これまでぶどうの産地を世界地図で見てみると北緯30~50度、南緯20~40度の気候帯の中で育成され、フランス、イタリアなどの西ヨーロッパの旧世界に対してその他の国が新世界のワインと区別されてきました。
しかし、皆様がご存知のように地球温暖化、急激な気候変動により、その地図は塗り替えられようとしています。
近年はこれまでワイン産地としては聞いたことのない国々でワイナリーが造られ、葡萄が生産されて来ています。そして、これまでのワイン生産国でも特定の地域で見たことのない品種が植えられ、私たちのこれまで持っていたワインの常識には当てはまらないワインが登場してきました。
例えば、イギリス、歴史上ではフランス同様、修道院でワインを作っていたのですが宗教改革で時廃れていましたが、現在ではイングランド南部で生産が盛んになってきています。生産の概念もワイナリーというよりもオーチャード、すなわち果樹園としていくつかの農作物や酪農の製品の一つとしてワインが造られているイメージがあります。以前、フランスやスペイン、ポルトガルにとってのワインの取引先がイギリスであったことを考えると地産地消の概念でワインを造っていてもおかしくはありません。また温暖化によるぶどう生産の北限が上がってきていて、シャンパーニュのメーカーがイングランドに土地を購入している話も聞きますし、そのシャンパーニュ地方でぶどうを造る生産者に話を聞いてみると、
「温暖化でシャンパーニュが造れなくなったらどうするのか?」「その時は赤ワインをメインに作ればいいだけだよ。」とあっさりと言ってのけたのには驚かされました。
そのほか、ベルギー、オランダ、デンマーク、ポーランド、タイでワインが造られ、評価が高まっていることにも注目です。
ベネルクスやデンマークではヴィンテージビールなどの熟成させたアルコール類をよく見ますが、その原材料がぶどうになっただけの概念で造られている印象があります。
デンマークはイングランド同様、これまでの消費者側としての地産地消のアイデアがあったのは当然のなりゆきかもしれません。
ポーランドはポーランド南西部のルブスキエ地方だけで造られています。この地方はドイツの影響をうけていて宗教が影響を与えているようです。
タイは土壌、気候、マーケットを見てぶどう生産環境が作りだされた歴史があるようですが、おもしろいのは、タイ料理とのマリアージュ。
日本人の普通のイメージからするとワインとタイ料理の相性の良さは程遠いものに思われますが、全体的に辛みの強さを控え目にして、ワインとの相性を意識すれば合うようです。
タイ料理の味わいはレモンの酸味、ソースの甘味が素材をまろやかにする料理が多いので、
香菜やナンプラーもその組み合わせのイメージの中で調理していけば相性の良いワインは見つかると思われます。
南半球ではアルゼンチンのパタゴニア地方の砂漠地帯、リオグランデ周辺で造られるピノノワールが有名になりつつあります。
ブラジル北東部ペルナンブコ付近でもワイン産地が増えてきています。以前上映された、モンドヴィーノでもそのレポートがありましたが、「ココナッツでワインを造るのか?」といったセリフが出てきたように、消費者が想像できなかった場所でワインが造られています。
その映画の中で、フライングワインメーカー、ミッシェル・ロラン氏が、「月面に人類が住み始めたら、私がワインを月面で造ろう。」と言っていたことが現実になるかもしれません。
最初のテーマでは気候の変動に伴ってワイン産地が変動しているという考察から色々な国のケースを見てきましたが、こうしてみると、ワイン地図の変動の原因は気候ばかりとは言えないようです。人のアイデアやマーケットによる影響も多いですね。
筆者の経験ではタイではありませんが、パリや南仏でベトナム人の知り合いが出してくれたベトナム料理とフランスワインを合わせたことがあります。
ベトナム料理にとってフランスのバゲットは必須アイテムですから香菜や魚醤の効いた生春巻きとワインがすごく自然に合わせ、おいしく頂いた記憶があります。
