき、コミック、ゴルゴ13を読んでいて、「誇り高き葡萄酒」1990年11月作品 94巻を見たときそんなことを思い出しました。
機会があればちょっと見てみることをお勧めします。面白いストーリーです。

よろしくお願いいたします。
すごく寒いドイツにクリスマスがやってきます。12月は町が凍り付いてしまうようです。
サッカーのブンデスリーガーも寒すぎてお休みします。
ドイツでも11月最後の日曜日からクリスマスの準備が始まります。それぞれの家の扉にはアドヴェントクランツという樅ノ木のリースが飾られます。
この時期は外を歩く観光客も少なく、みんな家庭で過ごす機会が多くなります。
そんな日にはグリューワインと言われる、鍋で温めたホットワインを飲みながらクリスマスシュトーレンなど買い物をしたりするのでこのグリューワインはクリスマスの風物詩なのです。

そこで当店もホットワインを扱います。
de-gw-0001  ハウザース グリューワイン クリスマスラベル 1000ml 
de-gw-0002-bio ハウザース グリューワイン BIOラベル 1000ml
http://aquavitae.ocnk.net/product-list/102

日本ではホットワインで楽しんでいる人はまだ少ないようですがこれから本格的に寒くなる冬の到来に備えてお試しください。

よろしくお願いいたします。