これまでの概念をやぶる小さなチャレンジをおウチの食卓で行ってみるのもおもしろいのではないでしょうか。
しかし、皆様がご存知のように地球温暖化、急激な気候変動により、その地図は塗り替えられようとしています。
近年はこれまでワイン産地としては聞いたことのない国々でワイナリーが造られ、葡萄が生産されて来ています。そして、これまでのワイン生産国でも特定の地域で見たことのない品種が植えられ、私たちのこれまで持っていたワインの常識には当てはまらないワインが登場してきました。
例えば、イギリス、歴史上ではフランス同様、修道院でワインを作っていたのですが宗教改革で時廃れていましたが、現在ではイングランド南部で生産が盛んになってきています。生産の概念もワイナリーというよりもオーチャード、すなわち果樹園としていくつかの農作物や酪農の製品の一つとしてワインが造られているイメージがあります。以前、フランスやスペイン、ポルトガルにとってのワインの取引先がイギリスであったことを考えると地産地消の概念でワインを造っていてもおかしくはありません。また温暖化によるぶどう生産の北限が上がってきていて、シャンパーニュのメーカーがイングランドに土地を購入している話も聞きますし、そのシャンパーニュ地方でぶどうを造る生産者に話を聞いてみると、
「温暖化でシャンパーニュが造れなくなったらどうするのか?」「その時は赤ワインをメインに作ればいいだけだよ。」とあっさりと言ってのけたのには驚かされました。
そのほか、ベルギー、オランダ、デンマーク、ポーランド、タイでワインが造られ、評価が高まっていることにも注目です。
ベネルクスやデンマークではヴィンテージビールなどの熟成させたアルコール類をよく見ますが、その原材料がぶどうになっただけの概念で造られている印象があります。
デンマークはイングランド同様、これまでの消費者側としての地産地消のアイデアがあったのは当然のなりゆきかもしれません。
ポーランドはポーランド南西部のルブスキエ地方だけで造られています。この地方はドイツの影響をうけていて宗教が影響を与えているようです。
タイは土壌、気候、マーケットを見てぶどう生産環境が作りだされた歴史があるようですが、おもしろいのは、タイ料理とのマリアージュ。
日本人の普通のイメージからするとワインとタイ料理の相性の良さは程遠いものに思われますが、全体的に辛みの強さを控え目にして、ワインとの相性を意識すれば合うようです。
タイ料理の味わいはレモンの酸味、ソースの甘味が素材をまろやかにする料理が多いので、
香菜やナンプラーもその組み合わせのイメージの中で調理していけば相性の良いワインは見つかると思われます。
南半球ではアルゼンチンのパタゴニア地方の砂漠地帯、リオグランデ周辺で造られるピノノワールが有名になりつつあります。
ブラジル北東部ペルナンブコ付近でもワイン産地が増えてきています。以前上映された、モンドヴィーノでもそのレポートがありましたが、「ココナッツでワインを造るのか?」といったセリフが出てきたように、消費者が想像できなかった場所でワインが造られています。
その映画の中で、フライングワインメーカー、ミッシェル・ロラン氏が、「月面に人類が住み始めたら、私がワインを月面で造ろう。」と言っていたことが現実になるかもしれません。
最初のテーマでは気候の変動に伴ってワイン産地が変動しているという考察から色々な国のケースを見てきましたが、こうしてみると、ワイン地図の変動の原因は気候ばかりとは言えないようです。人のアイデアやマーケットによる影響も多いですね。
筆者の経験ではタイではありませんが、パリや南仏でベトナム人の知り合いが出してくれたベトナム料理とフランスワインを合わせたことがあります。
ベトナム料理にとってフランスのバゲットは必須アイテムですから香菜や魚醤の効いた生春巻きとワインがすごく自然に合わせ、おいしく頂いた記憶があります。
これまでの概念をやぶる小さなチャレンジをおウチの食卓で行ってみるのもおもしろいのではないでしょうか。